僕と私のモノローグ


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<登場人物>
男:
 僕。彼女に一目惚れした少年。快活で人気者で、少しだけ勇気が足りない。

女:
 私。彼に思いを寄せる少女。物静かで一人きりで、怖がりで孤独。本が好き。





※青が男、赤が女、斜体文字は二人で言う部分です。また、文字色の関係上、デフォルト背景推奨です。
!━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━!



『傍にいたいだけ。』

僕の願いは、ただそれだけだった。
いつも一人きりで、教室の隅っこで本を読む彼女。
初恋は、一目惚れでした。


『指が、離れた。』

人付き合いが嫌いな私は、本から手を離すことなんてなかったのに。
放課後の図書室、窓際にある椅子に座っていたら、
外から体育系の部活の掛け声だとかが聞こえてきて。
たくさんの友人や仲間に囲まれる彼に、私は見惚れていた。


『見つからない。』

教室中、学校中をどれだけ探しても、彼女が見つからない。
最初は学校を休んだのかと思ったけど、出席簿にある彼女の名前のところに、
欠席の印はなかった。
学校に来ているはずの彼女。
もしかして、気づかれてしまったのだろうか。
人嫌いな彼女に、僕が思いを寄せてしまっていることを。


『ガラス越し。』

それが、彼を見るための精一杯だった。
直接視線を合わせることは怖くて、私は教室から逃げた。
すると、廊下で同じクラスの女子数名が私を囲み、こう告げた。
「自惚れるな」「調子に乗るな」「お前は邪魔だ」と。
私が彼に恋心を寄せてしまってはいけないのだろうか。
答えは・・・・イエス以外に、残っていない。


『涙の理由。』

友達から聞いた話。
彼女が、図書室で泣いていたらしい。
理由はわからないけれど、涙を流していたのは確かだとか。
物静かで大人しい彼女に、何があったんだろう。
僕の知らないところで、彼女はどれだけ傷ついているんだろう。
一刻も早く彼女に会いたかった。
でも、僕が彼女の涙の理由を聞けるタイミングなんて、ありはしなかった。


『平行線。』

私と彼の距離は、縮まることを知らない。
私と彼が、どこかで出会うこともない。
ずっと真っすぐ、ただお互いがそれぞれの道を進んでいるだけ。
私は、彼を好きになってはいけないんだ。
人気者で、たくさんの人に愛される彼に、恋心なんて・・・抱いてはいけないんだ。


『痛み。』

今まで知らなかったもの。
心を押し潰されるような、鈍痛にも似た、そんな感覚。
僕はどうしても、彼女に会わなければいけない気がした。
教室から逃げるように図書室へ向かう彼女を追う。
人気(ひとけ)のない図書室に入った彼女にやっと追いついて、
僕は彼女に思いを告げた。


『嘘つき。』

彼の、恋の告白のような言葉に、私はそう告げてしまった。
自惚れてはいけない、そう言われていたから。
私が彼に好かれることなど、ありえないことだと。
信じたくないわけではないけれど、彼を信じられないわけではないけれど。
今の私には、彼の言葉を信じられるための手段が、見つからなかった。
どうして、こんな酷い事を、言ってしまったんだろう。


『からまわり。』

唐突に口にしてしまった告白は、彼女の心には届かなかった。
どうにかして伝えたい、僕の思いを、彼女に。
どうすればいい?どんな言葉を紡げばいい?
ねぇ、君は、どうすれば・・・笑ってくれる?
君に苦しい顔をさせないために、僕に何ができる?


『教えてよ。』

彼に聞いたって、わかるわけないのに。
自棄になって、思わずそんな言葉をぶつけてしまった。
私が誰かの前で笑うなんてこと、考えたことも無かった。
だから、「どうすれば笑ってくれる?」なんて聞かれても、答えられなかった。
むしろ、私が笑顔になれる方法を教えてほしかった。
私にできることといえば・・・好きな人の腕から、逃走を試みることだけ。


『抱き締めちゃだめ。』

今彼女を抱きしめてしまったら、きっと本格的に嫌われてしまう。
拒絶されている僕が、彼女に触れる事すら危ないというのに。
大好きな人を、この腕に抱くことすら、僕には許されない。
・・・そんなの、嫌だ。


『真実の欠片。』

彼から垣間見えた気がした、彼の本当の思い。
あなたは、本当に私を、好きだと言ったの?
あなたの心から、私を好きになってくれたというの?
私は・・・あなたを好きでいても、いいですか?


『耐えられない。』

そう言って僕は、ついに彼女を抱きしめた。
急な出来事に彼女は驚いているようで、抵抗の手も悲鳴も上げられない。
僕は君が好きだ。
この思いだけは、誰にも譲らせないし、誰にも否定させない。
君がいつか笑ってくれることを、苦しまなくてもいい時が来ることを。
僕はずっと、この思いと共に願い続ける。


『残り香。』

いや、残り香もあるけれど、ぬくもりと感触も、残っていた。
もう彼に抱きしめられていないし、彼は図書室にいないのに。
とてもあたたかくて、優しいぬくもり。
とっても、安心できた。
苦しかったものが、全部持っていかれてしまったような、そんな感覚。
私は、何を怖がっていたんだろう。


明日、彼女になんて言おう?
顔を合わせる事すら、少しだけ怖い。
でも、ちゃんと言わなくちゃいけない。
勢いに任せるんじゃなくて、真っすぐ、彼女を見て言わなくちゃ。


伝えなきゃ、私の思い。
彼は、私に教えてくれたんだから。
いつまでも臆病風に吹かれていちゃいけない。
目を逸らさず、彼を見て、言わなくちゃ。


『これが、最後。』



The End.





〜ハァイ!御託です!〜
どうも、犯人です。
創作お題というものに挑戦してみたくて触ってみたら1つの作品になってしまいました。
お題の用法間違ってる、絶対間違ってるorz
劇というよりは二人朗読って感じになりましたが、よかったらどうぞ。


お借りしたお題のあるサイト様→ http://box.usamimi.info/
		






   
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