Arc Jihad(アークジハード) -舞うは破壊の弾丸-
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<登場人物>
[アガーテ・クラインハインツ]♀
表記:Agathe Kleinheinz
年齢:(当時)25
詳細:快楽主義者の戦闘狂。
年齢の割には知能が低く、魔弾の影響により罪悪感が欠如している。
戦うことに快楽と楽しさを見出している上、躊躇いがないため非常に凶悪。
[ルシファー(ルキ)]♂
表記:Lucifer
年齢:(外見)20代後半
詳細:魔弾『フライクーゲル』の担い手。
契約者を罪へ誘う体質を持ち、これに耐えられる者を探して契約を繰り返している。
物静かで常に無表情だが、どこか悲しい雰囲気を纏っている。
魔剣の能力:射出した魔弾をコントロールする(代償:1発ごとに消費、継続可能時間63秒)
魔弾に触れた人間を一時的に支配する(代償:継続可能時間63分)
※ルキの能力:血を与えることで、万物の傷を瞬時に癒す
[オキサカ・ミツクニ]♂
表記:沖坂 光邦
年齢:27
詳細:剣道場の家系に生まれた男。現役警察官でもある。
正義感が強く、聖剣・魔剣を用いた犯罪を主に取り締まっている。
『ミスティオン』に所属しており、宗茂とは主従関係。
[タチバナ・ムネシゲ]♂
表記:立花 宗茂
年齢:(外見)40代半ば
詳細:名刀『波遊ぎ兼光(なみおよぎかねみつ)』の担い手で、光邦の契約者。
主君へ忠義を尽くすことを第一と考え、光邦に忠実に従う。
自分の刀や腕に自信を持ち戦闘中も堂々としているが、稀に慢心を零すことがある。
名刀の能力:斬撃ヒット時にラグを発生させる(任意)
※Auf Wiedersehen:アウフヴィーダーゼーン/(ドイツ語で)さようなら。
!━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━!
[高い廃ビルの屋上。光邦が、自分のいるビルより低いビルの屋上を眺めている。]
宗茂「光邦殿、あれが次なる魔剣の・・・?」
光邦「そういうことになる。アメリカ支部から来た男が言っていた、
魔弾の射手(しゃしゅ)というやつだ。
真っ向から相手にしてはいけないと忠告を受けている。」
宗茂「では、どうなさるおつもりで?」
光邦「今は様子見だ、奴に目を付けられたら魔弾にやられる。
・・・だが、アレを放置したくはないな。」
宗茂「最近目を通していた書類は、もしやかの者の?」
光邦「あぁ。あの女の犯罪は日本だけで数十件ある。
適合者だけでなく、金銭や武器の奪取を目的とした殺人も数知れない。
惨劇の連鎖は、ここで断つ。」
宗茂「承知した。では、どのように?」
光邦「裏をかくぞ。相手は飛び道具、決して油断するな」
宗茂「御意。」
光邦「・・・・・それにしても、嫌な天気だな。」
間。
[低い廃ビルの屋上。アガーテが機嫌よく武器の整備をしている。]
ルキM「アガーテと契約して、もうどれほど魔弾を使ってきただろう?
この日本という国に来てからも、すでに100発は撃ったはず。
そのうち、俺が引き金を引いたのは・・・・・1発もない。」
アガーテ「♪〜♪〜、おニューの銃はやっぱ格別よねぇ♪
前のデリンジャーも良かったけど、引き金重すぎて使いづらかったしぃ?
まぁ持ち運びには便利だったかなぁ〜。
で・も、威力と速度を稼ぐにはオートマチックぐらいは使わないとねん♪」
ルキ「・・・アガーテ。」
アガーテ「ん〜?なぁにルキ?」
ルキ「お前はなぜ、その引き金を引く?なぜ人を殺す?なぜそれを、快楽と捉える?」
アガーテ「ふふっ、珍しく口きいたと思ったら、変なこと聞くわね!キャハハハハ!」
ルキM「俺の問いかけに対し無邪気に笑い出すアガーテ。
そうかと思えば、直後笑い声を消して、真昼の曇天を仰いだ。」
アガーテ「つまんないのよ、平和なんて。」
ルキ「平和?」
アガーテ「そ。せっかく素敵なおもちゃがあるんだから、使わないと損でしょぉ?
