どこのオネエでも強気で男好きだなんて誰が決めた


・男女逆転は絶対にやめてください
・ネットブロードキャスト以外の利用はご一報ください
・少しでも疑問があれば利用規約を読んで、それでも分からないなら問い合わせください



<登場人物>
知唯(ともただ):
オネエ。とても自然な口調とイントネーション。しかもノーマル。温和でヘタレで男。

皐(さつき):
女性。若干幼げに見られがち。感情の起伏が微小。ノーマルで不動で女。





!━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━!



知唯「はぁ〜〜〜・・・・・・世の中、ろくな男がいないわね。」

皐「?・・・・・・ん。」

知唯「ねぇ、そっと手鏡向けないでくれる?アタシがろくでもない男って言いたいの!?」

皐「!・・・ん〜・・・ううん。」

知唯「あ、一応ちゃんと考えてみるのね」

皐「チイちゃんの言う『ろくでもない男』が、恋愛遍歴において問題があると仮定して、
   これまでにチイちゃんから零れた愚痴や相談の内容を総合的に判断し、
   該当する例が存在しないと結論付けられた上で返答した。
   反射的にその人の全体を評価するような返答は失礼だと思って。」

知唯「あぁ〜・・・・・アンタのそういうとこ嫌いじゃないわ。」

皐「?」

知唯「はぁ〜〜〜〜〜〜・・・・・・」

皐「溜息多いね、あとお酒も」

知唯「あらそう?まぁ、今日はすっごく飲みたい気分だから、進んじゃうわぁ。」

皐「また振られたか」

知唯「っ、あ、相変わらず鋭いわね皐。」

皐「『突然の予定確認』『いつもの時間と場所』『飲みすぎても良いようにお酒が水割り』
   ここまで定型化しているとさすがに鋭くなくても気付きます」

知唯「ええそうよ!振られたわよもう!どうせまたですよぉーだ!(酒を飲む)」

皐「むしろ告白する前に別の男、たぶんチャラチャラしてる見た目も中身も微妙な男に
目の前でその女性を連れて行かれたと」

知唯「皐ってエスパー?ねぇエスパーなの?なんでそこまでわかっちゃうの!?」

皐「そりゃあ・・・・・さっきの呟きから察するに、第三者の男が絡むとは想像できた。
   そして、チイちゃんが急に飲みに誘う時は大抵失恋した時であって、
   『ろくでもない男』と言えば以前チイちゃんがチャラ男に絡まれたって言う話を
   覚えていたものでそこから超ヒモ理論を展開してみたらそんな推測が」

知唯「OK、もういいわ。とってもよ〜くわかったから。皐はただのエスパーだわ。」

皐「うん?」

知唯「(軽く溜息)」

皐「今度はどんな人?」

知唯「え?」

皐「告白しようと思ってた相手の女性」

知唯「あぁ、黒髪ロングであんまり遊んでなさそうな子だったんだけど、見た目は。」

皐「見た目、は。」

知唯「清楚な感じしたから、ちょっとず〜つお近づきしようって思ってたんだけどね?
   こないだの飲み会の帰りに・・・くっ・・・・うぅ・・・・・!!!(酒を飲む)」

皐「飲み会の帰りにタクシーで一緒に帰ろうかと思って誘おうとしたが、
   現れた第三の男がおそらくその子の彼氏だったらしく連れ去られた、と」

知唯「しかも超仲良くベタベタしちゃって!あんなチャラチャラした男!!!
   間違いなくヒモ体質だわ!あと浮気性!アタシの方が絶っっっ対にいい男よ!」

皐「オネエだけどね」

知唯「オネエでも男よ!」

皐「そうなんだよね」

知唯「かなり慎重に行ってたのに、前回とは違うタイプの女の子だったのに!
   告白すらできなかったとかぁああああああああ!(突っ伏して号泣)」

皐「罵倒されずに済んでよかったね。前回は酷い言われようだったみたいだし」

知唯「金髪ウェーブの派手めの子だったもの、言葉もキツかったわよ。
   ネイルやってる子は完全に男たらしだったし、
   ぶりっ子はアタシの方から論外。
   妹系かな〜って思ってたらただのブラコンで、
   ちょっと年上に目をやってみれば金の亡者・・・・・・はぁ。」

