ここにタイトル


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<登場人物>
封夜(ふうや):
 18歳。幼少期に両親を失い、妹とキルと3人で暮らしている。
 日々精進を心掛けており、自分の弱さを素直に認められる。
 勉強は苦手だが、戦闘中は頭が冴える。
 
 能力:召喚系『剣を生成する』、属性系『風を発生させて操る』

萌花(ほのか):
 15歳。封夜の妹で、家事の殆どを彼女が担っている。
 賭け試合を始めた兄を心配しており、帰りが遅くなると兄を叱ることもある。
 夢見子様を信仰し、いつか「ありがとう」と伝えられることを切に願っている。

 能力:特殊系『結界を生成し展開する』、鍵持ち

アキラ:
 19歳。封夜をライバル視している賭け試合参加者。
 子供のように怒りの沸点が低く、実は殺したいほど封夜を憎んでいる。
 ラボラトリーの面々によって洗脳を受け、アキラの前に立ちはだかる。

 能力:召喚系『スナイパーライフルを生成する』

カズハ:
 19歳。封夜と萌花の共通の友人で、賭け試合の審判をしている。
 ラボラトリーから洗脳じみた教育を受け、布教を開始する。
 倫理観が支離滅裂になっている節がある。

 能力:属性系『触れた液体を凍らせる』





※特殊な読み方をする用語があります。必ず読み方ページを参照ください。

!━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━!



封夜「何かを守るためには、何かを捨てなくてはいけないのだろうか。」

カズハ「常に犠牲は付き物よ。私たちが食べてる肉や魚と同じ。」


萌花「Sham Garden 肆の庭『すれ違い』」


封夜M「キルに言われた通り、俺と萌花は家の中にいた。
   でも、窓の外を見ると、見知った顔の奴が二人、家の前に立っていた。」

萌花「お兄ちゃん・・・・」

封夜「アイツら・・・やっぱり・・・・・!」

萌花「・・・・行こう。」

封夜「バカを言うな!お前は家の中に・・・・」

萌花「家にいても同じ。それに、お兄ちゃん一人じゃ、庭での戦いは絶対不利だもん。」

封夜「けど・・・お前は・・・・・」

萌花「家の中に置いてっても、私は鍵を持ってるんだから、止めても無駄だよ。
   大丈夫、危なくなったら自分で外に出て逃げられる。」

封夜「・・・約束だからな?万が一の時には、逃げるって。」

萌花「うん。」

封夜「・・・・・行くぞ。」

萌花M「私たちは、家の外に出た。そこにいたのは、アキラさんと、カズハ。」

カズハ「萌花が神子守様かどうか、確かめに来たわ。」

封夜「どうしても、戦うって言うのか・・・?」

アキラ「当然だろ!昨日のアレが本気だと思うなよ!?」

萌花「カズハ・・・・」

カズハ「萌花、安心して。なるべく優しく、すぐに殺してあげるから。ね?」

萌花「っ・・・・・」

封夜「萌花は神子守様じゃない!」

カズハ「言葉なら誰だって言えるわ。『百聞は一見にしかず』って言うでしょ?」

封夜「カズハ・・・・!」

カズハ「お話はもうおしまい。・・・私の庭に招待するわ。
   『生まれ出でたるは我が望み叶う場所 開かれよ 夢見の庭!』」

封夜「くっ!?・・・・・・ここ、は・・・・・」

萌花N「展開されたカズハの庭は、10cmほどの水位のある水場が広がっていた。
   障害物はなく、ところどころに噴水のように水が噴き出ている場所がある。」

カズハ「ここが私の庭。私の能力を存分に発揮できる場所・・・!」

封夜「・・・・だが、アキラには不利な場所だな。
   同じ高さから相手を狙い撃つなんて、
   スナイパーならそんな無謀なこと、できないだろ?」

カズハ「そうね。でも、不利なのは封夜だけよ。
   近接戦闘が得意な封夜だもの、これだけ足が水に浸かっていたら、
   さぞかし走りにくいでしょ?
   射撃のための高台は、こうやって用意すればいいのよ。『フリーズ』!」

