夏冬ラピッドアプローチ!


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<登場人物>
冬臣(ふゆおみ):
 イッケメーン。女性ウケが良く面倒見がいい。夏が大好きだけど正攻法が苦手。
夏(なつ):
 キョドリスト。冬臣の幼馴染。ただのビビリに見せかけて実は心臓爆発寸前。



※『』の台詞は女の子を口説き落とすイメージでお願いします。
!━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━!



[大学構内。夏が大量の手紙を抱えて立ちつくしている。]

夏「はぁ。今日も今日とて、またもやこの量・・・・・・」

冬臣「あ、夏。今日の講義終わり?」

夏「う゛っ・・・うん、まぁ、終わりだけど。」

冬臣「そっか。『よかったら、一緒に帰らない?』」

夏「っ、わ、私、ちょっと課題やってから、帰るつもり、だから・・・・・」

冬臣「クスッ、相変わらず夏は真面目だね。あれ?その手紙は?」

夏「あ、これは・・・・・冬臣に、渡してくれって、言われて。」

冬臣「もしかして、同じ講義を受けてた女の子たちから預かった、とか?」

夏「ほほ、ホントは、直接渡せ、って、言おうと、したんだよ?
   でも、急いでたみたいで、すぐどっか行っちゃって、返せなくて。」

冬臣「押し付けられたのにそこらへんのゴミ箱に捨てないあたり、夏は優しいよ。」

夏「だって、冬臣宛ての、手紙・・・・・私宛てなら、まだしも・・・・・」

冬臣「僕に宛てられた手紙だから捨てなかったの?」

夏「っ、まだ、冬臣読んでない!自分宛てじゃない手紙を、勝手に捨てられない、し。」

冬臣「あーそういうことか。『焼きもち焼いて捨ててくれたらよかったのにな』。」

夏「?」

冬臣「まぁいいや。どこでやるの?食堂?図書館?それとも使ってない講義室行く?」

夏「え?」

冬臣「課題。やるんでしょ?僕も一緒にやってくから、ね?」

夏「え゛っ」

冬臣「ん?僕なんか変な事言った?」

夏「い、や、別に・・・あの・・・・・」

冬臣「ほ〜ら、早く課題終わらせちゃって、ケーキでも食べに行こう?」

夏「ケーキ・・・・・ハッ、今日、期間限定のケーキ!」

冬臣「今日からのはずだよ?行きつけのパティスリーの限定ケーキ。
   だから、早く終わらせちゃおっか」

夏「うん!」



間。



[空き教室。課題に取り組んでいる夏の隣で、冬臣が大量の手紙を適当に読んでいる。]

