こちらは相談屋です。 第6話 鬼の慟哭
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<登場人物>
久世 萌(くぜ もゆる):
相談屋を営む少年。見た目は実年齢よりも幼く、名前や外見から性別も間違われがち。
普段は怠惰に生活しており、生活能力はあまりない引きこもり。
余裕ゆえにまったりした性格と古風な口調で騒ぐのが苦手。
炬炉(ころ):
人の成りをしているが、その正体は妖怪「古籠火(ころうか)」。
普段は相談屋の前にある石灯籠になっており、人型になると長身の美女となる。
やや話し方がぎこちないクールビューティー。
吉川 浅黄(よしかわ あさき):
特区に住まう女子高生。いつもセーラー服姿で相談屋に通い詰めている。
いいところのお嬢様だが、口調や嗜好面において庶民派を主張している。
明るく元気で真っ直ぐな行動派の一般人。
鬼灯 緋凪(ほおずき ひな):
齢18歳の絶世の美男で、元人間。黒髪と赤い眼を持つ。
穏やかで優しく押しに弱い性格だが、妖力が枯渇すると静かな狂気を見せる。
特区に慣れるまで、相談屋で働くことになった。
茨木童子(いばらきどうじ):
頭から2本の角を生やした褐色肌の妖怪「茨木童子(いばらきどうじ)」。
切り落とされた右腕を修復するため、若い女の血を集めている。
本性は残忍かつ凶暴で、かつての頭領を盲信的に慕っている。
!━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━!
緋凪【万(よろず)商店街、通称『特区(とっく)』。
専門業を営む店が多く並び、大型スーパーやコンビニ、高層ビル等々、
現代における都会的な建築物が存在しない。
全体的に古めかしい外観を持つ店ばかりで、特区内の高低差も殆どない。
平和な街で、今日も平穏な一日になると、俺は信じていた。】
浅黄「『第6話 鬼の慟哭』」
茨木「まだ、まだ足りぬ。妾(わらわ)の糧となる娘を、もっと、もっと・・・!」
浅黄「っ、萌ちゃんに知らせないと・・・・・きゃあ!?」
茨木「フフッ、美味そうな娘じゃ。貴様の生き血、使わせてもらうぞ。」
浅黄「いや、離して・・・離してぇ!!!」
間。
[相談屋・店内。萌がややしかめっ面で座っている。]
緋凪【俺がこの相談屋に勤めて、やっと2か月が経過した。
それまでに何度か、相談屋への依頼を手伝わせてもらったり、
また妖力の枯渇で萌さんを襲ってしまったりなど、
やや騒がしくも平穏な日々を送っていた。
・・・この日までは。】
萌「緋凪、少々気になることがある」
緋凪「気になること、ですか?」
萌「うぬ。本来、生き物由来の妖というのは、そう簡単に妖力を枯渇せぬゆえ、
貴殿のように、頻繁に妖力不足を起こすことはない。
いくら貴殿が人より鬼となったといっても、一月(ひとつき)もあれば慣れるはず。
小生にはそこが気がかりで仕方ない。」
緋凪「俺の身体に、何か異常が?」
萌「おそらくだが、妖として不完全あるいは不安定な状態やもしれん。
それと、妖力不足で度々理性を失ってしまうのも気がかりだ。」
緋凪「き、危険な状態なんですか!?」
萌「そうとも言える。近々医者か、どこぞの鬼にでも見てもらおう。
悪いことが起きてからでは遅い。」
炬炉「主人!悪い知らせだ!」
萌「・・・遅かったか。」
緋凪「こ、炬炉さん。どうしたんですか?」
炬炉「浅黄が襲われた。大江山(おおえやま)の鬼が出たらしい。
『火車(かしゃ)』が見かけて飛んできた!」
緋凪「大江山?」
炬炉「大江山を支配していた鬼の頭領は、今頃自らの店で宴でも開いているはず。
つまり、悪事を働いたのは・・・・・」
萌「益々マズいな。緋凪、貴殿は留守を頼む」
緋凪「しかし、浅黄さんが!」
炬炉「鬼の子を一人置いていくのも気が引けるぞ。
奴に手下がいれば、同族としてこちらに潜り込むことも!」
萌「・・・是非もなし。だが、決して前には出るな。
貴殿には心配の種が付き物ゆえ、浅黄を襲った者もタチが悪い。」
緋凪「わかりました。なるべく、下がっています。」
炬炉「急ぐぞ!」
緋凪【この時、大人しく留守を任されていればよかったと、後悔することになる。
浅黄さんが心配で、ふと衝動的に、自分も行かなければと思ってしまった。
萌さんが言っていた、俺の身体の異常という気がかり。
それが、こんなカタチで判明してしまうとは・・・・・。】
間。
[木造の古屋。周りは森に囲まれ、屋内はところどころに返り血がついている。]
浅黄「いっ、たぁ・・・・・」
茨木「やはり若い人間の血は格別よのぅ。
妾の朽ちかけた腕も潤されておるわ、フフフフフ。」
浅黄「ちょっとあなた!妖なのに人間にこんなことして、
タダじゃ済まされないんだからね!?」
茨木「小賢しい娘じゃのぅ。ちょいと足を切りつけただけであろう?
