恋愛とは
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<登場人物>
季楽(きら):
17歳。恋愛に対して異常なまでの不信感と否定的概念を持っている。
桃哉(とうや):
17歳。季楽とは腐れ縁という名の幼馴染。結構モテてるのに交際歴はない。
!━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━!
季楽「恋愛とは、一時の気の迷い、もとい精神疾患の一種である。」
桃哉「・・・・・季楽さ〜ん?いきなり電波なこと発しないでくれるかな〜?」
季楽「電波?別に発してない」
桃哉「いや電波そのものじゃなくて、電波系な発言って意味な」
季楽「今までに与えられた情報から考えられる『恋愛』という印象を、
私なりに率直な感想に近い結論で言わせてもらっただけだし」
桃哉「独り言にしては随分とデカいなぁおい」
季楽「独り言じゃないし。目の前に話題あるし。」
桃哉「え?」
季楽「モモ、ついに盲目となったか・・・恋は盲目って言うもんな・・・・・・」
桃哉「なってねぇよ、バッチリ視力2.0だわ。あと、俺は桃哉だ」
季楽「それなら見えてるんだろうね。その・・・机に並べられたラブレターが。」
桃哉「あぁ〜、うん。」
季楽「同時に5枚ももらうとは、モテる男は忙しいなぁモモ。」
桃哉「だから桃哉だっつーの・・・・・別に、忙しくはないって。
ただ、呼び出しとかされたら、いちいち断りに行くのが面倒ってだけ。」
季楽「それ、全国の非リア充の奴らの前で言えr」
桃哉「おいやめろ」
季楽「サバンナよりはマシだろう」
桃哉「強いて言うならサバンナの方がいいです、それだったら」
季楽「野生動物ばっかだもんな」
桃哉「まぁな。・・・・って、話ズレすぎ。
とりあえず、なんで俺の机に並べられたラブレターから、
お前の恋愛に対する印象やら結論やらを超簡潔にまとめた感想が出たんだ?」
季楽「うむ、そろそろここらへんで誰かと議論っぽいことをしたいなぁと思って」
桃哉「暇だなお前」
季楽「赤点取ってないも〜ん、宿題もう終わってるも〜ん」
桃哉「アーソウデスカ。(小声)チッ、体育以外でコイツに勝てた覚えがない・・・」
季楽「恋愛とは、一時の気の迷い・・・」
桃哉「(食い気味に)それはさっき聞いた。
はぁ、仕方ないから話ぐらい聞いてやるけど、なんでそういう結論に至った?」
季楽「私の周囲で起こった恋愛事情がカオスすぎたせい」
桃哉「たとえば?」
季楽「小学校の時」
桃哉「そっからかい」
季楽「AちゃんとBちゃんがいました」
桃哉「うんうん」
季楽「Aちゃんは、Cくんと付き合っていました」
桃哉「ふむふむ」
季楽「AちゃんとCくんは、ある日曜日にデートの約束をしていました」
桃哉「ほう?」
季楽「ところが、Aちゃんが待ち合わせ場所で待っている間、CくんはBちゃんと・・・」
桃哉「はぁ!?小学生で二股!?まぁ、所詮はガキだろうけど・・・・・」
季楽「3時間ほど待ってもCくんが来なかったので、Aちゃんは帰ってしまいました」
桃哉「お、おう。それで、その後はどうなったんだ?」
季楽「A・B・Cで会議。そして、まさかのCくんが三股フラグ」
桃哉「おいおいおい・・・悪い方向で将来有望だなぁ・・・・・」
季楽「ちなみに、AちゃんとBちゃんは学校で陰湿なイジメ合戦やり始めたよ」
桃哉「小学生でも女子怖いな・・・」
季楽「しまいにゃ、BちゃんはDちゃんっていう味方をつけて、
Aちゃんを徹底的に陥れようとしたっぽい」
桃哉「お前、詳しいな。どっからそんな情報を?」
季楽「巻き込まれそうになったから」
桃哉「え」
季楽「『こっちの味方になって!』っていう電話が、A・B両方から来たんだぜっ」
桃哉「うわ〜、今の話を聞く限りじゃ、お前どこにもいないじゃん」
季楽「まぁそんときは『私関係ないから!』で済ませた。
家の電話だったから、電話を切った瞬間に母親から賞賛されたよ」
桃哉「正しい判断ができたってことだろう。
・・・けど、たかが小学生のいざこざだろ?
