猫執事〜あにゃざぁ〜


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<登場人物>
鹿江 千里(かのえ ちさと):
 大学2年生。素直になれない程度のツンデレ。時々ちょっと抜けてるところがある。
 現在は実家から離れて一人暮らし中。

シロ:
 妖怪『猫又』。10年前まで千里の家で飼われていた。
 人のなりをしており、なぜか燕尾服を着ている。
 笑顔を崩さないようにしているが、千里を心から慕うあまり暴走してしまうことも。





※この台本は、「猫執事」の設定を大体お借りして作ったオマージュ台本です。
 作者・稗山弾之助の許可は得ていますが、苦手な方はスルーバック推奨。
!━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━!



シロ「お待ちしておりました、千里お嬢様。」

千里「・・・・・へ?」

シロ「お勉(つと)めお疲れ様です。さぁ、帰りましょう。」

千里「・・・お・・・」

シロ「お?」

千里「お巡りさーん!!!ここに変質者が!!」

シロ「え、えぇ!?あの、千里お嬢様!?」

千里「ななななななんで私の名前知ってるの!?いやあああ!襲われるううううう!」

シロ「襲いませんから!住宅街の中心で叫ばないでください!
   本当にお巡りさん来てしまいますから!」



間。



[近くの喫茶店。それぞれの前にコーヒーカップが置かれている。]

シロ「・・・落ち着かれましたか?」

千里「まぁ、うん、一応。近くに行きつけの喫茶店があってよかった。
   コーヒー美味しい。」

シロ「クスッ、千里お嬢様は、幼少の頃からここに通っていましたよね。」

千里「・・・・・ねぇ、ホントなんで知ってんの!?ストーカー!?」

シロ「違います!そんな、10年もストーカーなんて無理ですよ!」

千里「10年!?何その筋金入りのへんた・・・ていうか、あなた何者なの?
   私の知り合いに燕尾服着てる人なんて、コスプレイヤーでもいないんだけど。
   それに、(小声)こんなイケメンは見たことな・・・・・」

シロ「?今何か・・・」

千里「(食い気味に)な、なんでもないわよ!!
   それより、私の名前を知ってる理由は!?
   さりげなくナンパして家についてこようとした理由は何!?」

シロ「あ〜・・・あの状況ではナンパと捉えられてしまうのは仕方ないでしょう。
   今じゃ姿も違いますし、千里お嬢様にわかっていただけないのも当然です。」

千里「姿が、違う?どういうこと?」

シロ「俺は・・・俺の名前は、シロと言います。
   10年前まで、千里お嬢様の家の飼い猫でした。」

千里「シロ・・・・・って、引っ越しの時に急にいなくなったシロ?」

シロ「覚えていてくださったんですね。」

千里「でも、シロは猫よ?あなたはどう見ても・・・」

シロ「だから、『姿が違う』と言ったんです。
   これではわかりづらいでしょうから、証拠をお見せしますね。」

千里「証拠?・・・・・ぬぁっ!?ね、猫耳!生えた!え、それ本物!?」

シロ「はい、尻尾もありますよ」

千里「どっから生えてきた・・・というか、面白そうだからちょっと触らせてっ」

シロ「は、はい。」

千里「(恐る恐る撫でてる)温度はあるし、ちょっと温かい。
   尻尾、は、2つある・・・?しかも動いているし。」

シロ「ん・・・も、もう・・・いい、でしょうか?」

千里「わ、わわわ、ごごゴメン!(小声)くすぐったそうだったし、感覚あったんだ。」

シロ「すみません。」

千里「はぁ〜。猫耳も尻尾も本物みたいだし、一先ずあなたが猫人間っていうのは認める。
   だけどあなたがシロって言う証拠はない!」

シロ「あぁ、それでしたら・・・これに見覚えはありませんか?」

千里「首輪?」

シロ「はい。これは千里お嬢様が俺に与えてくださったものです。」

千里「そんなの何処にでも売ってるじゃな・・・ちょっと待って。
   そのネームタグ・・・・・」

シロ「千里お嬢様が、お父様に手伝ってもらいながら彫金されたんですよ。
   俺が家に来た日につけた『シロ』という名前を・・・」

千里「(食い気味に)もういい!わかった、認める、あなたがシロだってこと。
   そんなこと知ってるの、私の家族か、シロ本人だけだもの。」

シロ「わかっていただけて幸いです。」

千里「・・・で?今更私にどうしろっていうの?
   なぜか猫人間になっちゃってるし、燕尾服だし。」

シロ「俺の願いは、簡単に言えば、また千里お嬢様に飼っていただくことです。」

千里「飼うって、あのねぇ・・・・・シロ、あなたは人間?それとも猫?」

シロ「今の俺は人間でも猫でもありません。
   昔どこかで聞いた事があるのですが、
   我々猫は10年より長く生きると、猫又という妖(あやかし)になるそうです。」