貴様は随分と良質な血を流してくれるゆえ、
直ちに殺されぬことを喜ぶがよい。」
浅黄「わ、私は輸血パックじゃない!
大体、妖の腕くらい、きちんと妖力を回復すれば治るでしょ!?」
茨木「じゃかあしい!憎き渡辺綱(わたなべのつな)に切られたこの腕、
七日ほど奪われていたゆえ、傷口から肉が朽ちたのじゃ。
これでは妾の身体に戻らぬし、新たに生えてくることもない。
生き血を浴びて、朽ちた肉に生気を取り戻してやらねば。」
浅黄「っ・・・・・ぁ、まさか、この小屋中の血は・・・!!!」
茨木「ククク、いかにも。妾の完全なる復活の糧となった。」
浅黄「ひっ!?」
茨木「ハハハハハハハ!人間の血は、妖を若返らせるのに都合がよい!
かつての頭領も、美しくなった妾にきっと振り向いてくれる。
そう、必ずや・・・・・!」
萌「残念だが、貴殿の慕う頭領には、もう二度と会うこともないだろう。」
浅黄「萌ちゃん!」
炬炉「浅黄!無事か!?」
浅黄「炬炉ちゃん、緋凪ちゃんも・・・!」
緋凪【やっとのことで浅黄さんを見つけたのは、少し薄暗い森に囲まれた古い小屋の中。
両腕を拘束され、左足を切りつけられた浅黄さんは、
柱に寄り掛かるように座り込んでいた。
・・・俺が冷静だったのは、なんとかそれを確認できた時までだった。】
萌「っ、緋凪?」
緋凪「ぁ・・・ぁぁ・・・・・ぐ・・・・・!?」
萌「やはり置いてきたほうがよかったか。
妖となった貴殿には、人の血の匂いは刺激が強すぎる。」
炬炉「鼻を塞いでおけ、匂いを嗅ぐな!」
茨木「おやおやおや、新鮮な血の匂いに釣られでもしたのか?ん?」
萌「フッ、まさか。・・・・・・貴様のような外道と一緒くたにされては困るな。」
茨木「ほう?よく見れば、妾の頭領を奪った憎らしいガキではないか!
