Sham Garden 陸の庭『褐色の女』
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＜登場人物＞ 封夜(ふうや)： 18歳。幼少期に両親を失い、妹とキルと3人で暮らしている。 日々精進を心掛けており、自分の弱さを素直に認められる。 勉強は苦手だが、戦闘中は頭が冴える。 能力：召喚系『剣を生成する』、属性系『風を発生させて操る』 萌花(ほのか)： 15歳。封夜の妹で、家事の殆どを彼女が担っている。 賭け試合を始めた兄を心配しており、帰りが遅くなると兄を叱ることもある。 夢見子様を信仰し、いつか「ありがとう」と伝えられることを切に願っている。 能力：特殊系『結界を生成し展開する』、鍵持ち キルシュ(キル)： 34歳。封夜と萌花の現保護者。 面倒見がよく、封夜の戦闘スキルを磨いた師でもある。 冷静さと穏和さを兼ね備え、有事の際には自ら先頭に赴く。 能力：属性系『炎を発生させて操る』、鍵持ち 浮嵐(ふらん)♀： 20歳。幼少期、神子守様だった母親を殺した父親に復讐を誓っている。 褐色の肌と銀髪を持ち、力仕事が得意で大食。 快活な性格だが、人を叱ることのできる強さもある。 男１♂： 年齢不詳。ラボラトリーに生み出された人工生命体で、個性があまりない。 能力：属性系『水を生成し、操る』 男２♂： 年齢不詳。ラボラトリーに生み出された人工生命体で、個性があまりない。 能力：事象系『葉を刃として操る』 ※特殊な読み方をする用語があります。必ず読み方ページを参照ください。 !━━━≡≡≡⊂´⌒⊃゜Д゜)⊃━━━ここから本編━━━⊂(ﾟДﾟ⊂⌒｀つ≡≡≡━━━! 封夜「ロータフォルタナエへ向かうために、旅の準備を進める俺たち」 キル「だが、敵であるラボラトリーの情報入手の早さは、異常だった。」 萌花「そして、トラブルやイレギュラーは私たちの周りに現れる。」 キル「Sham Garden 陸の庭『褐色の女』」 萌花「それじゃ、ちょっと出かけてくるね。」 封夜「本当に一人で大丈夫か！？ただの買い物っつっても、単独行動は・・・」 萌花「大丈夫だってば。お兄ちゃんだって、キルおじさんとお買い物行かなきゃだし」 封夜「けど・・・・」 キル「俺と封夜の向かう店が、ちょうど正反対な場所にあるからなぁ」 封夜「ぐっ・・・やっぱ俺、萌花と一緒に！！！」 キル「はい却下。力仕事なんだから、男手がねぇと昼前に終わらせられないだろうが」 封夜「うがああああああああ！！！」 萌花「お兄ちゃん心配しすぎ！もう、少しぐらい信じてくれたっていいじゃない・・・」 キル「とはいえ萌花。いざ戦闘ってなった場合は・・・・」 萌花「うん、わかってる。戦闘は庭の中で、でしょ？」 キル「あぁ。それがわかってりゃ、まぁ安心だ。んじゃ、気ぃつけるんだぞ〜」 萌花「は〜い！」 封夜「あぁ・・・萌花・・・・(泣)」 キル「お前もさっさと準備しろ。シスコン」 封夜「なっ！？おおおお前に言われたくねぇっての！ロリコン！」 キル「よ〜しわかった、ロータフォルタナエに向かう途中でも、 手加減無用で情け容赦なく訓練してやるからな〜♪覚悟しとけ(怒)」 封夜「っ、や、やってやるよ！今度こそぶっ飛ばしてやる！」 間。 萌花「はぁ・・・お兄ちゃん大丈夫かな？キルおじさんに迷惑かけてないといいけど。」 浮嵐「あ〜・・・・お腹空いたぁ・・・・」 萌花「ええっと、ピーマン買ったし、ニンジンは家にあるから・・・あとは卵だｋ」 浮嵐「もう・・・ダメ・・・・ばたんっ」※うつ伏せで倒れる 萌花「え？今、何か・・・(前方を見やる)ひ、人が、倒れ、て・・・え・・・えぇ！？」 浮嵐「うきゅぅぅぅぅぅぅぅ(泣)」 萌花「だだだだだ大丈夫ですか！？