目に映るものは
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<登場人物>
神帰月 鏡(かみきづき きょう):
高校生。幼少期、母親の割った照魔鏡の霊魂が目に宿り、その力を得る。
人並みの良心を持つが、「信じる者は救われる」の理念に基づく人間関係を築いており、
自分を信じない人間にはドライ。極端に感情的にならず、淡々と物を言う。
照真(しょうま):
付喪神『照魔鏡』の霊。固有の姿を持たず、真実や真意を見出す能力がある。
憑代が割られてしまったため、同じ『映すもの』である鏡の目に宿っている。
意思・自我を持ち、鏡とだけ対話ができる。鏡には親心に近い感情を抱いている。
高村 立夏(たかむら りつか):
鏡のクラスメート。優しい穏やかな子で、鏡の能力を心から信じている。
瑞乃に合わせて行動させられることが多く、瑞乃に対し強く物を言えない。
篠宮 瑞乃(しのみや みずの):
鏡のクラスメート。立夏とは同じ中学校以来の付き合い。最近できた彼氏がいる。
非科学や超常現象、そして自分にとって不快な発言・警告を信じない。
外見はギャルで、自己中心的な性格だが彼氏の前では猫を被り気味。
悠野 茂(ゆうや しげる):
瑞乃の彼氏。スポーツ万能で人の良い振る舞いゆえか、人気が高い。
男女分け隔てなく接しているが、鏡の目には別の姿が映っている。
※「」:通常セリフ /【】:語りorモノローグ / [ ]:情景描写(not台詞)
!━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━!
鏡【照魔鏡(しょうまきょう)。
長い時間使われてきたカガミが付喪神となった、妖怪の一種。
私の家に伝わっていた、照魔鏡。
罰当たりなことに、母は照魔鏡を気味悪がって割ってしまった。
憑代を失った照魔鏡の霊魂は、しばらく彷徨った挙句、私の目に宿った。
それ以来、私の『眼』には、真実が映るようになった。】
間。
[学校。鏡の教室。鏡が登校すると、隣の席には立夏が座っている。]
立夏「あ、鏡ちゃん。おはよう。」
鏡「おはよう、立夏。・・・バス、早かったんだね。」
立夏「え?えっと・・・・あ、うん!一本早いバスに乗れたの!」
鏡「そう。」
立夏「凄いなぁ鏡ちゃん。本当に何でも見えちゃうんだね。」
鏡「覆い隠されたモノが見えるだけ。見ようと思えば見れるってだけだよ。」
立夏「えへへ、鏡ちゃんの目、本当に綺麗だから好き♪ず〜っと見ていたいもん!」
鏡「・・・・・そう。」
鏡【私の目には、照魔鏡という付喪神の霊魂が宿っている。
照魔鏡は、映したモノの真の姿を映す能力がある。
照魔境の霊魂は、私の目を憑代とする代わりにその能力を与えた。
どんなに覆い隠された真実も見えてしまう。
そんな能力を手に入れたせいか、私の目は澄んだ水のように青い。】
瑞乃「おっはよ〜立夏!」
立夏「わっ、み、瑞乃・・・おはよう。」
瑞乃「ねぇ聞いてよ!今度の日曜日、茂くんとデートなんだぁ〜♪」
立夏「そう、なんだ。よかったね、瑞乃。」
瑞乃「ホントホント!最近ちょ〜っと忙しかったから、寂しかったんだよね〜」
立夏「部活動とか、被ってたもんね。」
瑞乃「そうなのよ!タイミング悪すぎてさ〜!」
鏡【私の青い目で見ることのできる、覆い隠されたモノ・・・たとえば、立夏。
瑞乃に普通に接しているように見えるけど、その本心では瑞乃を嫌がっている。
けれど彼女の意志で断るのは、精神的な弱さからほぼ不可能。
私から立夏を救い出してもいいのだが、そうする前に、彼が来た。】
茂「こんにちは〜。瑞乃、いるかな?」
瑞乃「あ!茂くん!こっちだよ〜!」
茂「あぁ、よかった。おはよう、瑞乃。」
瑞乃「おはよう!どうしたの?何かあった?」
茂「うん。今度の日曜日のこと。」
瑞乃「え、何なに!?もしかして行くところ決めちゃうとか!?」
茂「クスッ、そっちは当日のお楽しみ。ほら、待ち合わせの場所とかさ」