今の世界って、これが使える場所全然無いし、人だってまともに殺さない。
人を撃っちゃダメ、人を殺しちゃダメ、それを楽しいことと思っちゃいけないって。
誰が決めたの?こんなに素敵で楽しいことを禁止したのは誰?
平和なんて言葉で私たちを縛りつけたのは誰!?
面白くない世界を作り上げたのは・・・・・その基盤を作っちゃったのは、誰?」
ルキ「・・・・・。」
アガーテ「ま、誰だろうとどうでもいいけどねぇ〜」
ルキ「どういう、ことだ?」
アガーテ「私はね、こんな生ぬるい世界が大っ嫌いなの。
いつだって刺激が欲しい、楽しいことをしていたいわぁ♪
例えば、引き金を引いた瞬間に走る衝撃とかたまらない!
相手に撃ち込んだ銃弾が真っ赤な花を咲かせるのなんてとっても素敵!
今まで犬とか兎とか切り刻んだり絞め殺したりしてたけど物足りなかった。
でも魔弾が手に入ったおかげで、今は最っ高に楽しいわ!」
ルキM「狂喜を語るアガーテを包んでいたのは、隠すつもりのない罪の闇だった。
彼女の犯罪願望を、俺という存在が叶えてしまった。
俺の引いた最初の引き金は、これだったんだ。」
アガーテ「そういえば、前に殺し損ねた女がこの国に来たって聞いたわん」
ルキ「殺し損ねた・・・・・っ!」
アガーテ「確か名前は・・・・・・そう、ゼラフィーネ。
騎士の家を襲った時にいた女。
老いぼれ爺(じじい)に庇われて、衝動的に魔剣を握ったあの小娘!
たぶん向こうも私を恨んでいることだろうし、私もアレは殺したいのよねぇ♪」
ルキ「・・・わざわざ、危険を冒すのか?」
アガーテ「必要なことよん♪それに、私が負けるとでも?」
ルキ「ゼラフィーネは強い。それは、日本に来る前からも聞いてきた情報。」
アガーテ「だからこそよ!強いならなおさら殺しがいがある!
ましてや私を恨んでくる相手、真正面からぶつかってくるに決まってるわん♪
・・・・・さっきから私たちの隙を窺ってくる誰かさんたちとは違って。」
光邦「宗茂!」
宗茂「『一刀・波遊の太刀(いっとう・はゆうのたち)』!」
ルキ「『レオパルト・デア・ブルート』」
光邦「くっ、防衛手段を持っていたか・・・!」
アガーテ「追撃ぃ!」
光邦「っ、甘い!」
ルキM「物陰から襲い掛かってきた斬撃に対し防御壁を展開した。
直後、アガーテが追撃を試みたが、放った魔弾は容易く薙ぎ払われてしまった。
俺とアガーテの前に姿を現したのは、袴姿の男が2人。」
光邦「魔弾の射手、アガーテ・クラインハインツとその担い手ルシファー、だな?」
アガーテ「あらあら〜?随分詳しいのねん♪その通りだけど、あなたたちはどちら様ぁ?」
宗茂「名乗るほどでは・・・」
アガーテ「(さえぎるように)ニッポンのお兄さんって、
自己紹介もできないお子ちゃまなのかしら?キャハハハハハ!」
光邦「・・・・・ミスティオン日本関東支部所属、沖坂光邦。」
宗茂「光邦殿の契約者にして、名刀『波遊ぎ兼光(なみおよぎかねみつ)』が担い手。
名を、立花宗茂と申す。」
アガーテ「ふぅん、堅苦しいお名前ね。で?私に何か用?」
光邦「貴様の悪逆非道の行いは日本支部にも知れ渡っている。
聖剣魔剣を問わず数多の担い手・契約者の虐殺、
