せめて死ぬ前に
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<登場人物>
死神(しにがみ):
どうも、死神です。死者と対話してその魂の行き先を決める役割があります。
ですが最近厄介な人間が多すぎて面倒が絶えません。もっと楽したいのに。
早川(はやかわ):
人間の女です。実家暮らしの成人済みの女子大生です。
BLが大好きで、家族に内緒で薄い本を大量に買っていました。
緒方(おがた):
人間の男です。スーツを着た若い大人で、メガネをかけています。
頭がネタ的な意味で腐っており、せめて友人たちの誤解を解きたいと望んでいます。
※この物語はフィクションであり、登場する人物は架空のものです。
!━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━!
[真っ暗な空間。早川が倒れるように眠っている。]
死神「(同級生を呼ぶように)おーい早川ぁ〜、即売会に遅れるぞ〜早く起きろ〜」
早川「(突然起き上がる)ういっす!売り切れだけは避けなk・・・・・ってあれ?」
死神「ようやく起きたか」
早川「・・・ココハドコ?ワタシハダレ?」
死神「ココハメイカイ(冥界)、アナタハヤカワ。」
早川「おk、把握。ってそうじゃなくて!冥界!?はぁ!?なんで!?」
死神「一先ず落ち着かれよ。貴様、死ぬ直前の記憶が若干吹っ飛んでるようだ」
早川「死ぬ・・・?私、死んだの!?」
死神「うん」
早川「軽っ!!!」
死神「まぁちょっと待って。隣のそいつも起こさにゃならんから」
早川「え?・・・・・誰この人」
死神「貴様とほぼ同時刻に死んだやつ」
早川「えぇ!?」
死神「(一息吸って、同級生を呼ぶように)おーい緒方ぁ〜、ヨーグルト買ってきたぞ〜」
緒方「んぅ・・・そんな、白くてドロッとしたものなんて/////・・・・・ってあれ?」
死神「おはよう」
緒方「お、オハヨウゴザイマス・・・・・ってえぇ!?ココドコ!?ボクダレ!?」
死神「ココメイカイ、アナタオガタ」
緒方「あ、はい。いやいやいやいやいやそうじゃないでしょう!!!」
死神「面倒な人間たちだなぁ」
緒方「面倒って・・・・・人間、たち?」
早川「ど、どうも・・・」
緒方「ああああなたは?」
早川「早川と言います。その・・・いつの間にかここにいたんですが・・・・・」
緒方「ぼ、僕と同じ境遇、ということですか。」
早川「そうみたいです。」
緒方「えっと、僕は緒方と言います。以後お見知りおきを」
死神「以後も何も、今から決めるんだがね」
早川「え?」
緒方「そうだ、説明をお願いします!僕と、えっと、早川さん!
どうして僕らがこんな真っ暗な場所にいるのか!」
早川「そうよ!ちゃんと教えて!」
死神「あ〜もう、説明するからもうちょい黙ってくださいよ〜」
早川&緒方「・・・・・。」
死神「よし、黙ったな。え〜コホン、ではでは。
早川と緒方が現在いる場所は冥界の端っこ、現世(うつしよ)に最も近い場所。
んで、ワタシは貴様らの死後の処遇を決める死神だ。」
早川「嘘・・・・・本物、なの?」
緒方「冗談ですよね?ねぇ!僕が、死んだなんて・・・!」
死神「あー、貴様ら死んだ時の事覚えてないんだっけ?
んじゃ簡単に説明してやるから思い出せ、そぉい!」(謎ポーズ&フラッシュ)
緒方「のぅわ!?って、その分厚い本どっから!?」
死神「異次元から出してみた。じゃあまず早川から。」
早川「はい・・・」
死神「早川は夕飯の買い出しに出かけた際、大きい通りの交差点で信号待ちをしていた。
すると、右斜め前方に位置する歩道橋にてイチャイチャする男2人を目撃。
その光景に見惚れていたところへ大型トラックが突っ込んできてあぼん。」
早川「ちょ、急展開すぎるでしょいくらなんでも!」
死神「だってホントのことだし」
緒方「(小声)イチャイチャする、男2人・・・・・」
早川「というか男2人に見惚れていたって情報要らなくない!?
