バレンタインデーのアレ


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<登場人物>
有野 美雪(ありの みゆき):
 16歳、高校1年生。世話焼きで真面目な性格。
 自分の恋愛観はほぼゼロで、バレンタインデーも友チョコしか用意していない。

香月 小百合(かづき さゆり):
 16歳、高校1年生。元気で明るく、恋愛に燃える女の子。
 但し、男を見る目は若干ズレている・・・かもしれない。

森屋 友音(もりや ゆね):
 16歳、高校1年生。萌え袖がデフォルトで、よくはわはわしてる。
 自分にあまり自信が持てず、時々悲観的な発言をする。祥一に片思い中。

水無月 祥一(みなづき しょういち):
 17歳、高校2年生。色気が隠せない、やや俺様系優等生。
 恋人に対する理想が高く、遊びの恋は絶対にしない。実は超甘党。

不破 翔(ふわ かける):
 17歳、高校2年生。美雪の幼馴染で、お菓子が大好き。
 美雪と同じく自分の恋愛観はゼロであり、どこか子供っぽさのある好青年。

火利亜 充(ひりあ みつる):
 17歳、高校2年生。彼女いない歴=年齢の、いわゆる3枚目キャラ。
 告白回数=失恋回数で、翔や祥一のモテっぷりが羨ましくて羨ましくてしょうがない。





!━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━!



[女子サイド]

友音「は、はわわわわわわわ・・・・」

美雪「友音、緊張しすぎだって」

友音「だだ、だ、だって、だって!」

美雪「たかがチョコ渡すだけでしょうが。」

友音「だ、って・・・その、ただでさえ、先輩と、お話すら、まともに・・・・・」

小百合「大丈夫っしょ!それくらいはさ!」

美雪「アンタはアンタで楽観しすぎ。友音がチョコ渡そうとしてる相手、わかってる?」

小百合「へ?え〜っと・・・あ、翔先輩!」

美雪「それはあたしだっつーの(怒)」

小百合「あっれ〜そうだっけ〜?てへっ☆・・・いだっ」

美雪「殴るぞお前・・・」

小百合「殴ってから言わないで!!!(泣)」

友音「はわわわわ・・・・・」

美雪「友音、今更引き返すなんてできないからね?ていうかさせないから」

友音「えぇ!?」

美雪「当たり前でしょ?せっかくここまで来たんだから」

小百合「そうそう!『受け取ってください!』って愛情たっぷりに渡せばいいのよ!」

友音「で、でも、でも・・・水無月先輩、だし、人気者だし・・・
   きっと、チョコだって、いっぱい、もらって・・・・・・」

小百合「だ〜〜〜もう!最初っから悲観的になってどうすんの!?」

美雪「そうよ、友音。
   渡す前から受け取ってもらえなかった時のこと考えても仕方ないわ。
   あたしは渡す相手が相手だから緊張なんて微塵もないけど、
   友音はいざって時にしっかりできるんだから、頑張りなさい!」

友音「美雪・・・う、うん、ガガ、ガンバリ、マス・・・!」

小百合「大丈夫かしら、友音・・・」

美雪「見てるこっちがものすごく心配になるわ。」



[男子サイド]

充「収穫なし、か・・・・・・あはんっorz」

翔「まぁまぁそう落ち込むなって、充っち!」

充「両腕にお菓子抱えながら輝いた笑顔を向けないでくれる!?ねぇお願いだから!」

祥一「そんなにもらって、一人で処理しきれるのか?」

翔「え?これぐらい朝飯前じゃね?」

充「あ、ありえん・・・・・」

翔「というか、逆に祥ちゃんは一個ももらってないっぽいけど、なんで?」

充「あれ、そういえば。お前あんなに女子に囲まれてたのに」

祥一「あぁ・・・ストライクゾーンのド真ん中以外のはもらわないって、断っといた」

充「えぇええええええええええええ!?」

祥一「・・・うるさいぞ、そこの非リア充」

充「グサァッ!!!」

翔「えぇ〜もったいないなぁ。せっかく用意してくれたのに受け取らないなんて。」

祥一「ホワイトデーに返すことも考えてみろ。あんな数、手に負えないだろ。」

充「ぐっ、いいないいな・・・そんな羨ましい困り事いいなぁ!!!(泣)」

祥一「それに、余計な期待をしてもらっても困る。」

翔「期待って?」

祥一「ホワイトデー」

翔「あぁ〜・・・なるほどね。
   バレンタインデーでチョコを渡すのって、ある意味告白だもんね、女子にとって」

祥一「だから、俺は下手に受け取らないんだよ。」

充「っ、じ、じゃあ祥一、好みの女の子、いるのか?」

祥一「今のところは認識してない。いるかもしれないし、いないかもしれないし」

翔「じゃあさ、どんな子がタイプなんだ?」

祥一「・・・(深く息を吸って)身長は低め、体の線は細い、萌え袖でも違和感がない、
   ドジっこ属性はなく意外としっかり者、はわはわしてて強気じゃない年下の女の子。」