鏡【悠野茂。
スポーツ万能で人の良い性格から、男女問わず人気が高い。
そんな彼が、あんなに自己中心的な瑞乃と付き合っている・・・
誰がどう見てもおかしいと考えると思うが、公認されているのが事実。
まぁ、表(おもて)ではあれだけ人柄が良いから、悪い方に考える人間が少ないんだろう。
彼を・・・本当の彼を知っている人間は、この場には私だけだろうから。】
茂「それじゃ、11時に駅前の改札で、ね。」
瑞乃「うん!それじゃあね〜!」
鏡「・・・日曜日、行かない方がいいと思うよ」
瑞乃「え?」
立夏「鏡ちゃん・・・?」
鏡「彼は来ない。
たぶん、約束した時間から1時間後くらいに連絡が来る。
それに、日曜日はにわか雨が降るから、瑞乃が帰ろうとした時、
丁度降ってきて濡れると思う。」
瑞乃「な・・・・」
立夏「日曜日、日曜日・・・・・あ、『急な雨に注意』って。天気予報にあるよ。」
鏡「だから、むしろ外出しない方が・・・」
瑞乃「何バカなこと言ってんの?そんなわけないでしょ」
鏡「・・・悠野茂は、あなたが思っているほど誠実な人間じゃない」
瑞乃「ふざけないで!茂くんのこと酷く言わないで!」
鏡「私は真実しか言っていない。
それに、直接的な罵倒はしていない。プラス面の否定を・・・」
瑞乃「酷く言ってるじゃない!
茂くんの良いところを、本当は違う〜って!
そうやって茂くんの印象悪くするの、やめてよね!」
鏡「・・・私は、貴女のためを思って・・・・・」
瑞乃「もういい!それ以上喋らないで!聞きたくない!」
立夏「み、瑞乃・・・・」
瑞乃「立夏!コイツのことなんて放っておかなくちゃダメよ!?
嘘ばっかり言ってくるし、人のこと悪く言うし」
立夏「・・・・・。」
鏡【私はあくまで、その人のためを思って真実を言葉にする。
たとえその相手が、私を信じてくれなかったとしても。
私はただ、人並みの良心を以て、伝えているだけ。】
照真「やれやれ、人間とはかくも愚かな。真実を真実と受け止めぬとは。」
鏡「・・・学校にいる間は話しかけないんじゃなかった?」
照真「返事が欲しくて意思を示したわけではない。」
鏡「そう。」
照真「鏡の目に映る真実を信じている者は少ないな。」
鏡「仕方ないでしょ。
自分が照魔鏡を割ったくせに、
自分で産み落とした娘を平気で殺そうとしたり、
忌み嫌ったりする母親がいるくらいなんだから。
むしろ、信じてくれる人間が存在するっていう事実だけでもありがたいよ。」
照真「寂しくはないか?」
鏡「全然。私には、照真さえいればいいよ。」
照真「・・・あぁ。」
立夏「鏡ちゃん?今、誰かとお話してた?」
鏡「ううん、独り言。なんでもないよ。」
立夏「?そっ、か。あ、もうすぐショートホームルームだから、席座ろ?」
鏡【私に宿る、私にしか聞こえない、照魔鏡の声。
いちいち照魔鏡と呼ぶのは面倒だから、その霊魂に照真と名付けた。
父を早くに亡くした私にとって、母親に愛されなかった私にとって、
唯一の親のような存在。
発する言葉の全てを嘘と言われ続けても、照真だけは絶対に肯定してくれる。
だから、さっき瑞乃に私の言葉を否定されたって、平気だった。】
間。
[月曜日、教室。]
瑞乃「あ〜もう超ショック〜!聞いてよ立夏ぁ〜!」
立夏「ど、どうしたの、瑞乃?」
瑞乃「それがさ〜、昨日茂くんとデートの予定だったんだけど〜、
ドタキャンされちゃったの〜!(泣)」
立夏「え・・・どうして?」
瑞乃「それが、1時間しても来なくて〜、ケータイ見たらメール入ってたの。ほら」
立夏「えっと・・・・12時3分・・・・待ち合わせって、何時だったっけ?」
瑞乃「11時に駅前。『急な用事が入った』って〜。
あ〜ん、せっかく久々のデートだったのにぃ!」
鏡【次の月曜日、そこには立夏に向かって嘆き吐露する瑞乃の姿があった。
デートをキャンセルするメールがあったのは、約束の1時間後。
私が先週言った通りだ。
私は未来を見れるわけじゃない。
じゃあなぜわかったか?