皐「ただでさえ一般男性に比べてチイちゃんは恋愛のハードル高いのに。」

知唯「アタシだって・・・アタシ、だって・・・・・!(泣)」

皐「芸能界とかで活躍しているオカマさんたちのせいで、
   大抵オネエ系と呼ばれる属性を持つ男性は同性愛者というイメージが強いよね」

知唯「アタシは女の子大好きだもん・・・・・男なんてクズばっかじゃない!」

皐「チイちゃんも男です」

知唯「ぐっ・・・・・」

皐「まぁ、チイちゃんの場合は、兄弟がね」

知唯「それね・・・兄貴はデキ婚した上に浮気相手二人も妊娠させて、
   弟は性欲を持て余して実家でもお構いなくヤリ放題してた挙句腹上死したし」

皐「そんな兄弟に挟まれて、男という性を意識することに苦痛を感じない方が奇跡かと」

知唯「『アタシだけは違う』って強く思おうとしたこともあったわよ?でも無理だった。
   兄貴や弟みたいに男らしく振る舞うのが嫌で嫌で嫌で仕方なくて気持ち悪くて。
   んで可愛い女の子大好きすぎて、気づいたらこれで安定してたわよ。」

皐「そしたら男好きって言われ始めて」

知唯「なぜか女の子からも距離置かれ始めて・・・・・うぅ!(泣)」

皐「少なくとも恋愛的に見てくれる女性は限りなく減ったよね」

知唯「腐女子ばっかりよ!寄ってたかってくれるようになっちゃったのは!!!
   アタシが好きなのは女の子!男じゃない!アイアムノーマル!ノットゲイ!」

皐「黙っていればイケメンなもんで、一目惚れはよくされるんに」

知唯「口を開いた途端に距離を置かれたり嫌われちゃったりしたわよ、えぇ。」

皐「え、ガッツリ嫌われたの?」

知唯「アタシがオネエって知った女性社員に呼び出されたかと思ったら、
   『あなたゲイだったのね!最低!偽装結婚なんてゴメンよ!』とか叫ばれたわ。」

皐「名誉棄損ですね」

知唯「速攻で理解ある社長に説明したからアタシはセーフ、その子クビになったけどね」

皐「それでも女の子は」

知唯「寄って来ない」

皐「男性社員には」

知唯「一部には微妙に距離を置かれ、一部は普通の同僚として扱ってくれ、
   一部にはかなり喜色満面な笑みを向けられるようになったわ。」

皐「つまり?」

知唯「意外と周りにはノーマルそうな顔してソッチ系が多いって知って戦慄」

皐「世間は狭いね」

知唯「そうね・・・・・はぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」

皐「ところでチイちゃん」

知唯「ん?なぁに皐」

皐「いつも聞こうと思ってたけど特に聞かなくても困らないから聞き忘れてたことが」

知唯「聞き忘れてた?何を?」

皐「チイちゃん、なんでいっつも私を飲みに誘うの?」

知唯「え?」

皐「他にも女の子はいるし、理解ある同僚もいるのに、
   わざわざ在宅で働いてる私にスケジュールの確認とって飲みに誘うもんだから」

知唯「あ〜・・・・・」

皐「確かに在宅だから割とスケジュール調整がしやすいのも事実だけど、
   在宅が楽ばっかりじゃないことはチイちゃんもよく知ってるはず。
   だから、私が暇そうだから誘う、という選択肢は排除される。
   それに、私のスケジュールを気にするのであればお酒を持参してうちにくればいい。
   ご飯も食べれるし、泊まればタクシー代要らないし。」