銃火器の密輸から金品強奪等、犯罪を重ねに重ねてくれているな。」
アガーテ「そうねぇ〜、そこらへんでは犯罪とか言われてるかもぉ〜?」
宗茂「・・・契約者がこのような状態にあるにもかかわらず、貴様は何も思わぬか!?」
ルキ「俺に意思はない。契約した以上、契約者の意思に従うだけだ。」
宗茂「それが、たとえ人の道を外れていようと?」
ルキ「あぁ。もう、諦めている。生き延びることと、贖(あがな)うこと以外は。」
宗茂「贖い・・・・・?」
アガーテ「長ったらしい話なんてつまんないぃ〜!もっと楽しいことしましょうよぉ!」
ルキM「不意に嘆きだしたアガーテは、先ほどまで調整していた拳銃を構えた。
魔弾『フライクーゲル』が装填された拳銃。
放つのは契約者でも、弾道を操作するのは、俺だ。」
光邦「来るぞ宗茂!構えろ!」
宗茂「御意!」
アガーテ「相手は日本刀ねぇ。武器も堅苦しいなんて、ホントつまんない。
『フライクーゲル、ツィーレン』!」
宗茂「だ、弾道が、くっ、宙を舞う弾丸か!」
アガーテ「変幻自在に舞うフライクーゲル、捉えられるかしらん!?」
宗茂「この宗茂を舐めてもらっては困る、はぁっ!」
アガーテ「あぁん、担い手はそれなりにやりそうねぇ。んじゃ、もう一発・・・!」
光邦「敵はここにもいるぞ!」
ルキ「『レオパルト・デア・ブルート』」
光邦「でええええあああああああ!!!」
ルキM「アガーテの前に張った防御壁に向かって、聖剣の契約者が突進する。
容易く破れるほど脆い防御ではないが・・・・・」
アガーテ「鈍(なまく)らなんかにルキの防御壁が破れるわけ・・・」
宗茂「(食い気味に)『一刀・波風の太刀(いっとう・はふうのたち)』!はぁあああ!!!」
アガーテ「ちょっ、担い手!?て、そよ風が当たっただけ?ウケルぅ☆」
光邦「よそ見をしていていいのか?」
ルキ「っ、アガーテ」
アガーテ「なぁにぃ?別に防御壁は何とも・・・・・えっ?」
ルキ「『シュターブ・デア・ヴィーナス』!」
光邦「ぐぅ!?っ、ぁああああああああああああ!!!」
アガーテ「キャアアアアアアアアアアアア!!!」
ルキM「敵の契約者が防御壁の直前に来た瞬間、防御壁が真っ二つに破られた。
俺が咄嗟に敵の視界を奪っていなければ、間違いなくアガーテは死んでいただろう。
・・・いや、直撃は免れたが、斬りつけられたことに変わりはない。」
宗茂「光邦殿!」
光邦「だ、大丈夫だ。強い光に目をやられた、じきに回復する。」
アガーテ「い゛、ったぁい・・・ちょっと、痛いなんて、もんじゃ・・・・・!」
光邦「一太刀浴びせることはできた。担い手に警戒しろ」
宗茂「無論!」
ルキ「斬撃の遅延か。見た目こそ弱いが、確実に回避しなければ恐ろしいな。」
宗茂「名刀『波遊ぎ兼光』の能力を見抜いたか。だが、時すでに遅し!」
アガーテ「むっかつい、た・・・!ルキ!」
ルキM「斬撃を受け、身体から夥(おびただ)しいほどの血を流すアガーテが声を荒げる。
俺は静かに指を噛み、滴る自らの血をアガーテの傷へと落とした。」
宗茂「なんだ?何をして・・・・・ぁ!」
光邦「傷が、塞がっていくだと!?」
アガーテ「あ゛ぁ〜もう!久々にいっぱい血ぃ流しちゃったじゃない!