冬臣「(大きな溜息)」

夏「う゛・・・・・ご、ゴメン・・・」

冬臣「え?何が?」

夏「課題、終わるの、遅いから・・・待たせてるし・・・・・」

冬臣「気にしないでよ。僕が好きで待ってるんだから。」

夏「でも、その、退屈してそうだから、あの、えと・・・」

冬臣「あぁ、溜息ついちゃったせいかな?退屈で吐き出した溜息じゃないよ。
   コレに悩んでるの。」

夏「手紙?」

冬臣「そ。一人一人に断りの返事を出すのは面倒だな〜って思ってさ。
   ていうか、今時これだけのラブレターが届くとは思ってなかったよ。」

夏「メールアドレスとか、交換してないの?」

冬臣「ゼミとか合同課題で一緒じゃない限り、女の子とは交換してないよ。
   あ、夏は別だからね?」

夏「え?」

冬臣「『夏は特別だから、いつでも連絡してほしくて。』」

夏「っ!?(反射的に体を引く)」

冬臣「そんな露骨に引かれるなんて、僕ショックなんだけど」

夏「い、いや、あの、嫌ったとか、変、とか、そう思ったんじゃなくて、
   ついその、は、反射的に、あの・・・えっと・・・・・ゴメン・・・・・」

冬臣「クスッ、わかってるよ。夏は本当に真面目なんだから、あははっ!」

夏「???」

冬臣「でも、傷ついたのは本当だし、『ちょっとくらいイイ思いさせてほしいかな』。」

夏「ふぇ・・・・・わわっ、わっ、わっわわ!?」

冬臣「椅子近づけただけでしょ?課題の邪魔はしないから。」

夏「う、うん・・・」

冬臣「・・・・・ねぇ夏。さっき、嫌ったわけじゃないって言ってたよね?」

夏「えっ・・・うん、言った、はず。」

冬臣「『じゃあ、好きってこと?』」

夏「っ!?!?!?」

冬臣「あはは、夏、驚きすぎだよ!あはははは!」

夏「ふふ、冬臣、が、そういう、こと、言うから、で!」

冬臣「ごめんごめん。だって夏、僕がどれだけアプローチかけても落ちてくれないし。」

夏「あぷろー、ち?落ちる?」

冬臣「他の子に通用する方法じゃ、夏には効かないんだよね。
   もっと直接的に行けばいいのかな?でも、それだとセクハラっぽいんだよなぁ。」

夏「せく、は・・・!?」

冬臣「はぁ〜あ!なんかもう、夏のせいで病気にかかっちゃったみたいだ。」

夏「ぅえ!?だ、だいじょ、ぶ?」

冬臣「!んー・・・・・ちっとも大丈夫じゃない。」

夏「ぁ、ご、ご、ごめ・・・冬臣・・・!」

冬臣「クスッ、じゃあ夏が治してくれる?僕の病気」

夏「え?どう、すれば・・・・・」

冬臣「『チューしてくれたら、治るかも』。」

夏「!?!?!?」

冬臣「ほら、今誰もいないし、早く治してくれたら嬉しいな」

夏「ちゅ、ちゅーって、あの、あの、あの・・・!?」

冬臣「何?治してくれないの?」

夏「あ、あの、あの・・・・・」

冬臣「夏に治してもらえなかったら僕、ずっと病気のままだな〜」

夏「ぁ・・・・・」

冬臣「夏が看病してくれるなら、病気のままでも・・・」

夏「(何とか決心)・・・・・んっ!」(ほっぺにチュー)

冬臣「っ!・・・・・な、夏?」

夏「な・・・な・・・・・なお、った?」

冬臣「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・悪化した。」

夏「え゛っ」

冬臣「そんな可愛いことされて、悪化しない方がおかしいに決まってる、もう末期状態」

夏「(若干泣きそう)なんっ、ち、ちゅ、ちゅーしたら、治るって・・・!」

冬臣「ほっぺとはいえ本当にしてくれるなんて予想外だったけど、
   幸せすぎて一気に余裕なくなった、あぁもういつも通りに振る舞えない、
   さっきから理性抑えるのに必死すぎてカッコいい言い回しが思いつかない」

夏「え、え?え?」

冬臣「はぁ・・・・・やっぱり無自覚に可愛い女の子ってズルいよね。
   幼馴染っていうポジションだけでもポイント高いのに、
   想定外のところでハートを射抜いてくるから全然対策できない。
   射抜かれる前に射抜いちゃおうなんて考えてた僕がバカだった。」

夏「ふゆ、おみ・・・?」

冬臣「ごめんね夏。本当はちゃんと順序くらい守りたかったんだけど・・・・・」

夏「ぅゎ、わ、わ!?」(抱きしめられる)

冬臣「ずっと一緒にいても、どれだけ甘い言葉を囁いても、
   夏の心は動かせなかったみたいだね。
   僕、そんなにカッコよくなかったかな?」

夏「ぅえ・・・?」

冬臣「夏に好かれてる自信がつくまでは、絶対に触れないつもりだったんだけど。
   堪え性ないっていうか、夏が可愛すぎてもうガマンの限界きちゃったっていうか。
   僕のカッコよさにドキドキさせるより先に、
   夏の可愛さにドキドキさせられちゃった。」

夏「か、かか、かわっ!?」

冬臣「ほら、聞こえる?僕の鼓動。
   夏のことが好きすぎて、いっぱいドキドキしてる。」(夏の手を自分の胸に当てる)

夏「ぁ・・・う、ん・・・・・え?」

冬臣「僕じゃ夏をドキドキさせられなかったみたいだし、
   恋愛対象になれそうにないってことくらいわかってるけど。
   でも、せめて僕の気持ちはちゃんと伝えたいんだ。
   ・・・・・・『大好きだよ、夏。ずっと、心から。』」