知唯「ま、まぁ、皐の家で飲めばメリットは多いわね、うん。
   けどその、成人したからこそ一人暮らしの女の子の部屋に入るのは・・・・・」

皐「独身ですし」

知唯「彼氏は?」

皐「いないし」

知唯「っ、あああああああのねぇ皐?
アンタ女の子なんだから、ちょっとは貞操的危機と言うものを・・・」

皐「?・・・ん〜・・・・・・ん?」

知唯「だから、さっきから言ってるけど、アタシも男なのよ!?」

皐「存じております」

知唯「酔った勢いで襲っちゃったりなんてしちゃったりしたらどうすんの!?」

皐「むしろチイちゃんの理性を吹っ飛ばせるほどの魅力が私にあると?」

知唯「大アリよ!」

皐「初耳です」

知唯「あっ・・・・・とと、とにかく!女の子の家に男が飲みに行くとか、危ないの!」

皐「どういう意味で?」

知唯「だーかーらー!・・・・・・はぁ。」

皐「ん〜・・・・・ウチに猫はいないよ?」

知唯「いや危なくないでしょ猫は」

皐「こないだ猫カフェ見かけた時に悲鳴あげてたから、てっきり怖いのかと」

知唯「喜びの悲鳴よ・・・・・むしろアタシかなりの猫好きよ・・・・・」

皐「にゃにゃ〜ん」

知唯「はぁ。(苦笑しつつ)・・・やっぱり皐といると落ち着くわね。」

皐「ん?」

知唯「アタシってば昔、すっごくグレてたじゃない?オネエ気質のせいでイジメられて。
   もうホント人間不信になっちゃうかも〜ってぐらいにはヤサグレてたわ。」

皐「先生ですら恐れるくらいには」

知唯「でも皐。そうは言ってるけど、アンタからよ?アタシに話しかけてきたの。」

皐「そうだっけ」

知唯「ホントホント。あの頃はつい悪ぶっちゃってよく当たり散らしちゃったけど、
   なんだかんだで嬉しかったのよね。
   こんなアタシでも、特に色眼鏡使うわけでもなく普通に接してくれて。
   皐と話していられる間は変に気を負う必要がないからかしらね、落ち着くのよ。
   愚痴でも泣き言でもたわいもない世間話でも、な〜んでもいい!
   話の相手が皐なら、アタシはそれで。」

皐「高校はなかなかの修羅場でした」

知唯「確かに、かなりグレてたわぁ!皐にも迷惑かけちゃったわね。」

皐「あの時犠牲になったパンケーキの恨みは忘れない」

知唯「ま、まだ覚えてたのね。アタシがテーブル叩いて落としちゃったこと」

皐「愚問」

知唯「ここ、今度おごってあげるから、許して?」

皐「3段重ねのヤツ、3つ」

知唯「わかった、3段重ねのヤツを3つね。」

皐「よし。」

知唯「クスッ、皐はホントパンケーキ好きね。可愛い♪」

皐「美味しい」

知唯「そう。あ、次の休みいつ?今度希望休もらうから、昼からでもどう?」

皐「ん・・・・・ん〜・・・・・来週木曜日、午後1時。」

知唯「おっけ〜、そこの希望休もらってくるわ!久々に皐とお出かけね!」

皐「・・・デート?」

知唯「え!?」

皐「違ったか」

知唯「ちょま、さ、皐!?今聞き捨てならない単語が聞こえたんだけど!?」

皐「ふらつく足でつい立ち上がっちゃうほどビックリ?」

知唯「大丈夫、ここのマスターの水割りは殆ど水だから、さほど酔ってないわ。
   ってそうじゃなくて!」

皐「ん?」

知唯「その・・・・・今、デートって、言ったじゃない。」

皐「うん」

知唯「それはその、その・・・・・さ、つきの、こと、バッチリ女の子扱いするわよ?」

皐「うん」

知唯「即答!?て、ててて、手つないだりするわよ!?」

皐「うん」

知唯「恋人繋ぎ強要するからね!?」

皐「うん」

知唯「万が一っ、職場の同僚とかと遭遇したら、か、か・・・・・」

皐「か?・・・ん〜・・・・・・飼い主?」

知唯「待って、凄く違うから」

皐「あれ?」

知唯「(咳払い)だから、アンタをアタシのか、彼女として紹介しちゃうわよって!」

皐「うん」

知唯「いや、うんって・・・・・・いいの?」

皐「いいよ」

知唯「アタシの彼女よ?」

皐「うん」

知唯「ちゃんと考えて言ってる!?いつもしっかり考えるのに即答してるけど!」

皐「チイちゃんがオネエ口調であることに差支えも不快感もないし、
   最低限以上に一通りの家事が出来て仕事も出来て貞操観念もしっかりしてるし、
   自棄(やけ)を起こしてお酒に呑まれたり不貞を働いたりしないし。
   不動明王などというあだ名をつけられるぐらい表面的な感情が動かない私に対して
   悪い意味での偏見を持つどころかむしろ理解してくれてるし、
   未だに交流持ってくれてるし、引きこもりがちな私を外に連れ出してくれるし。
   良好な関係にあるチイちゃんと交際する上で発生するデメリットと言えば、
   呼び方を変えなきゃいけないことぐらいだと思ってる」