ハハハハハ!これはまた愉快じゃのぅ!その血肉、喰ろうてやるわ!!!」
炬炉「主人、下がれ!」
茨木「邪魔じゃ!」
炬炉「ぐっ!?その程度の爪で、私の腕を貫けるとでも!?」
茨木「なんじゃ貴様、妙に固いのぅ。ただの石であったか。」
炬炉「古籠火(ころうか)の焔で、灰と帰(き)せ!」
茨木「お〜怖い怖い。妾の衣を焦げ付かせるつもりか?」
浅黄「炬炉ちゃん気を付けて!この鬼、茨木童子だよ!」
萌「やはりか。炬炉、小屋を燃やしてしまえ。浅黄と周りへの被害は小生が抑えよう。」
茨木「ガキが絵空事(えそらごと)をぬかしよるか!」
炬炉「ほんに絵空事か否か、貴様自身に焼き付けてやる!『舞い上がれ龍炎(りゅうえん)!』」
茨木「灯籠の火で龍などとっ、これは、うぁあああああああああああ!!!」
緋凪【炬炉さんの放った炎が、小屋を燃やしていく。
赤く揺らめくそれは、俺の薄れゆく意識の端を掴んでいたが、
次第に、音も明かりも失せてしまった。】
浅黄「ふぅ〜怖かったぁ。動けないから私まで燃やされないか心配しちゃった。」
萌「ケガは足だけか。まぁ、それなりに大きいものだ、すぐ街に戻って・・・」
茨木「(さえぎるように)逃がさんぞ小狐ぇ!!!」
炬炉「主人!」
萌「っ!?・・・・・・やれやれ、どれほど人間を食ったことやら。
今の貴様は、史上最も醜い鬼よ、茨木童子。」
緋凪【地面に膝をついて、目を伏せている俺の感覚が捉えたのは、
煙の苦い味と、怨念を孕んだ怒声と・・・・・この上ない甘い匂い。
思考が鈍っている、俺は何をしようとしているんだ?
何を、しようと思う?】
茨木「愛しき頭領のために誂(あつら)えた着物が台無しじゃ。
狐の血ならば、良い朱色もとれようか。」
浅黄「小屋ごと燃やしたはずなのに、火傷すらしてないなんて・・・・・」
炬炉「人喰い鬼は再生が早い。
頭を飛ばすか心臓を貫くか、灰となるまで燃やさねばならんだろう。」
萌「炬炉、貴殿では難しい相手だ、浅黄を連れて下が・・・っ!?」
浅黄「萌ちゃん?って、緋凪ちゃん!?」
緋凪【思考が上手く働かない。
でも、体は甘い匂いに釣られて、俺の腕は何か柔らかいものを抱きしめた。
ぼやけた視界には、綺麗な赤い色だけが、ハッキリと映っている。】
萌「緋凪・・・腹でも減ったか?餌の時間にはまだ早すぎるゆえ、今は・・・・・!」
炬炉「(食い気味に)主人!緋凪から鬼の気配がする!振り払え!」
茨木「鬼?なんじゃ、鬼を引き連れておったか。
丁度良い、妾の糧としてやろう!!!」
浅黄「緋凪ちゃん逃げて!」
緋凪【誰かの悲鳴のような叫びが、俺の耳を劈(つんざ)いた。
次の瞬間、何かに頭を勢いよく掴まれ、抱きしめていたものを離してしまった。
甘い匂いが遠ざかり、与えられたのは・・・・・酷い喉の渇き。】
茨木「貴様の妖力も生気も、妾が存分に利用してやろう。
この茨木童子の糧となるのじゃ、喜ぶがいいぞ?若造。」
萌「緋凪!」
緋凪「ぁ・・・ぁぁぁ・・・・・ぅぐ・・・・・」
茨木「ほほほほ!みなぎるみなぎる、妾の腕が潤される・・・!」
萌「緋凪、しばし耐えよ。『降(お)りたまえ 鬼を切りし名刀 降りたまえ』」
炬炉「主人?っ、そうか、鬼切(おにきり)の刀!」
茨木「その程度の脇差しで、妾を切ろうてか!笑止!」
萌「降ろすは刀に宿りし九十九(つくも)の念よ。
その切れ味とて、貴様も記憶しているはず。名を呼ぼう、『髭切(ひげきり)』。」
茨木「っ、その名は!!!」
萌「遅い!」
茨木「ぐあああああああ!」
浅黄「緋凪ちゃん!」
緋凪【頭が上手く働かない、喉が渇いた。
いつもなら、すぐ、甘いものが手に入ったのに。
どうして・・・こんな・・・・・苦い匂いと、苦い・・・・・】