千里「猫又?」

シロ「はい。とはいえ、俺は俺でしかありません。
    俺が千里お嬢様に飼われていた、猫のシロであることには変わりはないのです。」

千里「でも、姿はどうみても燕尾服を着た人間じゃない。
   それに私はもう二十歳の大学生よ?
   実家には暮らしてないし、今は一人暮らしなの。」

シロ「?何か懸念すべきことでも?」

千里「私のマンション、ペット禁止。」

シロ「この姿でも、俺はペット扱いされるのでしょうか?」

千里「ハッ・・・か、飼って欲しいなんて言われたらそう思うでしょ!?」

シロ「クスッ、時折抜けてしまうところ、昔から変わっていませんね。」

千里「うううううるさい!猫のくせにぃ・・・!」

シロ「『猫だった』ですがね。」

千里「ややこしいのよ!」

シロ「そうでしょうか?」

千里「ええっと、話を戻すけど。人間として飼う、または雇うとしても、ねぇ。
   さっきも言ったけど一人暮らしだから、その・・・
   (小声)お、男の人と、一つ屋根の下で暮らすのは・・・・・」

シロ「?」

千里「い、色々あるのよ!ほら、年頃の男女が、ね?
   ・・・・・約束してくれる?変なことしないって」

シロ「えっと、変なこと、とは?」

千里「ぁ・・・そうね、猫だったんだもんね。大丈夫そうならいいわ。」

シロ「あ、あの、変なこととは一体どのようなことでしょうか!?」

千里「余計なところに喰らいつかないで!さっさと来なさい!」

シロ「お、お待ちください、千里お嬢様!」



間。



[千里のマンションの一室。]

千里「ほら、ここが今の私の家。」

シロ「千里お嬢様の・・・(部屋を見回す)」

千里「そ、そんなじろじろ見ないでよ・・・」

シロ「あ、申し訳ありません。」

千里「・・・それで、雇うなら私はシロにどれくらいの給料あげればいいの?
   私もそんなにあげられないけど」

シロ「お金は要りません。千里お嬢様と一緒に居られて、食事と寝るところさえあれば。」

千里「食事・・・・・あ、そろそろ旬の時期だから、秋刀魚?」

シロ「千里お嬢様!!!(感激のあまり飛びつく)」

千里「ひゃあ!こ、こら!目をキラキラさせて飛びつくんじゃない!!!」

シロ「す、すみません、嬉しくてつい・・・」

千里「はぁ。シロはもう猫じゃないんだから、もう昔みたいに抱き着こうとしないで。」

シロ「申し訳ありません。」

千里「・・・ねぇ。家に連れてきておいてなんだけど、さ。
   私がシロを飼っていたのは10年も前のことなんだし、
   別に私の家じゃなくてもいいんじゃないの?」

シロ「嫌です!俺は10年間ずっと、千里お嬢様を探しました!
   会いたくて、傍に居たくて、ずっと・・・・!
   千里お嬢様は、俺のことが嫌いですか?」

千里「・・・別に、なんとも思ってないわ。
   10年もどこかに消えて、それがいきなりひょっこり現れて。
   私にどうこうしろって言われても、無理に決まってるじゃない。
   何処へでも、好きなところに行った方が、いいに決まってる。」

シロ「・・・・・わかりました。俺は、千里お嬢様の邪魔にはなりたくありません。
   申し訳ありませんでした。・・・お元気で。」(一礼し、部屋を出ていく)

千里「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ〜もう!
   バッカじゃないの私、ホントバカ!
   ・・・でも、これでいいん、だよね。
   昔飼ってた猫が、人になって奉仕しに来たなんて、誰も信じないだろうし。
   あの子は、自由になったほうが・・・そう、これで・・・・・っ!」



間。



[マンション付近の交差点。シロが横断歩道を渡っている。]