それは、全て彼が計画していたことだったから。
彼の頭には、約束の1時間後にキャンセルのメールをするという計画があった。
私はそれを言い当てただけ。
ちなみに言うと、にわか雨はただの勘で言ってみただけ。】
立夏「それで、瑞乃はどうしたの?」
瑞乃「ん〜?あぁ、結局その後、買い物する気にもなれなくて帰った。
けどさぁ!帰りに外歩いてたらちょうど雨降ってきて!それも土砂降り!
傘持ってきてなかったから髪も服もカバンも全部びしょ濡れ!
化粧だって流れちゃうし、ホンット最悪!」
鏡「・・・だから言ったのに。」
瑞乃「は?」
鏡「だから、『行かない方がいい』って、言ってあげたのに。」
瑞乃「うるさいわね!何、嫌味?いや、彼氏とラブラブな私に対する負け惜しみ?」
鏡「別に、彼氏なんて要らないし。」
瑞乃「ふんっ、独り身でさぞ寂しいでしょうけど、
アンタみたいな捻くれた性格だったら、男一人寄ってこないだろうけど!」
鏡「・・・どうだっていい。」
瑞乃「っ、アンタむかつく。死んじゃえばいいのに」
立夏「瑞乃・・・!」
鏡【慌てて立夏が止めに入ったけど、特に傷つくことはなかった。
私はただ、自分の掲げる理念の下(もと)で人間関係を築きあげる。
瑞乃という女は、切り捨てても全く問題のない人間。
むしろ、必要のない人間だから。
そんな人間の言葉なんて、私にはどうでもよかった。】
間。
[放課後、人気のない教室。]
照真「鏡、帰らぬのか?」
鏡「うん、ちょっとね。まだ日誌書いてないから。」
照真「人間とは不便なものだな。やらなければならぬことがある。」
鏡「学生は学業に勤しまなくちゃいけないし、大人は働く義務がある。
仕方ないよ、そうやってルールを決めて、秩序を作っておかないと、
人間は自由なことをやりすぎてしまう生き物だから。」
照真「人の欲は、尽きないな。」
鏡「ホントにね。」
立夏「あ、鏡ちゃん」
鏡【教室で照真と話しながら日誌を書いていると、立夏がやってきた。
とっくに下校したものだと思っていたけど・・・・・あぁ、部活があったんだ。】
立夏「まだ、学校にいたんだ。」
鏡「日誌書いててね。立夏は部活、早く終わったんだね」
立夏「うん。・・・あのね、鏡ちゃん」
鏡「ん?」
立夏「・・・私、上手く言えないけど・・・私はっ、鏡ちゃんのこと、信じてるから!」
鏡「・・・・・うん、知ってる。」
立夏「その・・・今日、瑞乃が、鏡ちゃんのこと、凄く悪く言ってたから・・・・・」
鏡「大丈夫だよ、立夏。私はあんなので傷つきやしないし。
それに、立夏がわざわざ言わなくても、私には見えてるから。」
立夏「え?」
鏡「立夏は私の言う事を信じてる。
疑うことはあっても、否定はしない。
馬鹿みたいに信じて、全部聞き入れる。
私の理念に適っているから、私にとってはとても良い人。」
立夏「鏡ちゃん・・・・・うん、ありがと。」
鏡「それで?用事はそれだけ?」
立夏「あ、えっと・・・私・・・・・」
鏡「?」
立夏「(覚悟を決める)・・・私、弱いから。
だから、鏡ちゃんに、協力してもらいたくて!」
鏡「・・・クスッ、そう。いいよ。立夏になら、協力してあげる。
あぁ、内容は言わなくていいよ。ちゃんと見えてるから、ね。」
立夏「うん。ありがとう、鏡ちゃん。
誰かに聞かれてたら困るから、そうしてくれて嬉しい。」
鏡【立夏は、いつになく穏やかな笑顔を浮かべていたと思う。
普段のぎこちないような、少し辛そうな笑顔じゃなかった。
まるで、私の返事に救われたかのように、笑顔で教室を出て行った。】
照真「あの娘・・・不思議なものだな。」
鏡「自分の心の中覗かれたって言うのに、嬉しいだなんてね。
私だったら酷く不快に思うけど・・・あ、もしかして照真には見えてたり?」
照真「残念だが、最も近くにいる我すらも、鏡の心は悟れぬ。」
鏡「そっか。やっぱカガミだったから、映さなくちゃダメか。」