萌花N「カズハが手近にあった噴水に触れると、噴水はみるみるうちに凍りついた。
   5mはあると思われる氷の高台に、アキラさんが上った。」

封夜「チッ、やっぱ氷使いか・・・!これだけ水に囲まれてりゃ、当然か・・・・」

カズハ「私は普段賭け試合なんてしないから、封夜も対抗しにくいでしょうね。」

萌花「お兄ちゃん、気を付けて。あんまり突っ走りすぎたら・・・」

封夜「あぁ。足場を凍らされたらマズイってことだけはわかってる。サポート頼むぞ」

萌花「うん・・・!」

カズハ「フフッ、せいぜい足掻いて見せてよね!『アイス・ダーツ』!」

封夜「のわっ、中距離!?
   アイツの攻撃方法は投擲か・・・!」

アキラ「ボケっとしてんじゃねぇぞ!?ショットォ!」

萌花「させない!『スクード』!」

アキラ「チィッ!厄介な盾だ・・・」

カズハ「いつまで逃げてるの?『アイス・ランス』!」

封夜「くそっ、『絶風』!」

カズハ「風で壁を・・・・だったら・・・・『アイス・フェター』!」

アキラN「カズハが足元の水に触れると、水は、封夜に向かって真っすぐ凍り付いていく。」

封夜「ぐっ、萌花!」

萌花「うん!『アルコバレーノ』!お兄ちゃん、乗って!」

カズハ「読まれてたわね。結界の虹で空中に・・・・・・ぁ!」

封夜「まずはお前からだ!アキラぁ!」

アキラ「ライフル相手に突っ込んでくるバカが!撃ち抜いてやんよぉ・・・!」

封夜「俺には風があるってこと、忘れてねぇか?『風刃・一閃!』」

アキラ「なっ、銃弾が弾かれた!?
   ぼ、防御が、間に合わ・・・ぐあああああああ!」

カズハ「アキラ!・・・・・くっ・・・・」

封夜「これで2対1だ。カズハ、もうやめろ。庭を閉じるんだ。」

カズハ「何言ってんのよ・・・・新世界が、救世主様が創造されるチャンスなのよ!?」

萌花「カズハ・・・夢見子様は神様じゃないんだよ?世界を守る事しか・・・」

カズハ「無能な夢見子に!世界を守るだけしかできない存在に何の意味があるの!?
   悲しいことだらけで、無力な自分を認識するのはもうたくさん!
   私は絶対に負けない!神子守を見つける!
   新たな夢見子様のために私ができることをする!
   ・・・だからお願い、萌花・・・・死んで?『アイス・コフィン』!」

萌花「っ!?こ、氷が・・・!?」

封夜「萌花!」

萌花「お兄ちゃん、お願い、カズハを止めて・・・・!『クリサリーデ』!」

封夜N「そう言い残し、萌花は自分の体を結界で覆った。結界の上を、さらに氷が覆った。」

カズハ「仕留め損ねちゃった・・・・でも、時間の問題ね。
   氷で完全に密封されてるんだもの、そう長くは呼吸も続かないでしょう。」

封夜「カズハ・・・・お前・・・・・・!」

カズハ「私はなんだってするわ。
   たとえ萌花が死んでも、新たな夢見子様が甦らせて下さる!
   私の邪魔をするって言うなら・・・・封夜、あなたにも死んでもらう!」

封夜「・・・・本気、なんだな。」

カズハ「えぇ。もちろん」

封夜「止めても、無駄か。」

カズハ「封夜が私を止める?笑わせないで。
   ここは私の庭、賭け試合に慣れ過ぎた封夜が私に勝つなんて、
   ましてや他人の庭で勝利を収めるなんてありえないわ。」

封夜「・・・・・・悪ぃな、カズハ。本当はこんなこと、したくなかったよ。」

カズハ「え?」

封夜「さすがに、家族の命がかかってるんだ。
   こんな酷いことするやつなんざ・・・・」

アキラN「封夜が、剣を逆手に持ち直し、勢いよくその場に突き刺した。」

封夜「・・・友達じゃねぇよ。・・・・・『絶風輪廻』!」

カズハ「っ!?竜巻で、水を巻き上げて・・・でも、封夜の方に集めてる。
   私から水を奪おうっての?無駄よ!『フリーズ』!」

封夜「ぐあぁっ・・・!」

カズハ「アハハハハ!自分から水をまとうなんて、やっぱり封夜ってばバカね!
   私の手で凍らされるだけなのに、わざわざ大量の水を被って・・・・え・・・・?」

封夜「俺、勉強はからっきし苦手だけどな・・・
   戦ってる時だけは、頭働くんだよ。」

カズハ「ぐぁっ・・・ぅ・・・!?」

アキラN「封夜の剣は氷を貫き、カズハに突き刺さっていた。
   封夜を覆っていた氷には、徐々にひびが入り、やがて大きな音を立てて崩れた。」

封夜「お前の能力は、液体を凍らせる力だろ。
   もし氷を操る力なら、わざわざ自分の手で投げる必要はないはずだ。
   直接水に触れなければ、お前は氷を作れない。
   だから、俺は最低限のスペースだけ残して、自分の方へ水を引き寄せた。
   そうすればお前は、俺を氷の中に閉じ込めるべく近づいてくる。
   カズハ、俺の誘いにハマったな。」

カズハ「く・・・私が・・・・負け、る・・・なんて・・・・・」

封夜「・・・・・ゴメンな、カズハ。」

カズハ「っ、何を、謝って・・・・・謝るのは、私・・・・・」

封夜「俺は、妹一人守るので精一杯だ。そのために、友人に手をかけた。」

カズハ「・・・クスッ、私・・・友人失格、ね・・・・・ごめんね、封夜、萌花・・・・・」

萌花N「泣きそうな声で謝る声を最後に、カズハの庭は、静かに閉じられた。」



封夜「次回予告」

カズハ「友人を失った封夜が呪うのは、自らの運命か、ラボラトリーか。それとも・・・」

アキラ「嘆き悲しむ暇もなく、敵は封夜と萌花を襲う・・・・!」

萌花「次回、Sham Garden 伍の庭『目的』」

封夜「俺は・・・俺にできるのは・・・・?」



To be continued.
		






   
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