宮華学園・保健室〜傷だらけAffection〜
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<登場人物>
透夜 琉那(とうや るな)♀:
縁が好きで、迷惑を掛けたくないのに、縁のことで頭がいっぱいになると、
いつもドジってケガをして、縁に連れられて保健室へ行く。
撚紡 縁(よりつむぎ えにし)♂:
琉那の幼馴染で、なんでもできて、琉那に素直な気持ち伝えられないが、
琉那が心配で、大好きで、ケガをした琉那を保健室へ連れて行く。
!━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━!
[琉那がベッドに、縁がベッド傍の椅子に座っている]
縁「やれやれ、お前ってやつは・・・・・」
琉那「ゴメンね、縁。」
縁「幸いケガがなくてよかったが、念のため大人しくしていろ。」
琉那「はい・・・」
縁「はぁ。今時、手すりに掴まってるのに階段から落っこちる奴なんていないだろうに。」
琉那「はい、そうですね・・・・」
縁「俺が下から来てなければ、本当にケガしてただろうがな」
琉那「・・・・ごめんなさい。」
縁「・・・本当に、どこも打ってないな?」
琉那「うん、大丈夫。」
縁「足挫いたり、手首捻ったりは?」
琉那「してない、です。」
縁「・・・・・はぁ、よかった。」
琉那「ゴメンね、心配かけちゃって。」
縁「全くだ。俺の知らないところでどれほど危ない目に遭ってるのやら。」
琉那「き、今日はたまたま、考え事してた、だけで・・・・・」
縁「ほう?何を考えてたんだ?」
琉那「あ・・・それは・・・その・・・・・・」
縁「俺に言えないことか?」
琉那「(小声)・・・縁の事を考えてたなんて、言えるわけないじゃん・・・」
縁「何か言ったか?」
琉那「な、なんでも、ないっ・・・」
縁「・・・まぁ、言いたくないならいい。無理に聞く必要もないだろうし」
琉那「・・・・・・ゴメン。」
縁「謝ってばっかりだな、琉那。」
琉那「だって・・・縁に、迷惑とか心配とか、かけてばっかりで・・・・」
縁「そんなの、昔からずっとだろう?」
琉那「だから、だよ。高校生にもなって、まだ幼馴染に頼りっぱなしで・・・・・」
縁「もう慣れたよ。・・・正直、別の学校に行かなくてよかったと思ってる。」
琉那「ど、どうして?」
縁「もし他の学校行ってたら、すぐに助けてやれないだろう?見舞いにも来れないし」
琉那「っ!」
縁「そーれーに!こうやって面倒見ないと、いろんな事態を悪化させるからな、琉那は。」
琉那「悪化って・・・」
縁「ケガの容態とかテスト勉強とか、主に琉那自身のことだ。心当たり、あるだろう?」
琉那「うぅ・・・・・あります・・・・・」
縁「ふぅ。にしても、今日保健室の先生、休みなんだな。」
琉那「あ、うん。なんか、別のお仕事が入ったとかで・・・」
縁「ん?なんで琉那がそんなこと知ってるんだ?」
琉那「昼休みに、ちょっと・・・」
縁「ケガしたのか!?」
琉那「ちち、違う違う!えっと、職員室で、先生からプリントを、任されて・・・」
縁「あ、あぁ、プリントを届けに来ただけか。」
琉那「うん。」
縁「というか、なんで琉那がわざわざ・・・」
琉那「急いで・・・いや、忙しかったみたい。先生に、お客さん来てたみたいだし。」
縁「ふぅん。生徒会役員をこき使うとは・・・・・はぁ。」
琉那「だ、だから、先生たちも忙しいんだってば。
ほら、私、よく保健室行くから、頼みやすかったのかもしれないし」