夏「っ!」

冬臣「クスッ、なんかこういうセリフ恥ずかしいなぁ。
   普段はもっとクサいセリフばっかり言ってる気がするのに、あははは」

夏「・・・・・。」

冬臣「ごめんね、夏。いきなりこんなこと言って。
   僕にできることならいくらでもお詫びするから。
   許してくれとは言えないけど。」

夏「・・・っし!(決心)」

冬臣「夏?どうしたの・・・・・って、うわっ!?」

夏「ん!」(冬臣の手を自分の胸に当てる)

冬臣「ちょちょ、ちょっと夏!?む、胸、胸!さわ・・・・・え?」

夏「お、お、詫び!ちゃん、と、その、あの・・・・・」

冬臣「夏・・・・・夏も、ドキドキしてる・・・?」

夏「ふ、ゆおみ、は、カッコいいし、私は、ドキドキ、するし、
   キョドってばっか、だし!ビビリ、だし、可愛くないし・・・
   私じゃ、冬臣の腐れ縁ってだけで、好きになって、もらえる、とか・・・・・」

冬臣「夏」

夏「っ・・・ご、ごめ・・・・・」

冬臣「僕ね、怒ってるんだ。3つ」

夏「え?」

冬臣「1つ。夏が僕の事をカッコいいって思ってた点。
   夏のこと、本当はドキドキさせられてたんだって全然気づけなかった。」

夏「え?え?」

冬臣「2つ。夏が可愛くないっていう点。夏は可愛い、以上。」

夏「え゛っ」

冬臣「3つ。夏が僕の腐れ縁っていう点。腐れ縁じゃなくて幼馴染、でしょ?」

夏「それ、は、変わらない、気が・・・」

冬臣「変わるよ、すっごく。夏は僕と同じ学校に通い続けてて嫌だったの?」

夏「嫌じゃ、ない!」

冬臣「クスッ、じゃあやっぱり幼馴染。嫌な思いしてないから、腐れ縁とは言わない。」

夏「う、うん。」

冬臣「でも、もう幼馴染でもなくていいかな」

夏「え・・・?」

冬臣「『これからは、恋人がいいな』。」

夏「っ!?!?!?」

冬臣「嫌、かな?」

夏「え、ぁ、あの、あ、えと、あ、待って、あの・・・!?」

冬臣「ダ〜メ、もう待ってあげない」(抱きしめる)

夏「わっ、ふ、ふゆ、おみ・・・!」

冬臣「今日から夏は、僕の恋人。
   今日は帰りにケーキ買って、僕の家におうちデートしよう。
   それから、毎週末はどっちかの家にお泊まりで、
   お昼ゴハンは週1ぐらいで夏のお弁当がいいな。
   大学卒業したら、夏は僕に永久就職。
   もちろん副業としてどこかの会社に勤めてもいいけど、
   本業は僕の奥さん。」

夏「ふぇ・・・冬臣・・・?」

冬臣「これでどうかな?」

夏「あ、えと・・・・・あの・・・・・」

冬臣「『いい?夏。』」(夏の耳元で囁く)

夏「〜〜〜〜〜!は、はい・・・!」

冬臣「クスッ、夏可愛い。『愛してるよ、夏。』」

夏「ぅぅ・・・・・ぁぅ・・・・・」

冬臣「あ、課題、もうちょっとだったね。手伝うよ。」

夏「ぅあ!?と、途中、だった!」

冬臣「僕が脱線させちゃったからね。これは、ケーキも奢りかな。」

夏「・・・・・じ、じゃあっ」

冬臣「ん?」

夏「の・・・・・飲み物、は、私が買う。」

冬臣「!っ、ハハハハ!じゃあお願いしようかな。カフェラテがいいな。」

夏「うん、わかったっ」

冬臣「よし!早く課題終わらせちゃおっか!」

夏「ぅん!」



End.





〜安心してください、フィクションです〜
どうも、犯人です。
キュン台詞に飢えていたらこんな話とキャラが出来ました。
「なんだこのイケメン、殴らせろ」と連呼していたほか、夏の可愛さに悶絶死寸前に(ry
キョドリストってネタみたいなキャラ設定がまさかの萌え要素になるとは・・・!
表情筋が攣りそうになりますが、よかったらどうぞ。
		






   
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