炬炉「妖力と生気をもっていかれてる。
だが、今は回復している暇も・・・!」
茨木「っぐうううう!はぁ・・・はぁ・・・小狐ぇええええええ!!!」
萌「『縛るは自然の理(ことわり) 荒れ狂う鬼を鎮めよ』」
茨木「がぁっ!?離せ、枯れ草共が、妾を封ずるというのかあああああ!!!」
緋凪【苦い匂い、煩わしい声。
この声は、俺の喉の渇きを酷くさせる。
ダマレ、ウルサイ、ウルサイ、ウルサイ・・・!】
炬炉「緋凪っ?バカ、止まれ!」
浅黄「緋凪ちゃん!!!」
茨木「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
萌「っ!?・・・・・そうか、まだ完全に力を覚えていたわけでは・・・!」
緋凪【鋭く伸びた爪で、何かを抉る感触を覚えた。
何か、生暖かいものが・・・・・薄汚れた、赤い水。
少し苦い匂いがする。
これは、嫌いだ。】
浅黄「緋凪、ちゃん・・・?」
炬炉「見るな、お前は下がっていろ」
浅黄「でも、でも!」
炬炉「いいから!今の緋凪は、何をするかわからんぞ!」
萌「・・・・・『鬼の子よ 貴殿の望むがまま 思うがままに』」
緋凪【誰かの、よく聞き知った声が、頭に響く。
望むがまま、思うがままに。
俺を不快にさせるコレを、どうすべきか。
・・・わかった、こうしよう。】
茨木「あ゛あ、妾の、妾の左腕も奪うつもりか!人の道を外れた分際で!!!」
炬炉「畜生風情が戯言を!」
萌「『鬼に横道(おうどう)無きものを』。貴様の頭領の言葉だ。
鬼にとって人の道とは、己の邪魔者を、いかなる手段を用いても排除する、
その非情な振る舞いを指す。
今の緋凪は、少し人の子に戻っているだけのこと。」
茨木「人、だと・・・まさか、頭領と同じ・・・・・!?」
萌「・・・緋凪、『核たる臓腑を貫け 貴殿の爪ならば届くであろう』」
緋凪【また、聞き慣れた声が響く。
爪・・・赤い水に濡れた、鋭く伸びた爪。
これの使い方は知っている、わかっている。
ゆっくりと、右手を上げていく。
拳を作らぬよう、軽く指を伸ばして、それから・・・。】
茨木「やめろ、よせ、来るな、来るなぁ!妾に近寄るなぁあああああ!」
緋凪「・・・・・・うるさい。」
茨木「ぅ、がぁ、は・・・ぁ・・・・・」
緋凪【気持ち悪い感触が、俺の右手を包んだ。】
間。
炬炉「・・・な、ひな、緋凪!」
緋凪「!」
浅黄「緋凪ちゃん!よかったぁ、起きないかと思ったよ〜!」
緋凪「浅黄、さん、炬炉さん・・・俺は、一体・・・・・・?」
炬炉「主人の血を分け与えられた直後、糸が切れたように倒れたんだ。
全く、散々暴れておきながら、情けない。」
浅黄「仕方ないよ。いろいろ悪い状況が重なっちゃったんだから。」
緋凪【気が付くと俺は、相談屋に戻ってきていた。
混乱する頭を必死に落ち着かせ、今までの状況を確認する。
浅黄さんが攫われて、萌さんと炬炉さんと一緒に助けに行って・・・
断片的な記憶をかろうじて紡いでいると、聞き慣れた声が、
妙にハッキリと頭に響いてきた。】
萌「茨木童子を相手にその程度の被害で済んだことは喜ばしい。
だが、早急に取り掛からねばならぬ問題が浮上したのも事実。」
炬炉「なっ、主人!?」
浅黄「起きてきちゃダメじゃない!最低でも丸一日は安静にしてないと!」
緋凪【声の調子は、相変わらずだったと思う。
けれど、振り返ってみると萌さんは、弱々しい笑顔を浮かべていた。
首に巻かれた包帯に痛々しさを感じていると、少しずつ思い出してきた。
俺が倒れる、ほんの少しだけ前の瞬間の出来事を。】
浅黄「ほら萌ちゃん!もう、見張ってないとす〜ぐ起きちゃうんだから。
しばらくここで横になりなさい!」
萌「ぐぬ・・・・・」