縁「とはいえ、お前も二つ返事でなんでも引き受けるなよ?ただのパシリにされるぞ」
琉那「わかっ、てるよ・・・・」
縁「・・・琉那は昔から、自分の事を後回しにしすぎだからな。」
琉那「そんなこと・・・」
縁「あるだろ?掃除当番とか日誌とか押し付けられて帰りが遅くなったり」
琉那「うっ・・・」
縁「グループでやる仕事だって、全部一人でやらされたり」
琉那「あ、あははは・・・」
縁「はぁ。お前は確かにやればできる奴だけど、無理して身体壊すなよ?」
琉那「無理は、してないよ。」
縁「本当に?」
琉那「うん、本当。」
縁「・・・・・なら、いいけど。」
琉那「・・・・・。」
縁「・・・・・。」
琉那「・・・あ、あのさ、縁」
縁「ん?」
琉那「その・・・部活、は?今日、練習あるよ、ね?」
縁「あぁ、休むって言っておいた」
琉那「え?な、なんで!?」
縁「琉那を放っておけるか。」
琉那「で、でもほら、ケガだってしてないし・・・」
縁「生徒会の仕事」
琉那「ギクッ」
縁「まぁたなんでも仕事引き受けて!今度は会計からか!?」
琉那「え、ええっと・・・・・・・・はい・・・」
縁「全くお前は・・・・・会計をサボらせてどうする?」
琉那「あああ、あの、えっと、その・・・・・ごめんなさい。」
縁「・・・琉那のお人好しは、悪いところでも良いところでもあるから、困るな。」
琉那「え?」
縁「っ、なんでもない。もう大丈夫だっていうなら、生徒会の仕事、終わらせるぞ」
琉那「あ、うん!」
縁「っと。琉那は保健室に待機」
琉那「?どうして?」
縁「せっかく先生いないんだから、クーラーの効いてる保健室で仕事したほうが捗るだろ。
ちょうど生徒会室のクーラー、修理中だし。」
琉那「あ・・・うん、そうだね。」
縁「今書類とか持ってくるから、待ってろよ?」
琉那「は〜い。」
[縁が保健室を出ていく]
琉那「はぁ。何やってんだろ、私。
縁に迷惑かけたくないのに。心配、かけたくないのに。
なのに、やっぱり縁に頼ってばかりで・・・
今日だって、縁がちょうど階段上ってきて、ビックリして階段踏み外して、
落っこちて・・・また縁に心配かけて、ケガしてないけど、
腰抜かして動けなくなっちゃって、縁に・・・・・はぁ。
意識しすぎ、だよね。縁が優しいのは、私が幼馴染だからで、
私が片思いしてるだけなんだから。
私は、縁には・・・不釣り合いな女、だから。」
[縁が保健室に戻ってくる]
縁「琉那〜、書類持ってきたぞ。」
琉那「っ!?あ、え、縁、おかえり・・・」
縁「ん?どうした琉那?」
琉那「え?な、何?」
縁「ボーっとしてただろ。考え事か?」
琉那「う、うん、ちょっとだけ・・・ね・・・・・」
縁「・・・なぁ、琉那」
琉那「な、なに、縁?」
縁「・・・・・・・・いや、いい。ほら、書類。」
琉那「?うん。」
縁「・・・・・(書類をめくる)」
琉那「・・・・・(書類をめくる)」
縁「・・・琉那」
琉那「?」
縁「そこ、字間違えてる」
琉那「え、ど、どこ?」
縁「3行目、の、真ん中やや手前」
琉那「あれ・・・?えっと、どこ?」
縁「変換のカンって字。クチヘンじゃなくて、テヘンだ。」
琉那「あ、そうだった!」
縁「随分器用な間違え方してるな(笑)」
琉那「笑わないでよ・・・」
縁「悪い悪い。」
琉那「もう・・・・・って、なんで私が漢字間違えてるの、わかったの?」
縁「え?」
琉那「だって、縁だって書類整理してたのに・・・・・なんで気づいた、の?」
縁「あ、あぁその、こ、この前、別の書類確認した時に間違ってたから、