照真「そういうことだ。・・・日誌は書き終えたか?」
鏡「え?あぁ、うん。あとは先生に提出するだけ。
さっさと出して、早く帰ろっか、照真。」
照真「うむ。」
鏡【『信じる者は救われる』 それが私の、人間関係を築く上での理念。
私の言葉を、信じる人間には幸(さち)を、信じない人間には災いを。
立夏は前者にあたるから、私はそれとなく協力することにした。
私が取るべき必要行動は、情報収集と印象操作、そして・・・・】
間。
[数日後。]
瑞乃「はぁ〜〜〜(↓)・・・茂くん不足・・・・・(泣)」
立夏「会ってないの?」
瑞乃「また部活とか塾とかが忙しいんだって〜・・・はぁ〜〜〜〜〜(↓)」
立夏「部活の応援とか、しに行かないの?」
瑞乃「行きたいんだけど〜・・・恥ずかしいから来ちゃダメ〜って言われててさぁ」
立夏「この前のデートの埋め合わせはないの?」
瑞乃「今のところ予定なし〜・・・」
立夏「う〜ん・・・・・あ、お昼は?お昼休みに会う予定は?」
瑞乃「フフン、よくぞ聞いてくれた!今日の昼休み、一緒にお弁当食べるの♪」
立夏「そっか。良かったね、瑞乃。」
瑞乃「そ・こ・で〜、立夏にお願いがあるんだけど〜」
立夏「え・・・?」
瑞乃「今日さぁ、図書室の当番当たっちゃってるんだよねぇ〜。
だから立夏、代わりに行って!お願い!」
立夏「あ・・・・うん、いいよ。」
瑞乃「ありがとう立夏!アンタはやっぱ出来る子だよ〜!!!」
立夏「・・・・・。」
間。
[その放課後、人気のない廊下。]
茂「神帰月!」
鏡【放課後、誰もいなくなった教室を出た直後に、私を呼ぶ声がした。
声の主は、悠野茂。
あぁ、二重になって見える彼の本性が、酷く醜くて目のやりどころに困る。】
茂「ちょっといいか?」
鏡「・・・少しなら。」
茂「手短に済ませる」
鏡「・・・どうぞ。」
茂「最近瑞乃に、俺のことを悪く言っていたんだって?」
鏡「そうね。」
茂「そういうの、やめてくれないか?俺がお前に何をしたって言うんだ?」
鏡「特に何も」
茂「じゃあっ、どうして!」
鏡「安心して。私がどれだけ瑞乃に言っても、彼女は私を信じないから。」
茂「それでも、他の人が聞いていたら・・・・」
鏡「聞いていても、罵声という名の集中砲火を受けるのは私。」
茂「神帰月・・・・!」
鏡「むしろ感謝してほしいくらいよ。あなたには」
茂「え?」
鏡「私が瑞乃に、『あなたの真実』を伝えれば伝えるほど、
瑞乃は『繕われたあなた』に惹かれ、狂信的になる。
あなたの野望を叶えるためには、瑞乃の信用が必要・・・でしょう?」
茂「何、を・・・・」
鏡「クスッ、協力してあげる。
たまには暇潰しもしたいし、そろそろ面倒だから。」
茂「・・・信じて、いいのか?」
鏡「もちろん。『信じる者は救われる』。それが私の、人付き合いにおける理念だから。」
間。
照真「人はカガミを見る。
化粧をする、髪をいじる、身だしなみを整えるため、自らを映す。
しかし、そこに内面は映らない。
真(まこと)の姿など、映ることはないのだ。」
鏡「それが、照魔鏡以外のカガミだったら、ね。」
照真「・・・動くか?」
鏡「えぇ、もちろん。照真だって、人間が堕ちていく様を見るのは、楽しいでしょ?」
照真「鏡の見るモノ全てが楽しみだ。愉悦も感じるほどに。」
鏡「それなら、事後報告よりも、直接見に行こうか。」
照真「フッ、是非も無し。いざ参ろう。」
間。
[数日後の放課後、校舎裏にて。3階の窓から鏡(と照真)が様子を眺めている。]
茂「あ、瑞乃。」
瑞乃「どうしたの茂くん。急に呼び出しなんて。」
茂「うん、その・・・高村から、聞いて、さ。」
瑞乃「立夏から?何を?」
茂「・・・神帰月に、俺の印象を悪くさせられてる、って。」
瑞乃「あ・・・そ、そんなの、気にしない方がいいよ!むしろしなくていい!」
茂「でも、もし瑞乃に悪く思われてたら、俺・・・・」
瑞乃「あんな女の言葉なんて、全部嘘に決まってる!