充「(呆然)」

翔「お〜、理想高いな」

祥一「当然だろ。恋愛なんて遊びでそう何度もするものじゃない。」

充「否!初恋は実らないという法則から、恋愛とは経験であると俺は主張する!」

翔「でも、それで失敗続きなんだよね?充っち」

充「グサグサァッ!!!」

祥一「ったく。・・・ん、もうこんな時間か。」

翔「ん〜?あ、そろそろ来るかな」

祥一「何がだ?」

翔「えへへ、美雪がお菓子持ってきてくれるんだぁ〜♪」

充「お前、まだもらうつもりなのか!?」

翔「お菓子大事!」

充「コノヤロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!(泣)」

祥一「幼馴染か。仲良いんだな」

翔「うん!バレンタインは、美雪のお菓子をもらってシメだからね!」

充「よくそれで恋愛に発展しないよな・・・・けっ!」

祥一「充、男の嫉妬はみっともないぞ?」

充「うるせぇやい!モテ男共が!!!(泣)」



[合流(in2年生の教室)]

美雪「ほら、着いたよ」

友音「う、うん・・・・」

小百合「もっとリラックスしなって、友音!」

友音「はわわ!?わ、わわ・・・」

美雪「小百合、アンタはむしろ緊張感を持ちなさい。一応先輩の教室に行くんだから」

小百合「これでも緊張してる方なんだけどなぁ〜」

美雪「はぁ。まぁいいわ、とりあえず・・・・・翔〜餌付けしに来たよ〜」

友音「え、餌付け!?」

翔「あ、美雪だ!お菓子ちょ〜だいっ☆」

美雪「ハロウィンじゃないんだから・・・・・はい。味わって食べなさいよ?」

翔「わぁ〜い!ありがと、美雪!」

充「くそぅ!幼馴染からチョコもらうとか、羨ましいにもほどがある!(泣)」

小百合「えっと、火利亜先輩!」

充「お?」

小百合「その・・・よかったら、これ、受け取ってください!」

充「な・・・・・(軽く咳払い)ありがとう、嬉しいよ!」

祥一「何いきなりイケメン気取ってんだ?」

充「いやそこ突っ込んじゃダメなとこ!スルーしてお願いだから!」

小百合「うっしゃ☆受け取ってもらえた!」

美雪「よかったわね」

翔「ふっふ〜ん♪今年は何を・・・・お、これは・・・ザッハトルテ!」

充「なんと!?」

美雪「去年のガトーショコラは形が微妙だったからね。
   今年は、この子に教えてもらいながら作ったから、絶対美味しいよ」

翔「この子?」

美雪「ほら友音!いつまで後ろに隠れてるつもり?」

友音「は、はわわ、はわわわわわ!?」

祥一「(小声)可愛いな・・・」

小百合「ほ〜んと!友音はお菓子作るの上手だもんね〜!」

美雪「アホ、お菓子だけじゃないでしょ、友音が上手なのは」

翔「あ、もしかして、この間ティラミス作ってくれた友達って、友音ちゃん!?」

友音「はは、はい・・・・・」

充「ティラミスって、祥一が一人で3つ食べてたような・・・・・」

友音「え?」

祥一「あぁ・・・お前が作ったのか。」

友音「ぁ・・・え、と・・・その・・・・・///////////////」

美雪「あたしのザッハトルテもそうだけど、小百合が作ったトリュフもこの子が・・・」

友音「みみみ美雪!?」

美雪「ほぉら、白状しちゃいなさい?というか、いつまでそれ、持ってるつもり?」

友音「あぅ・・・・////////////」

翔「お?それって・・・・まさかお菓子!?」

美雪「翔のじゃないから」

翔「わ、わかってるよ!・・・ちぇ〜」

小百合「友音!早く渡しちゃったら?」

友音「ぁ、ぇ、っと・・・えっと・・・・その・・・・・・/////////////////」

祥一「ん?・・・・・俺?」

友音「あ、あの!み、みなづ、き、せんぱい!」

祥一「!」

友音「ぁ・・・ぁの・・・・その・・・・」

祥一「・・・それ、俺に?」

友音「は、はい!あ・・・・・え、えっと・・・その・・・・////////」

祥一「もらってもいいの?」

友音「ふぇ!?」

祥一「・・・ダメなのか?」

友音「いいいいいいいいえ!む、むしろ、よよ、よかったら、ど、どうぞ!」

祥一「フッ、ありがとう。」

友音「はわわわ・・・・・///////////////////」

美雪「よっし、ちゃんと渡せたな。友音偉い偉い♪」

友音「わわわわわわわ/////////////////////」

美雪「さってと。長居するのもアレだし、私たちはお先に失礼しま〜す」

翔「お〜!ザッハトルテありがと〜!お返し期待しててね〜!」

小百合「火利亜せんぱ〜い!さようなら〜!」

充「お、おう!またな〜!」



間。



[女子サイド。]