また同じ間違いするんじゃないかって思ってだな。」
琉那「え!?ままま間違ってたの?」
縁「あぁ。俺が直しといたから、大丈夫。」
琉那「ほ・・・あ、ありがとね、縁。」
縁「どういたしまして。」
琉那「・・・・・(書類をめくる)」
縁「・・・・・(琉那の方を見てる)」
琉那「・・・?なに、縁?」
縁「え、あ、いや・・・」
琉那「あっ、またどこか間違ってた!?」
縁「いや、大丈夫。ちょっと、ボーっとしてただけ。」
琉那「?・・・考え事?」
縁「あぁ。」
琉那「・・・・・何、考えてたの?」
縁「琉那のこと」
琉那「え!?」
縁「そんなに驚くことか?」
琉那「だだだ、だって!」
縁「言っておくが、嘘とか冗談の類じゃないからな」
琉那「な・・・なんと・・・・・・!?」
縁「俺だって考えることぐらいあるんだよ。・・・・・思春期だし」
琉那「し、思春期って、自分で言っちゃダメじゃない?」
縁「お前なぁ・・・もうちょっと空気の読める奴だと思ってたんだが・・・」
琉那「あ、ご、ゴメンっ」
縁「謝らなくていい。いつかは、ちゃんとケジメつけなきゃいけないことだから。」
琉那「ケジメ?」
縁「・・・唐突で悪いが、琉那」
琉那「?」
縁「お前、彼氏いないのか?」
琉那「えぇ!?いいいいいきなり何を!?」
縁「最初に言っただろう、『唐突で悪いが』って」
琉那「そ、そうだけど・・・」
縁「で?いるのか、いないのか?」
琉那「いないよ。いたこともないし、縁みたいにモテないし。」
縁「俺みたいにって、なんだよ?」
琉那「部活の練習中だって、いっつも女の子に囲まれてるじゃん」
縁「あー・・・」
琉那「・・・・・縁って、結構無自覚だよね」
縁「気にしてないからな。」
琉那「ちょっとぐらい意識したりしないの?」
縁「好きな奴がいるのに、他の女子のこと意識するとか、ありえないって。」
琉那「っ!?・・・縁、好きな人、いるんだ。」
縁「あ・・・・・ま、まぁな。」
琉那「そっ、か。」
縁「・・・琉那は、いないのか?好きな人」
琉那「え?わ、私?私は、その・・・・・」
縁「その様子だと、いるみたいだな」
琉那「・・・うん。」
縁「そうか。」
琉那「・・・・・。」
縁「なぁ、琉那」
琉那「な、なに?」
縁「今から俺が言う事は、俺の本心だ。でも、琉那にとっては傍迷惑なことかもしれない。
もしそうだったなら、思春期の戯言だと思って聞き流せ。いいな?」
琉那「う、うん。」
縁「よし。(深呼吸)・・・・・・俺、本当は別の高校に進学するつもりだったんだ。」
琉那「!」
縁「学力的には、そっちも余裕でいけたからさ。
中学ん時の担任にもぜひって言われたし、親も強く推してた。
でも、その高校、家から結構遠いんだ。
もしそこに通っていたら、絶対下宿に入るか一人暮らししてた。
それに、好きな人に会える機会も、減ってたと思う。」
琉那「お、おなじ、中学校、だったの?その・・・縁の、好きな人」
縁「あぁ。近所に住んでるからよく一緒に遊んだし、学校もずっと一緒だった。
そいつと離れるのがどうしても嫌でさ。
で、そいつの進学先が知ってたからさ、
必死で担任も親も説得して、この宮華学園に入った。
好きな人とはまた一緒。
生徒会にも入って、中学校にいた時よりももっと傍にいられるようになった。」
琉那「そうなん、だ。良かったね、縁。」
縁「・・・けどさ。やっぱ、一方的に好きってだけじゃ、寂しいんだよ。」
琉那「え?」
縁「いろんなことに対して『もっと』って求めたくても、
その人は俺の恋人ってわけじゃないから、その・・・