普通にトラックに轢かれたでいいじゃん!」
死神「それだと貴様のパーソナリティが復活しない可能性があってだな。
あ、次に緒方だが」
緒方「は、はい!」
死神「上司の男にTwitterの内容を見られて『例の公園で待ってる』と言われ、
壮大な勘違いフラグと貞操の危機を感じ反射的に会社を飛び出す。
その際、普通に通りかかったバイクに撥ねられてあぼん」
緒方「・・・・・。」
早川「え、ちょっとどういうこと?え?」
緒方「すみません、これ以上は聞かないでください・・・(泣)」
早川「お、おう・・・・・」
死神「さて貴様ら、一応自分の死因は思い出したな?」
早川「・・・不本意ですけど!(泣)」
緒方「忘れたままがよかった(泣)」
死神「貴様ら、別に生前に未練とかないよね?うん、ないことにしようぜ?面倒だから」
緒方「(さえぎるように)せめて!せめて友人たちの誤解を解かせてください!
このまま死んだって死にきれない!!!」
早川「未練とかありまくりよ!あの後2人はどうなったのよ!?
それと後処理!特にハードディスク!あと隠し棚の同人誌!!!」
死神「おおおおおおちちおちおお落ち着け、話は聞いてやる、順番に、な?」
緒方「ぐす・・・ちょっと腐ったネタに精通してるからって、
周りにガチホモ認定されてるんです。
でも!僕はホモじゃない!そういうネタにノっかりやすい体質なだけなんです!」
死神「うわぁすんごい告白キタよコレ。めんどくさそうだよコレ。」
早川「多少の勘違いくらいならいいじゃないですか!
私なんてBLが好きすぎて、親兄弟に内緒で薄い本集めていたんですよ!?
あれがもし見られたりなんてしたら・・・!」
死神「こっちも面倒そうだよぉ!?てか貴様ら人間的な意味で腐ってたのかよ!」
緒方「違う!腐ってません!男同士の行き過ぎた友情物語が大好きなだけです!」
死神「それもうすでに友情じゃないよね!?行き過ぎてる時点で違うよね!?」
早川「友情から発展すんのよ!じわりじわりと!禁断の関係に!
男同士だからこそ周囲への理解や相手との関係その他に対する葛藤があってねぇ!」
死神「(さえぎるように)あああああああ語らないで語らないで布教しないでええええ!」
緒方「ふ、腐教(ふきょう)!?////////////////」
死神「オイちょっとそこぉ!今『ふ』の部分を腐るって変換しただろ!?」
緒方「ハッ!いいいいえ、決してそんなことは!」
早川「布教活動なら私も協力します!まずはこの場にもう一人男を用意してぇ!!!」
死神「だあああもう貴様らいっぺんダぁマぁレえええええええええええ!!!」
間。
[場所変わらず。死神がド疲れ気味。]
死神「はぁぁぁぁぁ・・・・・まず早川、貴様の未練についてちゃんと話せ。」
早川「はい・・・。私が見惚れていた歩道橋の男2人のその後が知りたいです。
それと、自分用PCのハードディスクと隠し棚の同人誌を滅却したいです。」
死神「前半は可能だが、後半は無理。物理系はマジ無理。」
早川「ちょっとおおおおおおおおお!?」
死神「だってワタシ死神だし?『神』って付いてるけど万能じゃないし?」
早川「そこをなんとかしてよ!BL好きだったという証拠を消してえええええ!!!」
死神「だーもう無理だっつてんだろーが。勝手に喚いてろ。はい次」
早川「ぶわぁあぁぁああああああああ!!!(泣)」
緒方「早川さん・・・・・お気の毒に。」
死神「緒方、貴様の未練は?」
緒方「あ、はい。その、上司のあの発言のせいで僕をガチホモ認定してしまった
友人たちの誤解を解きたいです。」
死神「ん〜それは友人たちの確信具合によるなぁ。
貴様のTwitterの内容を見ればわかるか。そぉいっ!」(謎ポーズ&フラッシュ)
緒方「うおまぶっ!?・・・あぁー!それ僕のケータイ!」
死神「ど〜れど〜れ、ちょっくら拝見・・・・・・うん、無理☆」
緒方「そんなあああああああああああ!?!?!?(泣)」
死神「だっておめぇよぉ・・・ケータイの変換とか『ともだちとホモだちの違い』とか、
とりあえず危ないネタしかねぇしここまでやってたらもう手遅れだわ」
緒方「まだ間に合うと思うんです!まだ!」
死神「『発展』って変換しようとした予測変換が『ハッテン場』で?