その程度で恋愛を気の迷いだなんて・・・」
季楽「(食い気味に)中学校の時」
桃哉「まだあるのか」
季楽「不良女子に絡まれたでござる」
桃哉「それはまたなぜに?」
季楽「曰く、『おめぇIちゃんがJくんと付き合ってるのチクッただろ!?』」
桃哉「はぁ・・・俺はお前と腐れ縁と言えるレベルな関係なんだが、
お前がそんな面倒な事をする人間には思えないぞ、季楽」
季楽「無論、私も全く知らない情報すぎてビビった」
桃哉「その後はどうしたんだ?」
季楽「中学校の時、他のクラスの教室に入っちゃいけないルール、あったじゃん?」
桃哉「おう」
季楽「速攻で自分の教室逃げたよね。ぶっちゃけ『ざまぁ』としか思わなかったし」
桃哉「そんだけか。」
季楽「巻き込まれそうになった事件はそれ」
桃哉「他にもあるのか」
季楽「某古本屋で春を売っている少女の情報が流れてきてだな」
桃哉「OK、その話はそこまでだ」
季楽「んじゃあ、家庭教師に媚び売りまくってると思しきウザかった女子」
桃哉「ピンポイントだな・・・カテキョーなんてどうでもいいだろ・・・」
季楽「恋愛している女子は性格が悪い」
桃哉「嫌な結論を出すな!」
季楽「下はジャージのくせに上はノーブラタンクトップ」
桃哉「胸は?」
季楽「まぁまぁ」
桃哉「お前と比べてデカかった?」
季楽「ていやぁっ!」
桃哉「おぅわっ!?わ、悪かった!だからその拳を収めろ、な?」
季楽「・・・・・(小声)小さかったよ。」
桃哉「そうか・・・お前、女の子の日が到来するの、早かったもんな」
季楽「なぜ知ってるし」
桃哉「お前のおばさん情報だ」
季楽「なんと」
桃哉「で?中学もそこまで大したことに聞こえないんだが?
ってか、お前は俺の知りえないところで妙な経験を重ねて・・・・」
季楽「(食い気味に)高校でも」
桃哉「まだあるのか」
季楽「学園祭の準備期間中、家庭科室での女子の会話」
桃哉「何か気持ち悪いこと言ってたのか?」
季楽「ご飯くれる人がいいそうだ」
桃哉「は?」
季楽「だから、ご飯くれる人、だそうだ」
桃哉「・・・それ、どういう意味か聞いてもいいか?」
季楽「うむ。・・・・・ほれ」
桃哉「OK季楽、わかったから手で金(かね)を示唆する悲しい表現はやめてくれないか」
季楽「ほむ。」
桃哉「お前の周りにいる連中の恋愛って、随分えげつないんだな・・・・・」
季楽「クラス内公認のカップルの彼氏を寝取る女子とかな」
桃哉「え、マジで?」
季楽「隣の隣のクラスの保健委員。彼女の前で暴露しつつ、彼氏にキスしてみせたらしい」
桃哉「うわぁ・・・・・」
季楽「というわけで、諸々話し続けては来たんだが」
桃哉「うん、長かったな」
季楽「恋愛が関わると異常行動に走る奴らが多くなるのは、強い傾向として捉えられるぞ」
桃哉「まぁ、季楽が見てきた、主に女子がな。」
季楽「一部では性の乱れも見られた」
桃哉「本当にあるんだな、援助って・・・・・」
季楽「ゆえに恋愛とは、一時の気の迷いから生じる、実に悪質な精神疾患である!」
桃哉「はぁ・・・お前がそういう結論に至る理由も一応わかったよ。
季楽、お前、恋愛する気ないのか?」
季楽「あるように見えるか?」
桃哉「全然」
季楽「ならばその通りだ」
桃哉「じゃあ、わざわざ俺にそんな話題を振ってきたのはなんでだ?」
季楽「それ」
桃哉「ラブレター?ただの紙切れだろうに」
季楽「それを差し出した人間は?」
桃哉「え?」
季楽「こっちの子はつい最近まで彼氏持ちだった。ソースは野球部マネージャー」
桃哉「お、おう」
季楽「こっちはサッカー部に彼氏がいる。先週デートしているところを見かけた」
桃哉「マジか」
季楽「こっちとそっちは彼氏無しだけど、男癖が悪い。ソースは女友達」