手を繋ぎたいとか、もっと触れたいとか、もっと一緒にいたいとか、
もっともっとって・・・・・求めたら、キリがなくて。」
琉那「縁・・・?」
縁「おまけに当の本人はすっごく鈍感で、俺の思いになんて全然気づきやしないし」
琉那「???」
縁「転んだりケガしたりするたびに保健室に付き添っても、
周りから過保護って言われるぐらい世話焼きになっても、全然気づいてくれない。
まぁ、俺が建前を張りすぎなのかもしれないけど。」
琉那「近所に住んでて・・・ずっと一緒で・・・よく保健室に・・・それって・・・!」
縁「・・・琉那。言葉で言わないと伝わらないだろうから、ちゃんと言うよ。」
琉那「!」
縁「(深呼吸)俺は、琉那が好きだ。昔から、今もこれからもずっと、琉那が好き。」
琉那「っ!?」
縁「たとえ琉那に好きな人がいても、俺の思いだけは伝えたかった。
・・・迷惑だったら、ゴメンな。
迷惑かけられるのは慣れてんだけど、かける側になるのは、あんまり・・・」
[琉那が泣き出す]
琉那「・・・・ぅ・・・っ・・・・!」
縁「琉那?って、琉那!お前、泣いて・・・!?」
琉那「うっ・・・っ・・・だっ、て・・・・私っ・・・・・・!」
縁「琉那・・・・・」
琉那「私っ、ドジで、縁にっ、心配とか、迷惑、とか、っ、掛けて、ばっかりで・・・
昔からずっと、縁に頼ってっ、ばっかりで・・・!」
縁「・・・琉那、もういい。だから、泣くな。」
琉那「生徒会に、誘われた時だって・・・副会長なんて、できるわけないって・・・!」
縁「もういい。」
琉那「私なんかっ!縁に不釣り合いな女で、なんでもできる縁には、全然っ・・・!」
縁「もういい!」
琉那「っ!?」
[縁が琉那を抱きしめる]
琉那「え・・・にし・・・・・?」
縁「ゴメンな、琉那。泣かせるつもりなんてなかったのに。
琉那の気持ちに気づいてやれなくて、俺の気持ちすら琉那に伝える勇気がなくて。
・・・鈍感なのは、俺も同じってことだな。」
琉那「縁・・・。」
縁「不釣り合いとか言うな。
俺は、一生懸命で頑張り屋な琉那を、好きになったんだから。」
琉那「!」
縁「頑張りすぎて、よく自分の事を後回しにしたり、
ドジ踏んではケガしたりするけど、誰よりも優しくて、
一生懸命で、俺が今まで出会った女の子の中で一番可愛い。」
琉那「っ!?」
縁「琉那・・・・・琉那は?俺の事、好き?」
[琉那が涙を拭う]
琉那「(深呼吸)私は・・・私は、縁が好き。
ずっと、見上げることしかできなかったけど、
ずっと頼りっぱなしだったけど・・・・・いつだって助けてくれる、縁が好き。」
縁「・・・そう、か。よかった。」
琉那「縁・・・」
縁「これからは幼馴染じゃなくて、恋人だな。」
琉那「!う、うん・・・・・」
縁「クスッ、琉那、照れてる?」
琉那「そそ、そんな、ことっ・・・!」
縁「アハハハハ!」
琉那「笑いごとじゃない!もう・・・。」
縁「ハハハ・・・・・琉那。」
琉那「?」
縁「これからもよろしくな?」
琉那「!・・・うん!」
End.
〜企画でも一応出てくるのさ。〜
どうも、犯人です。
宮華学園・保健室にて、生徒会長と副会長の恋愛台本ですた。
恋愛未経験者が頑張って書いたので、許してやってくださいorz
俺の台本は相変わらず名前の読みにくさに定評がありますが、よかったらどうぞ。
こちらはコンピレーション企画の一つとなっております。
企画の他の台本はこちらにあります。
宮華学園HP
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