あの、すみません！」 浮嵐「あぁ・・・動けにゃい・・・・」 萌花「ど、どこか具合でも！？」 浮嵐「く・・・」 萌花「く？」 浮嵐「空腹が、臨界点・・・なう・・・」 萌花「あ・・・・お腹、空いてるんですか？」 浮嵐「ここ3日くらい、水おんりぃ・・・・」 萌花「そそ、それは大変です！あ、でも・・・う〜んと・・・・」 浮嵐「何か、ごはん・・・・ほしい・・・・(泣)」 萌花「あの、まだ買い物の途中なんですけど、それが終わったら何か、 私の家でごちそうしましょうか？」 浮嵐「いいの！？」 萌花「はわっ、は、はい、大したおもてなしは、できませんが・・・」 浮嵐「ごはんもらえるなら働く！あと1時間くらいなら動く！」 萌花「は、はぁ。」 間。 キル「とりあえずこんなもんか。」 封夜「萌花・・・」 キル「おら、さっさと持ってくぞ」 封夜「お、おう。・・・って、これ何に使うんだ？」 キル「あ？あぁ、それは私用でな」 封夜「こんな石ばっかり？」 キル「必要なんだよ、俺には。」 封夜「ふぅん？まぁよくわかんねぇけど」 キル「そのうち教えてやるさ。・・・時が来たら、な。」 男２「ロータフォルタナエ幹部、キルシュだな？」 封夜「え？」 キル「おいおい・・・いくらなんでも早すぎだろ・・・・」 男１「データ照合・・・間違いない、奴だ」 男２「ガキの方は？」 男１「ラボからの命令では、まだ殺すなと言われている」 男２「ならば、生け捕りだ」 封夜「おい、なんだよコイツら・・・！？」 キル「展開から考えて、ラボラトリーの連中だろう。 (独り言)しかも、俺の名を知っているとは・・・・」 男２「ん？一人足りない？報告では女もいたはずだ」 男１「神子守の可能性が高い。俺が見てくる」 封夜「なっ、行かせるかよ！『風刃』！」 男１「ちっ、邪魔を・・・やれ。」 封夜「葉っぱが風を割いた！？」 キル「『フランメ』！・・・気を付けろ封夜。奴ら、カダーウェルだ。」 封夜「カダーウェル？」 キル「ラボラトリーで研究されている、自我の薄い量産型人工生命体。 数の補充が簡単だから、同じ能力者がウジャウジャ出てきてもおかしくない。」 封夜「マジかよ・・・・ってことは、今目の前にいる6人って・・・」 キル「お察しの通り、ここで奴らを倒しても、また現れてくれちゃう可能性がある」 男１「我らは何度でも貴様らに立ちはだかる。欠陥があれば、改良されるまで。」 男２「神子守を見つける、その日まで。」 キル「アイツらはただの人形だ。直ちに燃やし尽くす！『フランメ』！」 男２「水よ、赤き炎を妨げよ」 キル「ちっ、俺のことは随分と調べられているらしいな。 炎使いが水使いを相手にすんのは、ちょいと骨が折れる」 封夜「だったら風はどうだ！『風刃・一閃』！」 男２「っ、水だけでは防ぎきれぬか。だがしかし。」 封夜「2人逃がしちまった・・・・萌花・・・・！」 キル「心配なら、目の前の敵をさっさと片付けるぞ！」 封夜「当然だ！！！」 間。 浮嵐「(オムライスにがっついて食べている)っぷは〜！ごちそうさま〜！」 萌花「お粗末様でした。」 浮嵐「いや〜すっごく美味しかったよ！思わず3皿食べちゃったし♪」 萌花「元気になられたら、幸いです。」 浮嵐「うん！元気元気！ホントにありがとね！」 萌花「いえ、こちらこそ。荷物持ってもらっちゃって・・・」 浮嵐「なんのなんの、それくらい。私、力仕事は男にも負けないぐらい得意だから！」 萌花「そうなんですか？」 浮嵐「おうよ！」 萌花「へぇ〜・・・・」 浮嵐「あ、忘れてた」 萌花「はい？」 浮嵐「自己紹介、まだだったね。私は浮嵐。あなたは？」 萌花「あ、萌花です。」 浮嵐「萌花って言うんだ〜。可愛い名前♪よろしくね、萌花！」 