桃哉「お前の情報網はどんだけ広いんだ・・・・」
季楽「そんでラスト」
桃哉「知ってんのか」
季楽「うん、メンヘラビッチ」
桃哉「ふぁっ!?」
季楽「精神病院通ってる上に薬飲んでる。で、交際相手に重傷負わせたことあるよ」
桃哉「こ、怖ぇ・・・・・」
季楽「このように!恋愛は人間性をも欠落させる病なのだ!」
桃哉「やべぇ、殆どの女が信じられなくなってきた・・・」
季楽「だからモモ」
桃哉「桃哉です」
季楽「女にはくれぐれも気を付けろよ?腐れ縁からの助言だ」
桃哉「・・・季楽は大丈夫そうだけど?」
季楽「お前はそもそも私を女として見たことがあるのか?」
桃哉「そりゃまぁ、生物学上間違いなく女だしな。胸でかいし」
季楽「どっせぇいっ!」
桃哉「だぁああああっ!?バカ!シャーペンで刺そうとするな!」
季楽「そう言う意味じゃなくて、恋愛対象として捉えたことがあるかってこと!」
桃哉「あ、なんだ、そういう意味だったのか」
季楽「どうせモモのことだ、その路線は間違いなくなかろうて」
桃哉「根拠は?」
季楽「腐れ縁」
桃哉「それだけかいっ」
季楽「うん、それだけ」
桃哉「あのなぁ・・・・・」
季楽「大体、ここまで私が徹底して恋愛を嫌悪していることを聞けば、
『誰もお前なんざ好きにならねぇよ!』と言い出すのが世の野郎共だ」
桃哉「その自信はどこから来るのやら」
季楽「ここらへん?」
桃哉「高々と右手を上げても、残念ながらお前の身長は・・・・」
季楽「(さえぎるように)言うな。言ったらメンヘラビッチを召喚する」
桃哉「全力デヤメテクダサイ」
季楽「ふんっ。」
桃哉「ふぅ、やれやれ。・・・それにしても季楽、お前恋愛したことないの?」
季楽「あるわけない」
桃哉「じゃあ、自分の経験でトラウマ持ってるわけじゃないじゃん」
季楽「それがなにか?」
桃哉「もったいないぞ〜、片思いの1つもしないなんて」
季楽「いざとなれば二次元に逃げる」
桃哉「やめなさい」
季楽「むしろ二次元勝ち組!」
桃哉「思いっきり負けてます」
季楽「ぶーぶー」
桃哉「はぁ。季楽、お前の鈍さはある種の才能だと思う」
季楽「は?」
桃哉「こんなくだらない議論っぽいことのためにわざわざ放課後の教室に残って、
腐れ縁のカオスな持論を展開されまくって、
それを大人しく全部聞いてる男なんて普通いないだろ。」
季楽「ここにいるぞ?」
桃哉「あぁ、いるな」
季楽「・・・・・ん?」
桃哉「フッ、ホンット鈍いやつ!ハハハハハ!」
季楽「何をー!?」
桃哉「全く、困った腐れ縁だ。ほら、じっとしてろ」
季楽「ぬぁっ・・・・んむっ!?」
桃哉「ん〜♪・・・恋愛したことないって言ってたから、ファーストキス、かな。」
季楽「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?!?!?!?!?」
桃哉「ごちそ〜さま♪明日から覚悟しとけよ〜?」
季楽「な・・・ぬぁ・・・ぬぁぁぁぁ・・・・・・ぬぁぁぁああああああああ!?!?!?」
桃哉「結論。『恋愛とは、衝撃・混乱・躊躇・鈍感さを誘発させる精神作用である。』」
The End.
〜恋愛ってイイヨネ!(但し二次元に限る)〜
どうも、犯人です。
単純な疑問から台本を書いてみよう!と思い立った結果がこれだよ!
いろいろえぐい言葉を回避しようとしたけど、分かる人にはわかりますね・・・。
とりあえず、何をしても許されちゃうようなイケメンは爆ぜればいい、異論は認めな(ry
まるで作者の恋愛観が暴露している気もしますが、よかったらどうぞ。
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