【M】asochistic 【C】ouple!


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※タイトルは、「マゾキスティック・カップル」と読みます。

<登場人物>
那月(なつき):
 傍観者。困惑や衝撃に耐えながら、見た光景でニヤニヤしたり実況したりしてる。
梨帆(りほ):
 彼女。ちょいツンデレ。恥ずかしくて顔が真っ赤。ヒール履いてる。
春樹(はるき):
 彼氏。ちょいM。梨帆が大好きで外でもイチャイチャしたがる。天然。





※【】:一人語り / 「」:通常セリフ / [ ]:情景描写(セリフじゃありません)
!━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━!



[1日目。那月が電車を降りて自動改札を通る。]

那月【最近、面白い光景を見るようになった。
   バイト帰りになると大抵見られる、とあるカップルのやり取り。
   今日も今日とてやってくれていた。】

梨帆「っ、バカ!バカバカ!恥ずかしいから抱き寄せんなって言ってんでしょ!?」

春樹「だって!梨帆ちゃん可愛いから、抱き寄せてないと悪い虫が寄ってくるじゃん!」

梨帆「ああああああのねぇ!そういうこと大声で言わないで!」

那月【あ〜、今日もやってるぁ、あの二人。
   この時間にこの駅で降りると90%ぐらいの確率で目撃する。
   ここ数回目撃した限りでは、外でもイチャイチャしたい彼氏と、
   恥ずかしいからやめろと顔を真っ赤にして拒否してる彼女だ。
   決して仲が悪いようには見えないし、ストーカーであれば捕まってる頃だろう。
   通算22回目の目撃だからな、間違いない。】

春樹「あ、ねぇ梨帆ちゃん。荷物持ってあげる」

梨帆「え?別に、これぐらい・・・」

春樹「いいから、ね!」

梨帆「のわっ、ちょっと!」

春樹「えへへ〜、はいっ」

梨帆「?」

春樹「手、つなご?」

梨帆「なっ!?」

那月【天然なのか、はたまた策士なのか、恐るべし彼氏サイドの猛攻。
   恋人らしく振る舞うのが恥ずかしいのか、彼女サイド、硬直入りました。】

春樹「ほ〜ら、梨帆ちゃんっ」

梨帆「つ、つつつ、つ、繋がないっ!は、早く行くわよっ!」

春樹「あぁ!待ってよぉ〜!」

那月【あ、逃げt・・・・・もとい行ってしまわれた。
   今日も実にニヤニヤできる光景を見せてもらった、うまうま。
   あとでツイッターにでも呟こ、そうしよ。】



間。



[翌日、再び駅。]

梨帆「春樹〜!こっちこっち!」

那月【あれからおよそ24時間後、はい再び同じ駅。
   今日も目撃しちゃいました、彼女こと梨帆さんと、彼氏こと春樹氏のカップル。
   本来なら独り身ゆえ「リア充爆発しろ!」とでもいえばいいと思うんですが、
   こう目の前にニヤニヤできるものがあると、不思議と言えないもんですね。】

春樹「梨帆ちゃ〜ん!むぎゅ〜!」

梨帆「ひゃあっ!?ちょちょ、ちょっと!いきなり飛びつかないでよ!!!」

春樹「ん〜梨帆ちゃん充電チュ〜♪」

梨帆「んむっ!?」

那月【おぉ!春樹氏、大胆にもその場で梨帆さんに熱〜い接吻を敢行!
   さて、梨帆さんの反応は!?】

梨帆「っは・・・・・こ・・・こ・・・・・・!」

春樹「こ?・・・ぃだだ!?」

梨帆「こんのバカ!クズ!変態!
   公衆の面前でキスするなっていつも言ってるでしょ!?」

春樹「いだ、だっ!?梨帆ちゃんが可愛いから、我慢できなかったんだもん!」

梨帆「我慢って何!?ざけんな!死ね!」

春樹「死なないよ!死んだら梨帆ちゃんが泣いちゃう!」

那月【なんだこの楽しいやり取り、もとい壮絶な光景は。
   というか梨帆さん、さすがにヒールで蹴るのはヤバい、見てるこっちが痛い。
   でも、春樹氏がちょっと嬉しそうに見えるから、傍観者は動きません。】

梨帆「ぜぇ・・・ぜぇ・・・もう、外でイチャつくの禁止っ!」

春樹「ま、待ってってば梨帆ちゃぁ〜ん!」

那月【そして春樹氏は、梨帆さんの後を必死で追いかけるのであった。・・・続くよ。】



間。



[さらに翌日、駅近くにあるスーパーにて。]

那月【そしてそしてそのまた18時間後。
   今度は休日の昼過ぎですってよ奥さん・・・奥さんって誰だ?まぁいいや。
   いつも使っている駅の近くにあるスーパーへ食糧調達に行ったところ、
   なんと梨帆さんと春樹氏カップルを目撃!
   仲良く手をつないで買い物中でした。】