萌花「はい、よろしくお願いします！」 浮嵐「えへへ♪」 萌花「ところで、浮嵐さんは旅をなさっていたんですか？」 浮嵐「そうだよ〜？」 萌花「どこかに向かって？」 浮嵐「うん、目指して」 萌花「どこを、ですか？」 浮嵐「それは・・・・・ラボラトリー、だよ。」 萌花「！！！」 浮嵐「あそこに、親父がいるんだ。私は、親父を殺すために旅をしてる。」 萌花「え・・・・お父さんを、殺すため・・・？」 浮嵐「そう。私は親父に復讐する。それだけのために、一人で歩いてきたんだ。」 萌花「・・・復讐だなんて・・・どうして・・・・」 浮嵐「ちょ〜っと重い話しちゃうんだけどさ・・・私の母親、神子守様だったんだよね。」 萌花「神子守様・・・！？」 浮嵐「私が生まれる前から神子守様だったらしいんだけど、 私と親父がそれを知ったのは、私が8歳ぐらいの時、だったかな？ ・・・ラボラトリーの研究員である親父は、夢見子様を殺すために、 神子守様である母親を殺した。 お母さんの時は実験だったらしくてさ。 『現実世界で神子守様を殺しても、扉は出現しない』ってことを、 その時初めて把握したみたい。 自分の妻ですら平気で殺せるアイツ・・・・絶対に許せない。」 萌花「浮嵐さん・・・・・」 浮嵐「それよりさ」 萌花「はい？」 浮嵐「私のこと、怖くない？」 萌花「？どうして、ですか？」 浮嵐「親父を殺してやる〜とか言ってる女で・・・親父に似て、肌、褐色だし。」 萌花「え？」 浮嵐「肌が褐色で、それに反して髪は真っ白で。 周りからよく、気持ち悪いって言われてきたんだ。 でも、萌花はすっごく自然に接してくれるから、ビックリしちゃった。」 萌花「・・・肌や髪の色で、人を怖がったり忌み嫌ったりなんてできませんよ。 それに、浮嵐さんはお母さん思いの良い人です。 殺されたお母さんのために、必死になってるだけです。」 浮嵐「萌花・・・・・クスッ、ありがと。私を肯定してくれて。」 萌花「えへへ♪」 キルN「その時、家のドアが大きな音を立てて破られた。ドアの向こうには、男が二人。」 浮嵐「な、なんだよアンタら！？」 男１「女が二人・・・？報告では1人のはずだったが・・・・まぁいい。」 萌花「まさか、ラボラトリーの・・・！？」 浮嵐「え？なんでこんなところにラボのやつらが・・・」 男１「『生まれ出でたるは 我が望み叶う場所 開かれよ 夢見の庭』」 萌花「っ、浮嵐さん、逃げて！！！」 封夜N「萌花の嘆願も虚しく、男が開いた庭に、萌花も浮嵐も巻き込まれてしまった。 その庭は、木々の生い茂る森の中。 但し、萌花の庭や夢見子様の眠る森とは異なり、 鬱蒼と不気味な雰囲気が漂っている。」 男１「神子守捜索の任を優先する。女共を追い込み、扉を探せ。」 浮嵐「数は互角・・・でも、萌花は・・・・」 萌花「浮嵐さん・・・・」 浮嵐「萌花、能力は何？」 萌花「あ、わ、私は、結界です。結界を生成する、特殊系です。」 浮嵐「そう。なら、サポート頼める？」 萌花「え？」 浮嵐「アイツらは・・・・私がぶっ飛ばす！」 萌花M「戦闘力の無い私と、知り合ったばかりの浮嵐さん。 そして、襲ってきたラボラトリーの二人。 お兄ちゃんのいない戦闘は初めてで、とても不安だった。 お兄ちゃん・・・私・・・・」 男２「次回予告」 キル「ラボには優秀な諜報部があるようだな。もうバレちまってる」 封夜「お前らなんぞに構ってる時間はっ、ねぇんだよ！！！」 萌花「次回、Sham Garden 漆の庭『立ち上がる意志』」 浮嵐「私は・・・仲間が、欲しかったんだ。」 To be continued.
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