緋凪「萌さん、その・・・・・・すみません、でした。」
萌「ん?何を謝っている?」
緋凪「俺・・・・・自我を失って、萌さんの、血を・・・・・!」
炬炉「あれは必要な処置だった。それに、緋凪は暴走してこちらを襲ったわけではない。」
浅黄「そうだよ!少なくとも敵味方は区別ついてたし、悪い鬼やっつけたし!」
萌「しかし、下手をすれば小生らに危害が及んでいた可能性も否めはしない。」
浅黄「うっ、も、萌ちゃん・・・」
緋凪「俺が、俺が弱いばかりに、こんな・・・・・」
萌「それは違うぞ、緋凪」
緋凪「!」
萌「貴殿は非常に、確かに強力だ。
一度(ひとたび)決闘となれば、式も術もなしには押さえつけられぬほどに。
だが、貴殿は不完全な状態ゆえ、それを上手く制御できぬ。
先ほどは小生の言霊によって行動を誘発させてやったが、
単独での戦闘はほぼ無理といえよう。
加えて貴殿の身体も、妖力と生気の区別がまるでついていない。
妖力を消費しただけで、生気の枯渇すなわち生命の危機を感じて暴走する。
これには少々、荒療治が必要だ。」
緋凪【俺の力と、身体のこと。
前から薄々感じていた疑問が今、大きな問題となって浮上したような感じだ。
さっきの俺は、茨木童子という悪鬼の心臓を貫いた後、
妖力と生気の両方を回復するため、萌さんの血を分け与えてもらった。
濃厚な甘さを持つそれを、萌さんの首筋に噛みついて・・・俺は・・・・・】
炬炉「主人、荒療治の当てはあるのか?」
萌「あぁ、問題ない。小生の調子が良くなり次第、向かうとしよう。」
浅黄「私も行こっか?」
萌「否、小生と緋凪の二人だけでいい。
人が増えると、手土産も多くせねば彼奴(きゃつ)の機嫌を損ねる。」
炬炉「彼奴?・・・・・ぁ、まさか、アイツか?」
萌「ククッ、左様。鬼のことは、鬼に任せるのがいい。」
炬炉「かなり不安はあるがな。はぁ。」
緋凪【俺を責めるつもりなど微塵も感じさせない3人に、俺は良心が痛かった。
ふと視線を下げてみると、悪鬼の心臓を抉った感触の残る右手が震えていた。
それはまるで、俺の今後の不安を表すようで・・・。】
浅黄「『こちらは相談屋です。』次回は、『第7話 鬼の酒宴』」
炬炉「主人、血の匂いも痛みも嫌いなくせに、よくもまぁ噛みつかせたものだな」
萌「死にはしないとわかっていたからこそ、その時々で最善の手段を取ったまで。
確かに血の匂いは嫌いな上、風呂にも入りづらくてかなわんが。」
緋凪「すみません、俺のせいで・・・」
浅黄「まぁまぁ緋凪ちゃん、今度もしかしたら治せるかもしれないんだから、
今回のことは割と小さい傷で済んだってことで、ね?」
炬炉「そういうお前も、足のケガはいいのか?」
浅黄「あ〜・・・・・うん、石段上るの大変だから、しばらく通えないかも。
お父さんも心配させちゃうから、大人しくします・・・」
萌「此度の事、『子は三界(さんがい)の首枷(くびつかせ)』。
浅黄の父が娘を思うように、親鳥は雛鳥を思う心に一生縛られる。
その程度の覚悟くらい、貴殿を迎え入れた時より決めている。」
緋凪「萌さん・・・・・!」
炬炉「(小声)普段は世話されている方の主人が、珍しく親に見える」
浅黄「(小声) 炬炉ちゃん、しーっ!」
To be continued.
〜ひっひっふぅ。〜
どうも、犯人です。
難産でしたわ、6話!。゚(゚´Д`゚)゚。
話の展開・茨木童子のキャラ・緋凪ちゃんの暴走!全部超悩んだ!
どうしてもね、鬼に襲わせたかったんですよ、緋凪ちゃんが鬼だから(←重要)
今までの比較的平穏なお話とは打って変わっておりますが、よかったらどうぞ。
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