梨帆「あ、よかった!まだ安売りの卵残ってた!」

春樹「やったね!今日はオムライス?」

梨帆「ううん、それは明日。今晩はハンバーグ。」

春樹「梨帆ちゃんの手作りハンバーグ!」

梨帆「最近作ってなかったからね〜、煮込みハンバーグ。」

春樹「わ〜い♪」

那月【なるほど、会話から察するに、夕飯の食材を買いにきた模様。
   春樹氏の左手にはカゴ、右手には梨帆さんの手。
   カップルが手をつないで仲良く買い物とは、なんと微笑ましい光景か。
   傍観者那月はほんわかして眺めておりました・・・・・が。】

春樹「そういえば、梨帆ちゃんのお菓子、最近食べてないなぁ・・・・・」

梨帆「なんか言った?」

春樹「梨帆ちゃん、ケーキ食べたい!」

梨帆「えぇ!?じゃ、じゃあ、近くのケーキ屋さんで・・・」

春樹「(食い気味に)梨帆ちゃんの手作りがいい!手作りじゃなきゃヤダ!」

梨帆「ふぁっ!?」

春樹「ほら、前に作ったチーズケーキ!美味しかったから、アレが食べたい!」

梨帆「ちょまっ、待ちなさい!今日は夕飯の買い出しに来たわけで・・・!」

春樹「どうしても・・・・・ダメ?」

梨帆「〜〜〜〜〜〜、お、お預け!」

春樹「ひぃんっ!」

那月【あ、お預け入った、春樹氏残念。
   甘やかすわけにはいくまいと、今回は心を鬼にしたらしい梨帆さん。
   しか〜し、傍観者那月は見逃さなかった。
   春樹氏から顔を背けつつ、ちょっぴり罪悪感に打ちひしがれている梨帆さんを。】



間。



[数日後、またまた駅にて。]

那月【時は過ぎまして、クリスマスイブ。
   バイト先で頂いたケーキを持って改札を通ると、
   ちょうど梨帆さんと春樹氏を目撃した。
   リア充がキャッキャウフフでテンションアゲアゲな日、
   何も起こらないなんて認めませんよ断じて!】

春樹「えへへ、梨帆ちゃん♪メリークリスマス!」

梨帆「め、メリークリスマス・・・」

那月【あぁん、やっぱり梨帆さんはちょっぴり恥ずかしそう。
   すでにほんのり赤面なうです。】

梨帆「春樹、ちょっと屈んで」

春樹「?なんで?」

梨帆「い、いいから屈め!」

春樹「わわわっ」

那月【おおっと〜、ここで梨帆さんが春樹氏の襟首を掴んで屈ませました。
  一体何をしようというのでしょう?
  と、持っていた紙袋に手を突っ込んで・・・?
  ああああああれは!】

梨帆「よい、しょっと。」

春樹「ん〜・・・マフラー!あったか〜い!」

梨帆「そ、そう?よかったわね。」

春樹「梨帆ちゃんが編んでくれたの?」

梨帆「っ、そ、そう、なんじゃないの?
   かか、買ったものなら、もっといい毛糸とか、使ってると思うしっ!」

春樹「ありがとう梨帆ちゃん!大好き!」

那月【なるほど、梨帆さんは手編みのマフラーをプレゼントしたらしい。
   いいな〜、手編みって心がこもってるのバレバレで。
   都市伝説かと思ってたくらいだよ、手編みのマフラーをプレゼントする彼女さん。】

春樹「じゃあ俺からは・・・・・はい、プレゼント☆」

梨帆「え?あ、ありが、と。(渡された箱を見つめる)・・・開けても、いい?」

春樹「うん!」

梨帆「ん、と・・・(箱を開ける)・・・・・こ、これ!」

那月【んん?なんだなんだ?春樹氏は何を梨帆さんに渡したんでしょう?】

春樹「先週デートした時、ペアリング作るのに一緒に指のサイズ測ったでしょ?
   あの後、こっそり同じお店で作ってもらったんだ♪」

梨帆「ちょ、ま・・・これ・・・・・嘘・・・・・・」

那月【梨帆さんがいつになく衝撃を受けているし困惑してる。
   梨帆さんの手には、手のひらサイズのコンパクトな箱。
   ・・・ということは?】

春樹「(軽く咳払い)・・・梨帆ちゃん。愛しています。俺と、結婚してください。」

梨帆「!!!!!」

那月【キタぁあああああ!聖夜前夜のサプライズぅぅぅうううううううう!!!
   漫画やドラマではプレゼントに婚約指輪だなんてよくある話かもしれないが、
   さすがにリアルにこれはヤバい!超アツい!いろいろアツい!
   え?お前らの世界は俺らにとって二次元だ?
   ちょっと何言ってるかわかんないですテヘペロ☆】