『知り合い』って変換しようとした結果がケツLOVEと書いて『尻愛(しりあい)』、
しまいにゃ『優しさで支え合うのがともだち』『やらしさで刺され合うのがホモだち』」
早川「あらやだお上手♪」
死神「うわ復活早っ」
緒方「別にそれくらいのネタならいいじゃないですかああああああ!!!」
死神「いやでも、さすがにこのネタに気付いた時点でだいぶアウトだと思う」
緒方「どれですか!?」
死神「『ホモと焼き肉の共通点』」
緒方「アッ・・・」
早川「ホモと、焼肉?えっと・・・・・わかんない。なんなの?」
死神「『どちらも生(なま)でいただくと病気になる可能性がある』」
早川「ハッ!?」
緒方「・・・・・弁明シヅライネタガガガガガガ(泣)」
死神「さすがにこんなことに気付くとか、経験者じゃないとわからんだろたぶん」
早川「でも納得できます!すごいですね緒方さん!
私読んだ同人誌300冊は超えてるのにそんなネタ思いつかなかったです!
どっからそんなネタを思いつけるんですか!?」
緒方「い、いえその!『フ』とか『クサ』とか『ゲイ』とかって文字に注目していたら、
自然と反射的に変換するクセが付いちゃったんです!」
死神「人それを『緒方変換』と呼ぶ。by緒方のTwitterをこっそり見ている同僚」
緒方「え!?」
早川「し、死神さん!ホントに、ホントに証拠隠滅とかできないの!?」
緒方「物的証拠は僕も消したいです!主にTwitterの内容全削除!」
早川「同人誌とハードディスクぅううううううう!!!(泣)」
死神「はいはいはいはいはいあぁもうホント面倒な人間たちだなぁ。
とりま、早川が気にしてた歩道橋の男2人のその後だけどぉ〜」
早川「ガタッ!?」
死神「最寄りの駅へ移動し、電車に乗って同居しているマンションへGo。
なお、乗車中、そこまで混み合っていない車内にて背の高い方が痴漢プレイを敢行。」
早川「(目を輝かせて)なん・・・だと・・・・・!?」
緒方「男2人で、人の目に付きやすいぐらいの場所で、そんな!//////////////」
死神「と思ったが、背の低い方に速攻で手を捻られて失敗に終わる。」
早川「あぁん!惜しい!」
死神「その後、背の高い方はショボンな顔して突っ立っていたわけだが、
背の低い方がコソッと・・・・・あ〜これワタシ言いたくないや。
緒方、ちょっと口動かせ。」
緒方「え?何、を・・・」
死神「背の低い方が、ショボン顔してる背の高い方に」
緒方「『帰ったら、好きなだけ触らせてやるから/////』」
死神「と耳打ちし、見事なツンデレをぶちかました。」
早川「おおおおおおおおおおおおお!!!!!」
緒方「なななななんですか今の、え!?自分でも驚きの台詞が飛び出したんですが!!!」
死神「うん、ワタシ言いたくないから緒方の口使った。言い慣れてんだろ?」
緒方「慣れてません、日常では腐ってる系の台詞を口に出していませんから(震え声)」
死神「(ゆっくりめに)口に出す?」
緒方「アッ、ちちち違いますよ?出すといっても白くてドロッとしたアレではなくて・・・・・」
死神「誰も言ってないぞ?(超笑顔)」
緒方「ハッ!?」
死神「さぁ〜(↑)お前らいい加減未練晴れただろ〜?さっさとあの世にGOして・・・」
緒方「(さえぎるように)いいいいいいえ!まだ!僕は未練だらけですううううう!!!」
早川「電車の後!その後の話は!?家に戻ってからどうなったのよおおおおおおおお!?」
死神「だあああああもううるせぇ!別にどうだっていいじゃんかよお前ら死ぬんだし!