茂くんの優秀さに嫉妬してるだけだって!
それに、私は茂くんを嫌いになるつもりなんてないし!」
茂「瑞乃・・・」
瑞乃「私は茂くんの彼女だよ?茂くんを信じてないわけないじゃん!」
茂「・・・・・・じゃあさ。」
瑞乃「ん?」
茂「もし俺が、実は不良仲間とつるんでいて、そのトップなんだって言われたら?」
瑞乃「え・・・?」
茂「弱いグループを叩きのめしたり、たばこや酒に手を出していたり、
遊び相手にちょうど良さそうな女の子を集団で囲って犯したりしてるって、
そんな噂が学校に流されたら、瑞乃は・・・・それでも、俺を信じてくれる?」
瑞乃「それは・・・・・」
鏡「さぁ、獣(けだもの)の正体を、あなたは見抜けるかしら?」
照真「問うまでもなく。あの女の目に映る奴は、奴の形して奴にあらず。」
鏡「クスッ、同感。」
瑞乃「その・・・私・・・・・」
茂「瑞乃は、俺を信じてくれる?最後まで、俺は悪い人じゃないって言えるか?」
瑞乃「・・・・・っ、私は!茂くんを信じる!」
茂「!」
鏡「ほら、やっぱり。」
瑞乃「茂くんにそんな酷い噂がたっても、私は茂くんを信じる!
だって、私の大好きな茂くんは、とっても良い人だもん!」
茂「瑞乃・・・ありがとう、瑞乃・・・・・!」
瑞乃「茂くん・・・・」
照真「さぁ、獣(けだもの)が自ら化けの皮を剥がすぞ・・・!」
鏡「楽しそうね、照真」
照真「人間が本性をさらけ出す瞬間は実に愉快。」
鏡「うん、それは同意。
そして、それを見た無知な人間の呆気に取られた表情もまた格別。」
茂「瑞乃。俺、嬉しいよ。こんなに瑞乃に信じてもらえていて。」
瑞乃「あったりまえじゃない!愛しの彼を信じない彼女なんて最低よ!」
茂「あははは!そっか!そうだよね。うん、そうなんだよね・・・・・」
瑞乃「茂くん?」
茂「・・・ククッ、やっぱり瑞乃は・・・・・馬鹿な子だったね。」
瑞乃「え・・・ちょ、ちょっと、何!?」
照真「迫りくる男共に恐れ戦(おのの)いたな。」
鏡「よくもまぁあれだけの男子らを集めたものね。
思春期どころか、性欲真っ盛りってところかしら?」
照真「これより始まるは、阿鼻叫喚の沙汰。さて、かの人間は如何様に顔を変える?」
瑞乃「な、何よアンタたち!?どっから・・・」
茂「安心して瑞乃。コイツら、み〜んな俺の仲間だから。」
瑞乃「え・・・な、かま・・・・・?」
茂「そ。俺の仲間。今日はみ〜んなで遊ぼうと思って、俺が呼んだんだ。」
瑞乃「遊ぶって・・・し、茂くん・・・・・・!?」
茂「そうだよ。瑞乃『で』遊ぼうって、声を掛けたんだ。」
瑞乃「じ・・・冗談、だよね?」
茂「冗談に思える?例えば・・・こんなことされても!?」(瑞乃の腕をつかむ)
瑞乃「ひっ!?い、いや、離して!離してよ!茂くん!」
茂「瑞乃が言ったんだよ?俺を信じてくれるって。」
瑞乃「いや!こんなの茂くんじゃない!離して、いやぁ!!!」
茂「大人しくしろよ、このビッチが!