梨帆「ぁ・・・だ・・・・・!」

春樹「梨帆ちゃん?」

梨帆「だだ、大事にしなかったら、承知しないからっ!!!/////////////」

那月【梨帆さん!最後までツンデレすぎます!本当にアリガトウゴザイマス!!!】

春樹「梨帆ちゃん・・・梨帆ちゃん!好き、愛してる!」

梨帆「ばっ、おおお大きい声で言わないで!」

春樹「梨帆ちゃんは、俺のこと好き?」

梨帆「へ!?そ、そりゃ、す、す・・・」

春樹「す?」

梨帆「〜〜〜〜〜〜!す、好きだバカっ!!!」

春樹「!り・・・梨帆ちゃぁ〜ん!!!」

梨帆「きゃあっ!?だ、だからいきなり抱きつくなって・・・んんっ!?」

那月【うっは〜、またも春樹氏からの強引な接吻が・・・・・って、
   これってもしかしてまた同じパターン入っちゃうんじゃ・・・・・】

春樹「あいだぁっ!?」

那月【ほらやっぱり。ヒールで足蹴にされておりますなう。】

梨帆「クズ!このクズ!だから外でキスすんなって!何度も、言ってるのに!!!」

春樹「い゛っ!?いだいっ!く、クズってもっかい言って!」

那月【あ〜ダメだありゃ、完全に春樹氏が梨帆さんに踏まれちゃってます。
   梨帆さん、やっぱヒールは痛そうですよ?うんマジで。
   ・・・・・春樹氏はものすごく喜んでるようにしか見えないんですが!
   『クズ』と呼ばれて喜んでる時点で人間としてアウトな気がしますけど!?
   アンコール頼んでる時点でドM認定してもよろしいでしょうか!?
   あ、答えは聞いてません。」

梨帆「はぁ、はぁ・・・もう!」

春樹「え、えへへへ・・・・・」

梨帆「はぁぁぁぁぁ・・・・・・あら?ナッちゃんじゃない!」

春樹「え?あ、那月!バイト終わったの?」

那月【あ、やべ、バレちった。
   えぇそうです、実は傍観者那月は、このカップルと面識があります。】

梨帆「それなぁに?・・・・え、ケーキ!?バイト先で、もらった?」

春樹「クリスマスケーキかぁ。チョコでできたサンタさん乗ってるの?
   ・・・ホント!?俺食べたい!」

那月【何せ大きいサイズのケーキを頼んできたからな。
   みんなで食べられることは間違いない上、
   サンタチョコとか苺とか本来ついていないものを追加しちゃったのは黙っとく。】

梨帆「・・・・は、春樹はダメ!ナッちゃんのケーキ食べちゃ!」

春樹「えぇえええええ!なんでぇ!?」

那月【お?ここで梨帆さんからケーキストップがかかった。
   『ナッちゃんのケーキ』って指定されたのが気になる。】

梨帆「そ、それは・・・・・う、うちに帰ったら、ケーキあるからよ!」

春樹「ほぇ?ケーキ、買ったっけ?」

梨帆「〜〜〜〜〜〜〜!作ったの!察しろこのクズ!」

那月【春樹氏、せめて傍観者那月よりももう少し察しついてください。
   こちらはもう3歩ぐらい先まで察しちゃってるんだからさぁ。】

春樹「梨帆ちゃんが作ったケーキ!?」

梨帆「そうよ!春樹が言ったんでしょ!?『チーズケーキ食べたい』って!」

春樹「あ・・・覚えててくれたんだ。」

梨帆「わわ、忘れてた方が、よかった?」

春樹「ううん!むしろ覚えててくれて嬉しい!ありがとう梨帆ちゃん!」

梨帆「だだだだだからナッちゃんの前でもイチャつくなああああああああ!!!」

那月【・・・ホント、仲のいい平和なカップルだ。
   と、傍観者那月は、改札通る前の自販機で買ったホットココアを啜りながら思った。
   本日も、我が兄とその彼女さんにはニヤニヤさせて頂きました、うん。
   梨帆さんが兄嫁になる日も、そう遠くないんだろうな〜。
   ハッ!そしたら毎日ニヤニヤできんじゃね!?
   うっしゃ!今年のクリスマスはラッキーだった!
   あ、一応これだけ言っておこう。
   Merry Christmas(メリークリスマス)!
   P.S. 『クズ』ってもっかい言ってもらえてよかったね、我が兄よ。】



End.





〜【M】erry 【C】hristmas!〜
どうも、犯人です。
絶賛遅刻のクリスマス台本、いかがでしたでしょうか?(震え声)
え?俺のクリスマス?んなもん「滅入り苦しみます」だよ文句あるか!ヾ(`Д´)ノ
ぼっちはボッチらしくPCが恋人なんですよ〜だ、やーいやーい(`;ω;´)
そんなこんなで、イベント事にやはり弱いままですが、よかったらどうぞ。
		






   
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