服もベトベトになっちゃったしぃ〜。」
宗茂「担い手の血に治癒能力が・・・・・なんて出鱈目な!」
アガーテ「アンタたち、絶対許してあげないんだから。ルキ!思いっきりやるわよ!」
ルキM「アガーテが俺の手を掴む。俺はただ、それに従うだけだった。」
光邦「宗茂、我々もやるぞ」
宗茂「承知した!」
アガーテ「『マージ・ウェイク』!」
宗茂「『マージ・ウェイク』!光邦殿、拝借いたす!」
光邦「構わん、存分にやってくれ!」
宗茂「御意に!」
アガーテ「今日は気分がいいから、強いのでイってあげる♪」
ルキM「敵の主導権は担い手にあり、こちらの主導権は契約者にある。
俺はただ、持ちうる力をアガーテに貸しつけるだけ。
彼らのような許容付きの主従関係ではなく、諦めによる利害の合意。
契約関係など、力の差には影響しないものなのだろう。」
アガーテ「『満たせ満たせ満たせ!無垢なる罪で欲を満たせ! ジーベン・トーツン』!」
光邦「6丁の拳銃・・・・・だが単発式の拳銃ではな!」
宗茂「ふんっ!鉄砲玉ごとき、この兼光の前には小石同然!」
アガーテ「だったら試してみる?『レヴィアタン』『ベーゼブ』」
宗茂「弾は2発、目と同じ数なれば!」
アガーテ「じゃあもっとアゲるぅ♪『アスモディオス』『ベルフィゴア』!」
光邦「宗茂は左に集中しろ!右は任せてくれていい!」
アガーテ「2人で2つずつ、ねぇ。いつまで耐えられるかしらん?」
宗茂「ぐっ、さすがに速い・・・だが!『一刀・滝水の太刀(いっとう・ろうすいのたち)』!」
ルキM「4発撃った魔弾の1つが、敵の刀によって真っ二つに斬り落とされる。
だが、まだ絶えず飛び回っている3つの魔弾は、何度も敵の体をかすめていた。」
光邦「弾丸を確実に落とさねば、相手に斬りかかる暇もないな。」
宗茂「光邦殿、某(それがし)では回避しきれませぬゆえ、これ以上は・・・」
光邦「・・・・・やるしかない。」
アガーテ「作戦会議は終わったかしらん?1発落とした程度で、喜ばないことね!」
光邦「来るぞ宗茂!」
宗茂「『鎮まりし夜(よ)に一振りの波を 一閃・朧夜の祓え(おぼろよのはらえ)』!」
アガーテ「っ、水平薙ぎで、2発も落とすの!?」
宗茂「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
アガーテ「ちょっと、来ないで、来ないでってば!来ないでよぉおおお!!!」
光邦「これで終わりだ!魔弾の射手!!!」
アガーテ「・・・と、演技はこれくらいかしらん?」
光邦「何っ!?」
ルキM「マージ・ウェイク直後、召喚した兵装の銃は6丁、うち使用したのは4丁。
敵は魔弾を落とすことに必死で、残り2丁の存在を忘れていたようだ。
アガーテは左手にとった銃を真上に掲げ、その引き金に指をかけた。」
アガーテ「思いのほか楽しかったわ。『マモン』!」
宗茂「5つ目を放ったところで、某は止められぬ!
『重ねて流れ立たせん 一刀・波立の太刀(いっとう・はりつのたち)』!」
ルキM「相手の技が捉えたのは3つ。
アガーテが最後に放った弾丸は、まだ宙を舞っている。」
アガーテ「ふふっ!ざぁんねんでした♪全部落とせなかったあなたの負・け。」
宗茂「たかが残り1発、斬り落としてみせる!」
光邦「(さえぎるように)罠だ宗茂!前に出るな!」
アガーテ「遅いのよ!『シュネル』!」
宗茂「ぐぅああああっ!?」
ルキM「最後の魔弾が敵の射程に入った瞬間に急加速し、敵の左肩を捉えた。
アガーテが待っていたのは、敵が魔弾の速度に慣れてきた頃合い。
この状況下で、もう敵に勝機は残っていなかった。」
光邦「宗茂、ここは引くぞ」
アガーテ「逃げられるとでも思ったのぉ?2人まとめて、絶対に逃がさないわん♪」
宗茂「くっ、『一刀(いっとう)・・・』!」
アガーテ「(食い気味に) 纏い縛られ喚きなさい!『シュランゲ・ディー・ブルート』!」
光邦「な、にを、ぅぐ、ぁああああああああああああああああああ!!!」
ルキM「敵の傷口から、赤い蛇が肉を破って出てきた。
そして、敵の身体を這うように絡みつき、
長い長い身体で敵の刀ごと縛り上げる。」
宗茂「ぐぁああああああ!み、光邦、どの・・・ぐぅ!?」
光邦「腕の、感覚が・・・さっきの魔弾、か・・・・・!」
アガーテ「一発でも撃ち込めば、あなたの身体を突き破って蛇を絡ませられる。
そうして動けなくなっちゃったらもう、私の勝ちよ♪」
ルキM「上機嫌になったアガーテが、最後の、6つ目の銃を構える。
向けるは、赤い蛇の纏わりつく、敵の刀。」
宗茂「か、たなを、兼光を、折るというのか!?