どうせお前は、何人もの男に股開いて受け入れてるんだろうがよぉ!!!」
瑞乃「そんなことしてない!やだ、お願い離して!!!」
照真「泣き喚く悪女の姿は、あまりに滑稽なものよ。」
鏡「ホントね。下衆も滑稽さだけは一人前ってところかしら?」
照真「フッ、そうとも言えよう。だが、これは所詮前座、ただの茶番だ。」
鏡「私が見たいのは、『彼女』が仮面を脱ぐ瞬間。」
瑞乃「なんで・・・なんで誰も助けてくれないのよ!?誰か、誰か助けて!!!」
立夏「・・・瑞乃・・・・・・」
瑞乃「立夏?立夏!助けて、コイツらが私を!」
茂「黙ってろ糞ビッチが!」
立夏「瑞乃・・・・・・」
瑞乃「助けてよ!ねぇ!助けてってば立夏ぁ!!!」
立夏「・・・・・プッ、いい気味。」
瑞乃「え?」
立夏「アッハハハハハハハ!ほ〜んと良い様だわ瑞乃!ハハハハハ!」
瑞乃「どういう・・・・・・立夏!?」
立夏「今まで散々パシリやらに使ってくれてありがとう瑞乃。
でももう今日でおしまい。
私、お人形さんごっこ嫌いなの。
しかも私がお人形役だなんて、うんざりしちゃった。
だから今度は、瑞乃がお人形になるのよ!」
瑞乃「ふざけないで!アンタ立夏じゃない!誰よ!?」
立夏「はぁ?立夏じゃない?私は立夏よ。あなたの知ってる、高村立夏本人。」
瑞乃「そんなわけない!立夏はもっと・・・・!」
立夏「弱気で大人しくて従順で、パシリとしては大変優秀〜!とでも言いたいの?」
瑞乃「な・・・・」
立夏「残念だけど、それは瑞乃が見ていた幻想よ。
瑞乃の目に映るもの全てが真実だなんて思わないでよね、気持ち悪い。」
瑞乃「そんな・・・立夏まで・・・・・!?」
立夏「私、もう瑞乃の下っ端みたいな位置でいるの、嫌だから。
・・・さよなら瑞乃!
せいぜい穢されて傷付けられて犯されて、
泣き喚いて助けを呼ぶことね!アハハハハハハハハハ!」
瑞乃「いや・・・いや・・・誰か、助けて、やだ!いや、いやああああああああ!!!」
間。
鏡「瑞乃が見ていたのは結局、当の本人たちではなかったってことだね。」
照真「人間とは、呆気ないな。信じていたモノを壊すだけで、簡単に崩れ落ちる。」
鏡「カガミで自分を見れないのよ。映っているのは、所詮ハリボテ。」
照真「この照魔鏡が見ゆる姿は、真(まこと)のみ。」
鏡「真実を知らない人間は、真実を語るべからず。罰が当たったのね、瑞乃は。」
照真「鏡、なぜあの娘に力を貸した?」
鏡「娘?あぁ、立夏のこと?
だってあの子、私に対して狂信的なんだもの。
『信じる者は救われる』彼女が私を信じていたから、救済を与えた。
私のしたことといえば、それくらいでしょ。」
照真「自分では手を下さず、間接的な方法で相手を貶(おとし)めるとは。」
鏡「立夏が誤って犯されないように、グループに何人か、私が交渉した人間を入れた。
『万が一立夏が襲われそうになったら止めるように』ってね。
こっちが秘密を握っているだけじゃ釣れそうになかったから報酬もつけたけど、
どれも私の目に映る情報だから、安い物よ。」
照真「それにしても、あの娘の化けの皮も恐ろしく着飾られたものだったな。」
鏡「人間は虚飾が好きなの。それが剥がれた瞬間、周りも一瞬だけ虚飾を剥がすの。」
照真「ならば、鏡の虚飾は、決して剥がれぬな。」
鏡「そうね。私には見えてるから。」
照真【カガミとは即ち、映す物。
されど、映せしモノはモノであり、真(まこと)にあらずして。
目を見開けど見開けど、映るモノを着飾るのみ。】
鏡【さぁ、カガミの前へお立ちなさい。
そこに映るのはあなたの姿のはず。
でも・・・・・それは本当に、『あなた』ですか?】
The End.
〜壁|<絶賛遅刻の?\便乗員!/〜
どうも、犯人です。
今回、『鏡』というお題に便乗して台本を書かせていただきましたが・・・
くそっ、ストーリー性が来い・・・!
悲しいほどに何がしたかったか曖昧1mですが、よかったらどうぞ。
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