知唯「ヤバイ、思ったよりしっかり考えてた・・・・・
   皐っていつも、考えてないようで考えてるからしょっちゅう驚かされるわ。」

皐「どやぁ」

知唯「というか、呼び方変えなきゃいけないって何?それデメリットになる?」

皐「うん」

知唯「Why?」

皐「チイちゃんは友人としての呼び方。彼氏になったら別。
   そして別の呼び方を考えるという手間が発生するからデメリット。」

知唯「それだけ!?」

皐「うん」

知唯「いやむしろそれがデメリットって・・・・・」

皐「ん〜、チイちゃん・・・ともただ・・・トモちゃん?」

知唯「どうしてもちゃん付けがいいの?」

皐「呼びやすいかなって」

知唯「せめてトモくんじゃダメ?」

皐「言いづらい」

知唯「アッ、ハイ。(小声)呼び捨てという選択肢はないのかしら・・・・・・」

皐「ん〜、やっぱりチイちゃんが呼びやすい。」

知唯「だったら呼び方変える必要ないじゃない。
アタシのことチイちゃんって呼ぶの、皐ぐらいだし。

皐「えっ、そうなの?」

知唯「気づいてなかったの!?」

皐「職場事情は知らんとです」

知唯「いやあの、ほぼ男だらけの中でチイちゃんなんて呼ぶ野郎がいたら殴ってるわ」

皐「わ〜ぉ」

知唯「って、すっかり話流され気味なんだけど、皐はアタシの・・・その・・・・・
   か、彼女、ってやつに、なってくれるの?」

皐「うん」

知唯「こちとらっ、本気と書いてマジで言ってるのよ!?」

皐「本気と書いてマジで答えてます」

知唯「・・・・・今から家に行きたいって言ったら?」

皐「泊まるぐらいなら」

知唯「手ぇ出すわよ!?」

皐「チイちゃんヘタレだからたぶんハッタリ」

知唯「うっ・・・・・・なんか、想像以上にサックリ交際決まっちゃうと、
   逆に怖気づいちゃうわね。」

皐「ん?」

知唯「アタシから見たら、アンタはハードル高いのよ。ぶっちゃけ高嶺の花。」

皐「身長は高くありません」

知唯「そう、ね。154?」

皐「惜しい。153」

知唯「ニアピン・・・って、また話脱線しちゃった。
   (軽く咳払い)皐は可愛いし、学生時代も頭良くて運動も出来て、
   目上の人に媚び売りも尻込みもしないし、アタシにも普通に接してくれるし。
   ・・・・・数少ない理解者だったから、下手に失いたくなかったのよ。」

皐「友達?」

知唯「そ。友達って言う関係に甘えてたの。そしたらズルズル交流続けてられたし」

皐「うん、やっぱヘタレ」

知唯「ちょっ」

皐「チイちゃんはヘ〜タレ、ヘ〜タレッレ〜」

知唯「ヘタレヘタレ連呼しないで!これでもちょっと自覚あるから!(泣)」

皐「あるんだ」

知唯「えぇおかげさまで(泣)」

皐「よしよし」

知唯「あぁもう!(グラス一気飲み)マスター!これ今日のお代!連れの分も!」

皐「あ」

知唯「皐!今日はアンタんち泊まるわ!
こうなったらアタシがヘタレじゃないって証明してあげるわよ!」

皐「お?」

知唯「家に行っていいって言ったのはアンタだからね?
  男を泊めるんだから、大人しく寝られるとか思うんじゃないわよ!?」

皐「あ〜・・・・・チイちゃんが酒に呑まれた。」

知唯「呑まれてないわよ!ほら、タクシーも来てるから!覚悟しなさい皐!」

皐「は〜い」

知唯「全く。たっぷり愛してあげるわよ。キス程度じゃ済まさないから。」

皐「うん」

知唯「いっぱい、い〜っぱい、恥ずかしいことらって、するんらから・・・」

皐「呂律回ってないから、早く家行こ。転ぶよ?」

知唯「そ、それは、マズイ・・・・・この前アザ作っちゃったし・・・・・」

皐「肩掴んでていいから」

知唯「えぇ、借りるわ。」

皐「ん〜・・・・・・あ、チイちゃんチイちゃん」

知唯「なぁに?」

皐「ちゃんと覚えててね」

知唯「?」

皐「パンケーキ」

知唯「!・・・クスッ、はいはい。」



End.





〜誰が決めたよそんなこと〜
どうも、犯人です。
思い立ったが吉日・・・・・なんて誰が決めたんでしょうね(´ω`)←
オネエという属性から沸き立つ固定概念やら偏見やらをちょっとだけ崩した結果です。
むしろ皐ちゃんが強すぎて何度作者が腹筋に電流を走らせたことか(震え声)
俺の妄想する日常はやっぱり非日常ですが、よかったらどうぞ。
		






   
 台本まとめに戻る     TOPに戻る


PAGE TOP

Copyright © 2012 ほにゃららら。