だが、貴様の蛇が、邪魔になっているぞ・・・!?」
アガーテ「そうねぇ、蛇の皮って結構丈夫そう。でも、この弾丸の前には無意味よ。」
光邦「な・・・黒い、弾丸・・・・・?」
アガーテ「これが『フライクーゲル』の真の姿、通称『悪魔の魔弾』。
当てたいと思うものにしか当たらない、防御無効の必殺の弾丸。
例えば、あなたの刀の芯に当たれと命じたら、間違いなくそこに当たる。
刀に纏わりつく蛇なんて関係なくなるの。
ただ、この魔弾を使う時って、他の魔弾とか兵装とか使えなくなっちゃうのよねぇ。
だ・か・ら、あなたたちの動きを一時的に封じたのはこの為よん♪」
ルキM「アガーテが、最後の銃に悪魔の魔弾を込める。
そしてゆっくりと、銃口を刀に突きつけた。」
光邦「まさか・・・やめろ、やめろぉ・・・・ぐぁ!?」
アガーテ「聖剣を折れば、あなたたちはおしまい。
Auf Wiedersehen(アウフヴィーダーゼーン)。『ザターン』」
光邦「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ルキM「その悲鳴は、銃の発砲音を掻き消すこともできず、静寂に飲まれた。
・・・魔弾の発射と同時に、赤い蛇と、敵の担い手の気配が消えた。
力なくその場に崩れたのは、深い傷を負った適合者のみ。
悔しげに嗚咽を漏らすその男をよそに、俺の契約者は愉悦を感じていた。」
アガーテ「ん〜!思いのほか楽しかったぁ!
身体を斬られた時はすっごくムカついたけど、これでチャラにしてあげるわ♪」
ルキ「・・・マージ・ウェイク、解除。」
アガーテ「っと。ご苦労様、ルキ。」
光邦「ぅ・・・殺せ、宗茂を失って、主君が生き延びるなど・・・・・!」
アガーテ「あ〜ら死にたがり?どうしよっかな〜・・・・・あ、そうだ!
あなた、日本のミスティオン所属とか言ってたわよねぇ!?」
光邦「っぁ!?」
アガーテ「だったら、この名前も聞いたことあるんじゃない?
・・・・・『ゼラフィーネ・フォン・シュヴァイツァー』」
光邦「シュヴァイ、ツァー・・・・・ドイツの、魔剣の・・・・・」
アガーテ「やぁっぱり!楽しませてくれたから、あなたは生かしてあげる♪
代わりにメッセンジャーとしてゼラフィーネにこれを渡しなさい?
日本で言うところの『望月の日』に待ってる、って。いいわね?」
ルキM「そう言って、アガーテは敵の手に何かの端末を握らせた。
確か、位置情報を記録するための機械だったはず。
敵の返事を聞くこともせず、アガーテは満足そうに立ち上がる。」
アガーテ「さぁルキ!今日はもう帰ってシャワー浴びて寝ましょ〜?
自分の血でベトベトなの、早く洗い流したいわぁ」
ルキM「先行くアガーテの背中を、黙って静かについて行く。
自らの傷よりこぼれた血だまりの中で膝をつき、
悲しみと悔恨の嗚咽を漏らす敵を、決してその目に映さぬように。
・・・その時俺の心は、敵への憐れみよりも、
いずれ再会するゼラフィーネへの贖罪で満たされていた。」
光邦「くっ、宗茂・・・すまない・・・・・許してくれ・・・・・!」
To be continued.
こちらの台本は、コンピレーション企画「
Arc Jihad(アークジハード)」にて書かせて頂いたものです。
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