偉大な島−グランディア−


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<登場人物>
インゼル:15歳の少年。本が好きで、英雄の物語に疑問を抱く。
グロース:20歳前後の女性。やや男勝りな口調で、英雄を知っているかのように振る舞う。





!━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━!



インゼル「昔、ある国が世界は戦火に飲まれた。
   戦争はとても長く続いて、たくさんの人が死んだ。
   その国の人々は、全員死んでしまうはずだった。
   ・・・けれど、そんな時、英雄が現れた。
   英雄は、国を救ってくれた。
   国はもう殆ど滅びてしまっていたけれど、
   その英雄は、生き残った人々を、自らの故郷へ導いた。
   広大で肥沃な大地に築かれたその場所は、
   英雄の偉業によって、『偉大な島−グランディア−』と呼ばれるようになった。」

グロース「懐かしい話だ。私も昔、子供たちに読み聞かせたものだ。」

インゼル「僕は最近までずっと聞かされてきたよ。
   今じゃ僕が、みんなに読み聞かせる側だし。」

グロース「ククッ、ご苦労なこった。」

インゼル「・・・ねぇ、グロース」

グロース「なんだ?」

インゼル「僕はこのお話を、何度も何度も聞いてきた。
  自分の目で本を読んで、いろんな文献を漁った。」

グロース「お前はガキの頃から、本の虫だもんな」

インゼル「でも、どの文献にも、英雄の末路は書かれていなかった。」

グロース「そうか。」

インゼル「僕達の住んでいるこの島・・・グランディア、偉大な島、英雄の故郷。
   でも、グランディアに、英雄の墓や慰霊碑といったものは存在しない。
   どうして?」

グロース「・・・・・さぁ、どうしてだろうね」

インゼル「真面目に答えてよ。」

グロース「これでも真面目なんだが?」

インゼル「意地悪。」

グロース「フッ、はいはい。悪かったよ。
   そうだなぁ・・・・・もしかしたら、その英雄は死んでないのかもしれないな。」

インゼル「え?」

グロース「死んでないから墓が無い。
   生前葬なんて、普通の国民だってめったにしないだろう?
   グランディアに戻った英雄が、わざわざ他の国に眠るとも思えない。
   それならいっそ、まだしぶとく生きている可能性の方が・・・」

インゼル「それこそありえないじゃないか。」

グロース「なぜだ?」

インゼル「英雄がいたのは、もう200年以上も前の話なんだよ?
   仮に生きていたなら、その人の居場所を知ってる人が1人くらいいるはず。」

グロース「わからんぞ。英雄が隠居していたら、誰も知りえない。」

インゼル「・・・生きていたとしたら・・・・いや、ありえない。
   200年も、人が生きられるわけ、ない・・・・」

グロース「そうだな。まぁ、『普通』は、死んでるはずだな。」

インゼル「?・・・っ、もしかして、生きられる方法、あるの?」

グロース「なくはない。可能性の1つとして、私は知っている。
   ただ、インゼルのことだ、あまりに非現実的すぎて信じられないと思うぞ」

インゼル「教えてよ。僕だって、もうそんなに子供じゃない。」

グロース「クスッ、いいだろう。教えてやる。
   人間が、200年にも及ぶ時間を、未だに生き続けられる原因。
   ・・・・それが、グランディアの呪いだ。」

インゼル「のろ、い?」

グロース「英雄が他国の民をこの島へ導くもう少し前。
   英雄の兄が、島を支配しようと、島の人々に刃を振り下ろした。
   信頼していた兄の行いが許せなかった英雄は、その手で兄を裁いた。」
   実は、英雄の兄は強力な呪術師で、死の間際に、英雄へ呪いをかけた。
   それは、この島に伝わる呪術の中でも、禁術と呼ばれるものだった。
   そして、自分を除く、最も近しい親族にしかかけることのできない術。」

インゼル「どんな、術だったの?」

グロース「・・・肉体と魂から、有限と終焉を奪う術。」

インゼル「!?」

グロース「もう少し簡単に言えば、相手を不老不死にする術だ。
   ある種の呪いともいえるこの術が原因で、英雄は死なない。」

インゼル「待って。どうして英雄の兄は、英雄にそんな術を?」

グロース「さぁな。死んだ人間の思いなんて、わかりゃしない。
   ただ・・・死ぬ間際に奴は、英雄に優しく微笑んでいたよ。
   自分を殺した相手に。」

インゼル「家族だから、かな?」

グロース「かも、しれないな。
   その後、英雄は他国の民をこの島へ導く。
   島の人々のために、戦火から人々を救うために剣を振りかざした英雄。
   そして、英雄の生まれ故郷であり、島として立派な場所だったこと。
   2つの偉業と島のありさまが合わさったことから呼ばれるようになった、
   『偉大な島』の異名・・・私たちがグランディアと呼ぶ、この島。」

インゼル「・・・・・・・あれ?」

グロース「ん?どうした、インゼル」

インゼル「今、凄く妙な違和感を感じた気が・・・・・あれ・・・・」

グロース「風邪でも引いたか?
   そういえば、孤児院の子供が具合を悪くしていたな。
   その子から移ったのやもしれん。」

インゼル「いや、風邪とかじゃなくて・・・・」

グロース「先生を呼んでこよう。一度診てもらった方がいい」

インゼル「う、うん。・・・・・・・あ」

グロース「どうした?」

インゼル「わかった、違和感の原因」

グロース「?」

インゼル「さっきの、グロースの話」

グロース「私の話がどうかしたのか?」

インゼル「その・・・まるで、グロースがその目で見てきたようなふうに、言ってた、から・・・・」

グロース「あ、あぁ・・・・・あれだ、リアリティーの追究、というかだな」

インゼル「それにしてはグロース、懐かしそうな顔、してた。」

グロース「気のせいだろう。ほら、先生のところに行こう。」

インゼル「ねぇ、本当はどうなの?」

グロース「次に機会があれば話してやろう。」

インゼル「次っていつ?」

グロース「そうだな・・・・・インゼルが生きているうちに。」

インゼル「いつになることやら。」



グロース「偉大な島−グランディア−。
   他国の民を迎え入れてなお安穏と繁栄であり続けるこの島は、
   まさに偉大そのものなのだろう。
   私は、この島が好きだ。
   そんな私の気持ちを、お前は・・・・わかっていたんだろう。
   お前もこの島が、グランディアが好きだから。
   狂ってしまった自分の代わりに、島を守れと言ったんだろう。
   たとえ呪いをかけてでも、ずっと、ずっと、皆を守れと。
   なぁ・・・・・英雄の兄よ。」



The End.





〜言い訳!せずにはいられないッ!〜
どうも、犯人です。
企画により、まさかの1時間クオリティー・・・( ゜Д゜;)
物凄くわかりにくい上にテーマに沿ってるかわけわからん状態ですorz
それでも!俺なりに!頑張ったので、よかったらどうぞ。
		






   
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