緒方にぶつかったバイク乗りの青年が緒方の上司にハッテン場で犯されていようが、
早川の目撃した男2人がR指定的な意味でランデブーしていようが、
Twitterを見ていた緒方の同僚たちが『惜しいホモを亡くした』と呟いていようが、
亡くなった妹の部屋を片付けていた早川の兄弟が薄い本を発見し、
兄弟BLに目覚めちゃって毎日ヤリ放題だろうが、
消えちまうお前らにはもうどうでもいいだろ!?」
早川&緒方「「よくねぇよ!!!」」
死神「いいことにしろよ!こちとらそろそろ残業フラグなんですけど!?」
早川「アンタの残業なんざどうでもいいわ!
なんだよ私が死んだ後のその美味しすぎる展開は!そこんとこ詳しく!!!」
緒方「僕を轢いてしまった青年が上司にナニされたんですか!?
ハッテン場って、もしや例の公園ですか!マワされたんですか!?」
早川「歩道橋にいたカップルのランデブーって何!?自宅でヤったの!?ねぇ!
痴漢プレイ!?それとも新婚風にお風呂でイチャイチャとか!キャー!」
緒方「ハッ!?『犯された』ということは、後ろを奪われただけでなく前も!?
むしろ前を奪われた!?前の初めてを!?!?!?」
早川「さぁ吐け!はよ!アンタの力でどうにか映像を確保して見せろ!今すぐ!」
緒方「どうしよう、ちょっと興味が出てきた・・・・・これが僕の本望なのか!?
あ、いや僕はホモじゃない、けど、本望は・・・あぁ!!!」
早川「おい死神ィ!」
緒方「死神さん!!!」
死神「テメェラアアアアア!どっちとも地獄に堕ちろおおおおおおおお!!!」
早川&緒方「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!!」」
死神「(十分間を空けて)ゼェ・・・ゼェ・・・ゼェ・・・・・・はぁぁぁぁぁ疲れた!
なんでこうも面倒な人間ばっかなの?最近の人間ってこういうの多いの?なんで?
ああもうヤダ、上司に残業代請求しよ。
(ケータイをかけ始める)・・・あ〜もしもし、死神ですぅ。
残業代のことでそうd・・・・・え、次?マジで?
ワタシ今月超働いてると思うんですけど〜、給料上乗せ確定ですよね?
ショウガナイナー、で?その人間の死因は?・・・・・・え、腹上死?
ば、場所は?・・・・・うん、夜の・・・公園?男と?うん、え?
男が男に×××(ピー)して×××(ピー)で×××(ピー)!?
・・・・・あの、もうホモォは勘弁してくれませんか?(震え声)
給料上げなくていいからお願いやめて!助けて!ワタシ過労死しちゃううううう!」
The End☆
〜腐ネタが程々なわけがない〜
どうも、犯人です。
演者が疲れる台本になりました、本当にありがとうございます、平常運転です。
ホモォなネタが多いのと、どっかで聞いたことがある名前は仕様です、許可取ってます。
むしろ書いてる作者がたまに台詞を読んで疲労を感じるレベルにはげふんげふん。
死ぬ前に未練はキッチリと清算しちゃいたいものですが、よかったらどうぞ。
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