シロ「はぁ。すっかり嫌われてしまったようですね。
   俺は、千里お嬢様を待たせすぎてしまった。
   10年もあれば、俺を嫌いになるには十分すぎる時間でしょう。
   (車が突っ込んでくる)・・・っぁ、しまっ!?」

千里「危ないっ!!!」

シロ「ぐっ!?・・・・ち、千里、お嬢様・・・・・」

千里「ったたたたた・・・・こンの、バカ!超絶弩級バカ!
   昔もそれで死にそうになったの忘れたの!?
   首輪付けないで外に出ちゃったシロが、バイクに撥ねられそうになって、
   それからしばらくず〜っと私の傍から離れなくなって・・・!」

シロ「も、申し訳、ありません。しかし、なぜ、助けてくださったのですか?」

千里「シロだからよ!赤の他人だったら無理!
   自分が轢かれるかもしれないのに、怖くて飛び出せるわけないでしょ!?」

シロ「千里お嬢様・・・・・ありがとうございます。」

千里「・・・正直に言うわ。
   私、ペットであろうと、誰かを縛り付けるのが嫌だった。
   首輪だってネームタグだって、本当は付けたくなかった。
   飼い主の勝手な都合で、自由を奪いたくなかったから。」

シロ「!」

千里「でも・・・シロは駄目ね。
   しっかり面倒見てないと、まぁた危ない目に遭いそうだもの。」

シロ「っ、しかし、俺はもう、千里お嬢様に嫌われて・・・」

千里「誰が?いつ!?嫌いなんて言ったのよ!?」
   ペットを嫌う飼い主なんているわけないでしょーが。・・・それに」

シロ「?」

千里「最近だと、ペットを野放しにすると、警察に捕まるのよ。
   だからその・・・〜〜〜〜〜!私のところに居させてあげる!」

シロ「・・・では・・・・!」

千里「あ、あなたを雇ってあげるってことよ!それくらい、察しなさいよね!!」

シロ「千里お嬢様・・・お慕い申し上げます、千里お嬢様!!!」

千里「のわぁあ!?だだだだだから抱き着くなあああ!!!」



間。



[翌朝、千里のマンションにて。]

千里「(就寝中)すぅ・・・すぅ・・・・」

シロ「千里お嬢様、朝ですよ。お目覚めの時間です。」

千里「ん・・・ぅ?ぁぁ、しろ・・・おはよぉ・・・・・じゃない!
   何で私に覆い被さって起こしてるの!?!?!?」

シロ「え?昔もこうして、千里お嬢様の耳元で鳴き声をあげて・・・」

千里「(食い気味に)昔は猫の姿だったでしょ!!これじゃまるで・・・・・ハッ」

シロ「まるで?」

千里「な、なんでもない、なんでもないから!
   あとシロ、忘れたとは言わせないわよ。
   シロは一応、そう、い・ち・お・う!
   私の一人暮らしを心配した両親がお手伝いに派遣してきた、
   かなり遠縁の親戚ってことにしてるんだからね!?」

シロ「はい、存じております。」

千里「それに。あなたのメインの仕事は家事、炊事・洗濯・掃除その他諸々。
   それが出来なかったらすぐにでも追い出すからね…」

シロ「心得ております、千里お嬢様。」

千里「・・・・・・・・・・・・・・・ゴメン、さすがに限界。」

シロ「いかがなされました?千里お嬢さm」

千里「(体を震わせながら)そのお嬢様っていうのやめてくれる?」

シロ「え?しかし、この服は主(あるじ)に仕える神聖な服で、
   『愛と忠誠を捧げる為に、主をお嬢様と呼ぶ』と、
   女性月刊誌NYANNYAN(にゃんにゃん)に書いてありましたが」

千里「そんな雑誌の情報は捨て去りなさい!虚無の彼方へ!!!」

シロ「ふふっ、わかりました。それでは、朝食にいたしましょう。・・・・・千里様。」

千里「くっ・・・様付けは止めないのか・・・・・シロのくせにぃ!!!/////////」



End.





〜改造完了。〜
どうも、犯人です。
某書き手の某台本を、作業通話にてリアルタイムで許可を得た後のこの所業。
細かい設定はなるべく弄らず、キャラ名すら似せましたよ、えぇ(`・ω・´)
ほら、オマージュって、原型が残ってないとアレじゃん!?←
猫耳やら執事やら敬語口調やらが大好きな作者ですが、よかったらどうぞ。
		






   
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