小百合「ん〜渡せた渡せた♪お返しくるといいな〜♪」

美雪「来るんじゃないの?彼女いない歴=年齢の火利亜先輩のことだし」

友音「ぁぅ・・・・」

美雪「どうしたの友音?心配そうな顔して」

友音「あ、その、え、えっとね・・・あの・・・・・」

小百合「なんか忘れ物?」

友音「そう、じゃなくて・・・・み、水無月先輩、に、渡した、チョコ・・・・」

美雪「あぁ、あれね。私達に教えてくれたのとはまた別のやつ作ってたみたいだけど」

友音「結構、甘いから・・・・・大丈夫、だったかなって・・・・・」

美雪「大丈夫だって。翔から聞いてるけど、水無月先輩、ああ見えてかなりの甘党だから」

友音「そ、そうなの?」

小百合「さっき火利亜先輩も言ってたじゃん。
   友音の作ったティラミス、3つも食べてたって!」

友音「あ・・・・」

美雪「自信持ちなよ。受け取ってもらえたんだから、きっと大丈夫。ね?」

友音「・・・・うんっ」

小百合「そういえばさ」

美雪「どうしたの?」

小百合「不破先輩も水無月先輩もモテモテで囲まれてたのは見たんだけどさ。
   ・・・水無月先輩、チョコ持ってなかったっぽいよね」

友音「え?」

小百合「不破先輩は両手に抱えてたけど、水無月先輩は袋も何も持ってなかったよ?」

美雪「そういえば・・・女子に囲まれてたなら、大量に抱えてるはず・・・・・」

小百合「それに、美雪が不破先輩から聞いた情報を合わせると、
   超甘党の水無月先輩が、チョコを1つももらってないのはなぜ?」

友音「・・・・なんで、だろう?」

美雪「不思議だ・・・・・・」



[男子サイド]

充「チョコ・・・バレンタインチョコ・・・・・頂いたどおおおおおおお!!!!!」

翔「よかったねぇ充っち」

充「おう!マジ嬉しい!今からお返しのことガッツリ考える!(感涙)」

祥一「チョコ1つでどんだけ喜んでんだよ・・・」

翔「そういう祥ちゃんだって、さっきの友音ちゃんって子からチョコ受け取ったじゃん」

祥一「あぁ、まぁな」

充「なんだよ祥一、本命以外は受け取らないんじゃなかったのか?」

祥一「そう言ったが?」

充「ん?・・・・・ハッ!?ま、まさか・・・・・」

祥一「あんなにストライクゾーンに直球で来られたら、もらわないわけ、ないだろ?」

翔「おぉ〜!よかったね祥ちゃん!好みのタイプの子キタコレ!」

充「わぉ・・・祥一のあんだけカオスな好みのタイプを満たす子が現れるとは・・・」

祥一「話してるだけなのに顔を赤らめて、混乱して慌ててはわはわして・・・。
   ああいう子は、触っただけで暴れるどころか硬直してしまうだろうから、
   軽くキスでもしてあげたらすぐ腰が砕けるんだろうなぁ・・・」

翔「祥ちゃんにもついに春が来たんだねぇ〜mgmg」

充「俺、今どんな顔していいかわからない・・・・・って、もうお菓子食ってんのか」

翔「うん!美雪にもらったザッハトルテ!すっごく美味しい!」

充「お〜。あ、俺がもらったのは・・・トリュフ!」

翔「充っちに渡してたの、確か・・・小百合ちゃん、だったかな」

充「ほ〜う・・・・結構美人だったからな・・・・ゴクリ」

祥一「下心が丸見えだぞ、充」

充「ううううるせぇ!そ、そういう祥一は、何もらったんだよ?」

祥一「ん・・・・・っ、これは・・・・!」

充「なんだなんだ?」

翔「あ!フォンダンショコラ!」

充「ふぉんだん?なんぞそれ」

翔「甘さ強めで、中にとろ〜っとしたチョコレートが入ってんの!」

充「へ、へぇ〜・・・・ん?待てよ。ということは、超絶甘党の祥一には・・・・」

祥一「・・・・・(深く息を吸って)俺、本気出す。」



To be continued!





〜バレンタインデーですね。ケッ〜
どうも、犯人です。
イベント行事に乗らないことに定評がありすぎたので、1か月前から準備してt(ry
もう、平和(カオス)を書きすぎたせいで、すっごく顔文字を書きたい衝動ガッ!!!
作者はバレンタインデーに同級生にチーズケーキを配っていましたが、よかったらどうぞ。
		






   
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